アジャイルメディア・ネットワークに参加して

2008/3/27

昨日、Livedoor ReaderでAMNパートナーブログがお勧めフィードとして掲載されるようになりました(Agilemedia : livedoor ReaderのおすすめフィードにAMNパートナーブログが登場)。 AMN(Agile Media Network)に参加して2ヶ月が経過しようとしていますが、内部から見たAMNはブログネットワークノウハウの塊のような気がします。 ノウハウというより、AMN運営者の思想が大きいのかも知れません。

他のパートナーブログの方々がどのように感じられているかは不明ですが、私の個人的な感想やブログネットワークをやるときのポイントではないかと思った点などを述べたいと思います。 感想とポイントと思った点が入り混じっており、一部ぐちゃぐちゃなのでご注意下さい。

パートナーブログのバリュー上昇を手伝ってくれる

AMNでは「もっと読者を増やしてくださいね」「どれだけPVがありますか?」というような呼びかけをするのではなく、実際に手を動かして各ブロガーの価値上昇の手伝いをしてくれます。 今回のLivedoor Readerお勧めへの掲載を交渉してくれたり、Yahoo!への掲載仲介をしてくれたり、Livedoorニュースへの掲載仲介などが挙げられます。

Agilemedia Webサイトでパートナーブログが各所で紹介されていたり、様々な「個人的な」知り合い紹介(仲介)なども行っているようです(例えばオンラインメディアへの紹介等)。 (ここら辺は各ブログのバリュー上昇とAgilemedia自体の利益が強い結びつきがある部分かも知れません)

個人的な感想ですが、現金による収入は明細書を受け取った次の日から徐々にインパクトが薄れていきますが、バリュー上昇に関しては感謝の心が継続する期間が長いです。

ブロガーの意思を尊重してくれる

各種イベントや広告掲載オファーが発生しますが、参加/不参加は各ブロガーの意思が尊重されます。 例えば、イベントに参加したからと言って記事を書かなければいけないわけではありません。 書く記事に関してもなんら指示されることはありません(機密事項の範囲告知などを除く)。

これに関してはブロガー側から質問が出る事の方が多い気がします。 例えば、「どこまで書いていいんですか?」「どこがオフレコでしたか?」といった問い合わせが発生することはあります。

ただ、それでは広告主側のメリットが少なくなってしまっています。 Agilemediaは、運用のバランス感覚としては非常に優れており、「でも、AMN参加者からも○人ぐらい書いてくれる人が出てくれると嬉しいです(笑)」といった「相手を指定しないソフトなお願い」は表明されることがあります。

例えば、私は非常にひねくれているので「やれ」と言われれば全力で戦うかもしれませんが、AMN式だと出来る範囲内で最大限に協力を惜しみたくないと考えてしまいます。 (単純杉という意見もあると思います)

広告主に対して正しく説明している

「AMNにバナー広告を出したからといってブロガーが取り上げるわけではない」という説明などを広告主に徹底している点も凄いと思います。 これはなかなかできるものではありません。

普通は、広告を取得するために「聞こえの良いこと」だけを連発して、後でヒズミが発生するものだと思います。 正しく説明をしないで営業をすると、プログラミングの営業と現場という構図が発生するのと同じような感じで、広告主とブロガーの間にヒズミが発生してしまいます。 下手をすると、広告を出したがためにブロガーと揉めて大問題になるという場合もあるかも知れません。 ブログネットワークを構築したいと思っている組織の方は、クライアントにマイナス面も正しく伝えるようにした方が良いと思います。

ブロガー同士が仲良くなれるように気遣い

一部有志によるSkypeのグループチャットを使ったりして、オンラインでの「仲間感」を演出しています。

様々なイベントもあります。 AMNに参加するブロガー同士による「横のつながり」を構築しようと努力されていると思われます。

もちろん、参加を強制するような空気は全く感じません。 参加したい人だけが参加するような雰囲気を保てているという点も凄いと思います。

馴れ合いにならない注意

馴れ合いは気の緩みを生み、良いことはあまりありません。 恐らく、外から見ている人が「馴れ合い」の空気を感じると、「何アレ」的になります。 (既に馴れ合いに見えているかもしれませんが。。。)

