2016年終わりにはトラフィックの半分がIPv6に、米Comcast
Comcast内を流れるトラフィックの約30%がIPv6によるものであり、2016年の終わり頃には50%ぐらいになると予想していると、ネットワーク部門を総括するJohn Schanz氏が公表しました。
Comcastは、米国最大のISPであるケーブルテレビ事業者です。米国では、日本のように電波によるテレビ放送がほとんどの地域で見られるわけではないため、各家庭が個別にケーブルテレビを申し込みます。そのケーブルテレビ契約と同時にインターネット契約も行われることが多いため、米国国内最大規模のケーブルテレビ事業者であるComcastが、インターネットユーザへのラストワンマイルの多くを提供しています。
Comcastは、かなり前からIPv6に積極的に取り組んでいます。CATV網では、ケーブルモデムのマネジメントをプライベートIPv4アドレスで行っていましたが、Comcastのように巨大過ぎると10.0.0.0/8では空間が足りなくなってしまうという問題があることも、IPv6に対して積極的になった要因だと思われます。10.0.0.0/8で表現可能なIPv4アドレスは、256の3乗、約1677万個ですが、2005年時点でのComcastのデータ通信サービス契約数は3300万件です(参考:Comcast: Our History)。
ケーブルテレビ網で利用される同軸ケーブルでの通信サービスを行う国際規格であるDOCSIS 3.0(Data Over Cable Service Interface Specifications)でIPv6を仕様に含めたり、DS-Lite、6rdなどのIPv4/IPv6共存技術に対して積極的であったのも、そういったモチベーションが関連していたのかも知れません。
今回Comcastが公表した「Comcast内のトラフィック」というのが、実はIPv4を運ぶIPv6トラフィックを含んでいるような気がしなくもないのですが、いずれにしてもIPv6によるトラフィックは年々増えているようです。
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