WCIT-12 総務省インタビュー(5)

2013/1/4-1

Q: ただ、大騒ぎしなかったらヤバかった可能性が高いんですよね?騒いだことによってITUが情報を多く公開するようになったようにも見えました。

騒ぎにならなかったらどうなったかという仮定の話はしにくいのですが、確かに、情報公開はここまで進まなかっただろうと思います。 一方、Final Actの内容については、公開されなくても先進国は同じくらいがんばったと思いますよ。

逆に、会議が公開されちゃったから自衛のために過激なことを言っていた国があったかも知れませんね。

Q: 最後に今後に関しての質問です。WCIT-12は単なるスタートもしくは通過点のような気がしているのですが、この後、どのように話が進んで行くのでしょうか?

ITUでいうと、次は来年5月のWTPF(世界電気通信政策フォーラム)-13ですね(取材者注:取材は2012年12月に行われ、記事公開が2013年1月となっています。そのため、「来年5月」は2013年5月を示しています)。

これは、参加者がある政策について語り合って意見をまとめる会合です。 このフォーラム自体は、約20年前に日本の提案で始まったものなのですが、それを来年はインターネットをテーマにして行うということが既に決まっています。

しかも、議題にはインターネットリソースの話がいっぱい入っています。 ITU事務総局長の名前で、このフォーラムに出すレポートの第3案をITUのWebサイトで見て頂くとわかります。

このレポートは、意見募集をしながら加盟国の専門家が集まって練り上げてきています。 既に第3案まで出来上がっているんですが、まだひと悶着あるだろうと思います。

しかも、そのレポートが来年5月のWTPF-13にインプットされても、それは単なる叩き台に過ぎないので、フォーラム本番で色々な意見が出てまとまらず、結果は両論併記になるような気がします。 もちろん、この結果文書に法的拘束力はありません。

Q: 語り合うだけなのに、どのような影響をその後及ぼす可能性があるのでしょうか?

今回のWCIT-12の場では、「前回のWTPFの場でこういう結論が出ていて、それはハイレベルの決定だからITRに反映させなければならない」とアラブが言ってきたんですよ。 そういった感じで、次への足がかりになる可能性があります。

実は、ITU事務総局長のトゥーレ氏は、今年前半は「WTPF-13でインターネットを扱うことにしたからWCIT-12ではインターネットを扱わずにやろう」と、ずっと主張していたんですが、誰も聞いてくれないので年後半には余り言わなくなってしまいました。 ただ、今回採択されたインターネット決議には、WTPF-13でインターネットを議論しようというのが入っています。

Q: ということは、ITU事務総局長のトゥーレ氏は、かなり今回色々止めてくれてたんですかね?

はい、努力はしていました。 今年6月に来日した時も、WCIT-12はコンセンサスで、とかインターネットを扱って議論が決裂することは避けたい、と言っていました。 ただ、今回のWCIT-12の最後の方では、「インターネットと発音することすら許されないのか」と微妙に切れ気味な発言もありましたが。

動画アーカイブ 2時間12分ごろ (恐らく現地時間で夜1時頃)
取材者注:ITU事務総局長の発言は、Plenary 11の以下の部分ですね。

And I beg you not to say, not to think, that we cannot even pronounce the name "Internet" in this meeting. We do. In ITU we can pronounce the name "Internet" because we are working and Internet is running on telecommunication platforms. It's not taboo to pronounce that. The two words needs to work together. This is very clear.
It's not a crime to talk about Internet inside the ITU. Just like inside the bodies dealing with Internet they talk about telecommunications. Some of them are certain members of ITU and they are here in this room. Therefore, it should not be taboo. Let's not make an unnecessary or artificial fight between these two bodies that have been working together.

(続く:次へ)

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