適度に新しい空気を入れたり、メリハリを維持するように努力されているように見えます。

また、駄目なものは駄目とはっきりと示される事があります。 ブロガーに対して配慮や気遣いをすることと、馴れ合いにならない事を明確に区別してあると思われます。

徳力さんの偉大さ

徳力さんは大きな人です。 180cm以上あります。 170cmの私はいつも見上げてしまいます。 それぐらい大きな人です。

徳力さんの存在は非常に大きいと思います。

他のパートナーブログが尊敬できる

他のパートナーブログの方々が凄い方々であるという点は、私にとって非常に大きな要素かも知れません。 新年会によんで頂いた時は多少緊張しましたし、身が引き締まる思いがありました。 参加メンバーを見たときの緊張感はWIDEに通じるものがあり、その中で自分を磨き成長できたら嬉しいと感じることができます。

覚悟

徳力さんに「いつ暴発するかわからない個人メディアを扱っていて怖くなる事はないですか?」と質問したことがあります。

徳力さんは「それを含めてのブログネットワークですからね。何か問題があったときでバックアップすべきときには矢面に立ちますよ。」と言っていました。

AMN以外の多くの組織は、可能な限り「組織の防御」を優先しがちです。 何かがあったら、ブロガーをトカゲの尻尾として扱おうとしている意図が見え隠れする組織もあります。

もちろん、AMNも「理がブロガー側にある場合は」という大前提があるとは思いますが、それでも「問題が起きたらその時点でバイバイ」という思想ではないことは確かだと思われます。

ブログネットワークを形成するには、不安定なものを不安定であると理解しつつ、それを受け入れ受け止める「覚悟」が必要な要素になってくると思われます。 それが見えればブロガー側も最大限協力すると思いますが、逆にそれが見えなければブロガー側もネットワーク側を「トカゲの尻尾」としか思わないではないでしょうか。

最後に

何となく個人的な感想や「ここら辺がブログネットワークで苦労する点だろうなぁ」と思うところを述べてみました。 これらはあくまで個人的な感想であり、視点によって随分違ってくると思われるのでご注意下さい。 AMNに参加している私がこのような事を書くと「自画自賛キモイ」と言われるのではないかとも思いますが、純粋にノウハウとして面白いと思ったので公開してみました。

ブログマーケティングやブロガーネットワークを目指す会社や組織は非常に多いです。 AMN以外のところとお付き合いさせて頂いたり、話をうかがうことも増えてきました。 しかし、AMNほど徹底していて、かつ、「うまく管理されている感」を感じられるところは他にはありません。

一歩引いて考えると、各手法自体は大企業で法人営業をしている社員の方々に近いものがあるかも知れません。 ただ、ブロガーと広告主双方に対してバランスを取りながらkeep in touchを実現しつつ、深すぎず浅すぎずを心がけている「場」は日本ではAMNだけなのではないかと予想しています。

ブログマーケティング等はまだ歴史が無い分野であり、多くの方々が試行錯誤をされている分野だと思います。 個人的な感想としては、システムなどの仕組み云々というよりもやっぱり「人と人」に帰着するものだと思われます。 ブログ集めや広告主集めがメインであるように思われがちなブロガーネットワークですが、一度集めたブロガーネットワークの維持管理が最大の難所であり肝ではないでしょうか。

現状では「ブログ」という世界で目立っている方々は非常に「個性が強い」方々である事が多いです。 個性が強いからこそネット上で目立っている気がします。

アクが強い個々の生態に理解を示しつつ、一緒に楽しそうに参加しつつ、自社の利益を適度に実現するような人材が渉外にいなければ、あまり成果はでないのではないかと予想しています。

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