ファブリックについてジュニパーさんに聞いて来ました [Interop Tokyo 2012]

2012/6/26-1

ファブリックについてジュニパーブースで聞いて来ました。

Q: ジュニパーさんの考えているファブリックとは何ですか?

TRILLとかFabricPathといったプロトコルでファブリックという製品を作ってらっしゃるメーカーさんもありますが、我々としてはプロトコルそのものとしてはあまり新しさは無いと思っていて、プロトコルの管理やネットワークのデザインを全く考えなくて済むための新しいテクノロジーが真のファブリックだと考えています。

そのために作ったのが、このQFabricです。 そういった意味では、これを使うことによって旧来のデータセンターにおけるネットワークデザインそのものを変えてしまおうというのが我々が考えている真のファブリック化ですね。

Q: 具体的な実装手法によってファブリックの特長に各社の違いがあるのだと思いますが、技術的視点で見たジュニパーさんの考えるファブリックの利点はどこですか?

先ほど申し上げた通り、我々のファブリックを使って頂くとプロトコルの管理はおろか、ネットワークデザインそのものを考えなくて済むようになります。 その部分が一番のメリットです。

今のTRILLなどを見ていると、「L2のプロトコルを考えなくて良くなる」とか「スパニングツリーでのブロッキングポート嫌ですよね」といっていますが、「L3プロトコルの管理も嫌じゃないですか?」「ネットワーク・トポロジーの設計・管理も嫌じゃないですか?」というのが弊社の考えで、弊社としてはL2だろうとL3だろうと、プロトコル管理やネットワーク・トポロジーまで含めて何も考えずにネットワークを自由に拡張することができる、これがファブリックのメリットだと思ってますので、そこら辺が差別化要素かなと思います。

Q: マルチパスを含めて枝葉の部分であって、プロトコルを考えなくて良いということですか?

もう少し大きくとらえると、ネットワークのデザインそのものを人間が考えなくて済む手段です。 これがファブリッブですね。

L2のプロトコルをファブリックで解決するといっても、ネットワークのプロトコルを考えなければなりません。 それってあまり嬉しくはないですよね。 我々のファブリックを使って頂くと、ネットワークのデザインを考えずに、ネットワークを完全にフラットに校正することができるようになります。 それが理想的なファブリックです。

Q: 今のところの想定顧客といいますか、どういったところで売れていますか?

想定顧客としては、主にデータセンター事業者のお客様ですね。

キャンパスでファブリックを使う流れも、我々でいうと別のバーチャルシャーシというファブリックもあるので、そちらはエンタープライズでも利用されていますけれども、こちらのQFabricは100%データセンターです。

Q: バーチャルシャーシもファブリックに入りますか?

他社さんのTRILLがファブリックというのであれば、弊社のバーチャルシャーシもファブリックに入るかなと思います。

Q: 前からバーチャルシャーシもファブリックであるとおっしゃってましたか?

そういう意味では、ファブリックと呼ばれる前から弊社はバーチャルシャーシを市場に出しているので、言葉が流行ってきたのでバーチャルシャーシにファブリックをつけようかなと、言い方を変えてみました。

やってることは一緒なので(笑。

Q: バーチャルシャーシとQFabricの考え方は、どちらが先に出てきたものですか?

バーチャルシャーシのほうが先だったと思います。

そこで作ってきたファブリックの限界がありました。 良いことと悪いことがあったのですが、他社さんのアプローチと同じくお手軽に出来るという面もあったのですが、それではできないこともあるという部分で原点に立ち返って作ったのが、こちらのQFabricです。

Q: 具体的なバーチャルシャーシとQFabricの違いは何ですか?

バーチャルシャーシは、かなりネットワークのデザインを考えなくても良くできているのですが、ゼロではないです。

たとえば、アクセススイッチのバーチャルシャーシ、コアスイッチのバーチャルシャーシ、それらをリンクアグリゲーションで繋げれば、VRRPやSTPなどを考えなくてもネットワーク全体を構成できるのですが、それでもやっぱりアクセス、コアといった、1層、2層というようなネットワークのデザインという部分が消せなかったというのが限界点です。

それに対して、QFabricというのはデータセンター全体を1台のスイッチで繋いで、データセンター自体を1階層でフラットにしちゃいましょうと、それが我々が考える理想的な形です。 そうなると、ネットワークのデザインもなにもなくなって、プロトコルに関しても考える必要がなくなり、ただただ必要なサーバやストレージなどのあらゆるリソースをたった一つのセットに繋ぎましょうというのが我々の考えている理想的なデータセンタースイッチです。

このようにネットワークのデザインやプロトコルを考えなくていいですよ、ということを実現するのがこのQFabricです。

Q: 今回のInteropの初日に1UのQFabric新製品が発表されていましたが、いきなりサイズが小さくなりましたよね?これでユーザ層が変わると思いますか?

そうですね。

一番最初に作ったのが、こちらの大きなシャーシでした。 日本のお客様だと、実績や規模をベースに話が進むところがありますので、いきなりこの大きさというのはあまりないのですが、海外とかですとやはりこれでも小さいと言われることもあります。

また、この技術の先進性や素晴らしさというのをご理解頂けたお客様がいっぱいいらっしゃいます。

ただ、日本のお客様は、もう少しスモールスタートを好まれるので、日本のお客様にとってはスモールスタートが出来ますし、これで一杯いっぱいになって拡大が必要になったらアップデートが可能なので、特に日本の市場には今回のマイクロファブリックというのは非常に有効なキーになると思います。

Q: 今後、ファブリックというのはどうなっていくとお考えですか?ジュニパーさん的な今後と、業界全体としての両方の視点でお願い致します。

そうですね。。。

ジュニパーとしてはスタンダードが大好きな会社なので、業界の規格が策定されるのであれば我々もそこに揃えて行きたいなぁというのはあります。 ただ、実際今日現在、CiscoさんとBrocadeさんが各自の独自ファブリックとなっていて相互接続できないように、多分、ここは統合されないのでは、と考えています。

そういう意味では、我々の自由な発想で作っているこのQFabricは最強だと思っているので、そこのスープアップをしていこうと。 たとえば、今のバックプレーンよりももっと大きいものを作るというのもありますし、もっとレイテンシの小さいQFabricを作るというのもあります。 ここの優位点を、ただただリードしていくだけですね。

ただし、業界がファブリックに関してまとまらないのであればという前提においてですが(笑。

たとえば、TRILLに関して考えると、弊社のバーチャルシャーシの方ができることも多いですし、現時点でお客様も満足されているので、そういった意味でTRILLに合わせる必要性がないということもあります。 そういった意味も含めて、難しいのではないかなと思います。

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