IPv4アドレス残り実質約3.5%

   このエントリをはてなブックマークに登録    2010/8/6-1

IPv4アドレス枯渇が徐々に近づいています。 日本時間の8月6日に世界のIPv4アドレスが実質約3.52%になりました(/8ブロックは残り14個、うち最後の5個は自動割り振りなので9個。参考)。

今回、APNIC(アジア太平洋地域)に割り振りられたのは49/8と101/8の2ブロックです。

参考:「IANA IPv4 Address Space Registry」(最新のIPv4アドレス割り振り表)

IPv4アドレス枯渇までの流れを予測

今の情勢では、次はAPNICに再度2ブロックが割り振られそうです。 直後、もしくは同時にARIN(北米、カナダ、及びカリブと北大西洋地域)に対して2ブロック割り振られるものと思われます。 1ヶ月前の情勢ではARINの方が先に割り振られそうでしたが、アジア太平洋地域の成長スピードが伸びているようで、今はAPNICが先になりそうです。

今年中に割り振られるのが、残りAPNICとARINの2回だとしたとき、IPv4アドレスの残りが実質約1.95%(最後の5個を含めると約3.9%)になりそうです。

来年開始直後にAPNICとRIPE-NCC(ヨーロッパ、中東、中央アジア)に割り振られるものと思われます。 ただし、タイミング的には今年の最後にAPNICとRIPE-NCCへの割り振りが行われる可能性も捨てきれません。 今年中にその2カ所に割り振りが行われた場合、IPv4アドレスの残りが実質約0.4%(最後の5個を含めると約2.3%)になった状態で2010年を終えそうです。

そして、いまのところは最後の一つの割り振りはAPNICになりそうだと個人的に推測しています。

最近の流れを見ていると、来年4月から7月ぐらいにIANAのIPv4アドレスプールが枯渇するのではないかと思い始めました。 アジア太平洋地域でのIPv4アドレス消費が非常に早い気がします。

この推測はIANAプールが増えない前提ですが、一部のIPv4アドレスが返却されて1〜2ヶ月ぐらい延命される可能性も多少はありそうです。

この推測は、現在指標とされているpotaroo予測のFigure 30を基に考察しています。 興味があるかたは「potaroo: IPv4 Address Report」をご覧下さい。

実際のIPv4アドレス枯渇の影響を真っ先に受けるのが日本などのアジア太平洋地域

「アメリカの動向を見ていればいいや」という考えもありそうですが、中国と同じIPv4アドレスプールを共有する日本では、IPv4アドレス枯渇に関してそうも言ってられない可能性があります。

IANAプールは恐らく2011年で枯渇しますが、その後は各地域毎に枯渇がトリガーされます。 恐らく世界で一番最初にRIR(地域IR)のプールが枯渇するのが、アジア太平洋地域のRIRであるAPNICです。 そして、日本はアジア太平洋地域です。

IPv4アドレスの割り振りスピードを見てもわかるように、アジア太平洋地域のインターネットは急激に拡大しています。 特に顕著なのが中国です。 先月、「中国の二つのISPが抱えるユーザは世界全体の2割に相当する」という記事がありました(Just two Chinese ISPs serve 20% of world broadband users)。 中国のインターネットが成長する勢いに応じてIPv4アドレスがアジア太平洋地域で消費されていってます。

ということで、IPv4アドレス枯渇は世界を5つに分けた状態で順次トリガーされますが、日本の居る地域は世界で真っ先にIPv4アドレスが枯渇します。 potaroo予測を見ると、恐らく2012年開始直後ぐらいだと思われます。

世界で最も早くIPv4アドレス枯渇が到来しそうなのはアジア太平洋地域ですが、世界で最もIPv4アドレス枯渇到来が遅いのがアフリカのAfriNICと思われます。 今のpotaroo予測を見る限り、2014年か2015年頃にはAfriNICのIPv4アドレスプールも枯渇しそうです。 そのため、IPv4アドレス枯渇の緊急性が最も低いのもアフリカ地域なのかも知れません。 また、アフリカ地域はそもそもインターネット普及率が低いので、IPv4を全く使わずに最初からIPv6をベースとしてインターネットを構築出来る可能性もあります。

最後に

IPv4アドレス枯渇が近づいています。 業務でインターネットインフラ関連に関わる方々は、来年ぐらいから色々と大変そうですね。

なお、「IPv6が間に合うの?」というのは個人的には好きではない表現です。 IPv6はIPv4アドレス枯渇そのものを解決するものではなく、IPv4アドレスの代替技術として皆に乗り換えてもらうためのものです。

恐らくIPv6への移行は非常に重要な要素になりますが、既存のインターネットはIPv6と互換性のないIPv4で構築されています。 そのため、IPv4アドレス枯渇に応じた対応は、IPv6への移行と平行して考慮したり行ったりする必要があります。

「IPv6が間に合うか」というよりは「IPv6移行もIPv4アドレス枯渇対策も両方しないとね!」という感じだろうと思う今日この頃です。 ちょっとややこしいとは思いますが。

関連

   このエントリをはてなブックマークに登録