RFC6724: Default Address Selection for Internet Protocol Version 6 (IPv6)
RFC3484を置き換えるRFC6724が制定されました。 今後、IPv6が関連する話題で非常に多く登場することになるRFCだと思うので、IPv6に興味がある方々はご覧になることをお勧めします。
RFC6724のauthorとして、NTTの松本存史氏が加わっています。
元のdraftには他の方々も含まれていましたが、draft-ietf-6man-rfc3484bisからは日本人は松本氏だけに変わっていました。 authorには含まれていませんが、日本から多くの関係者が議論に加わって完成したRFCだと思われます。
過去のdraftの変化を見て行くのも面白そうです。
- Things To Be Considered for RFC 3484 Revision - draft-arifumi-6man-rfc3484-revise-03.txt
- Default Address Selection for Internet Protocol version 6 (IPv6)
- Update to RFC 3484 Default Address Selection for IPv6 - draft-ietf-6man-rfc3484-revise-05.txt
NTT IPv6フレッツ網関連
10.3.1として「Handling Broken IPv6」という節も追加されいます。 これは、あきらかにNTT IPv6フレッツ網を意識した記述だと思われますが、たとえば、"broken"という表現が「"」を含んでいる点などに「もしかしたらこういう議論があったのかも」など、綱引きの跡が感じられ非常に興味深いです。
(追記) と、思って書いてみたんですが、どうもそうじゃないみたいです。失礼しました。
その他いろいろ
ULA(Unique Local IPv6 Unicast Address)はRFC4193(2005年)であり、RFC3484(2003年)よりも後に標準化されました。 そのため、RFC3484内にはULAの扱いに関する記述がされてません。 RFC6724には、ULAの扱いに関する記述もあります。
6to4 IPv6アドレス(2002::/32)がIPv4よりも低い優先度になりました。 この変更により、将来の実装では「6to4を経由することによってIPv6で通信する方がIPv4よりも通信品質が著しく悪くなる」という状態を避けやすくなるものと思われます(6to4の問題に関しては「単なるIPv6対応と,使えるレベルの対応はまったく別の話 - Tokyo6to4プロジェクト」を参照)。
Appendix Bが「Changes since RFC 3484」となっているので、詳しくはそちらをご覧下さい。
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