ネットじゃ伝わらない

2009/3/27-1

インターネットの利用方法が加速度的に開発されて行っている今日この頃ですが、やっぱりどうしても伝わらない物もあると思い知らされることもあります。

ネットで「無駄に伝わり過ぎる」ということがある一方で、「伝わらない」と思えることも結構あります。 「内容」や「意図」という意味での「伝わらない」ではなく、感覚としての「伝わらない」です。

以下、「伝わらないなぁ」と思うことです。

1. 臨場感

ビデオなどによるリアルタイムなストリーミング等がかなり普及し始めていますが、どうしても「臨場感」が出ません。 例えば、コンサートの映像を見ても「ワクワクする」というよりも「外野がウルサい音楽」のように見えがちです。

「画質が悪いから」「音質が悪いから」という意見もたまに耳にしますが、個人的には音質とか画質の問題では無いと感じています。 超高音質で録音したものを無音室で聴くと、音の奇麗さや、音楽の迫力や、音の「位置」などを感じる事ができますが、「そこにいる」時の「臨場感」とは何かが違う気がします。

画質に関しても同様で、どんなに高画質な映像を見ても、どうしてもフラットな映像スクリーンの中での出来事のようにしか見えません。 そう考えると、スクリーンという映像投影先を自分が認識してしまっていて、「自分がその場に居ない」という事を実感しているのかも知れません。

2. 空気

臨場感に似ているのですが、例えば講演での「笑いどころ」というのがビデオ映像だとあまり楽しく感じない事があります。 リアルで笑うのは、その場の「空気」がそうさせているのではないかと思う事もあります。 笑いたくなってしまう「雰囲気」や「空気」というものがありそうです。

講演やプレゼンを現場で聴いていて思わず笑ってしまう事は非常に多いのですが、ビデオで見ると何となく笑えない割合が高くなると思われます。 笑えない割合が高いというよりも、笑うための敷居が上昇しているという感覚が近いのかも知れません。 第三者がYouTubeなどにアップされている映像を見た時に、プレゼンでウケを取っている場面を見て「何が面白いんだろう?」と冷静にシラケる事も多いのではないかと個人的には感じています。

そう思うと、テレビやラジオという媒体で視聴者を笑わせる芸人さんは凄いと思います。 私は行った事は無いのですが、お笑い芸人さんのライブイベントは映像で見るよりも数倍笑えるのだろうと予想しています。

臨場感の欠乏によって、「空気感」も伝わり難くなってるんですかね?

なお、ネット上にも全体の雰囲気としての「空気」というものがありますが、それは特定のネットサービスや表現方法などによって出来上がる全体としての「感想」というものに近いような気がしていて、ここで述べている「空気」との「空気感」とはまた違うような感じがしています。 何か、ちょっとややこしい表現ですが。。。

3. 感動

現場にいるのと比べて「感動」というものも伝わり難いと感じています。

近くで人が話をしていると、ちょっとした話に感動をおぼえたり、ちょっとしたことに鳥肌が立つことがあります。 一方で、映像を通して鳥肌が立つほどの感動を伝えたり、視聴者に感動してもらうことは非常に難しいと思われます。

さらに、自分が感動したという事実や情熱をリアルの場以外のところで伝えるのも難しそうです。 まあ、これに関しては自分の内面的な物なので、そもそもリアルでも感動の度合いを正しく伝えられるのかどうかが疑わしい所かもしれません。

4. 一体感

リアルで集まって何か一つの事をしていたり、何かを成し遂げた時の一体感もなかなか伝わり難いものです。 その「場」において自分が居る事と、その他の人々がそこに居て「何か」をしているという事実を認識できるかどうかが大きいのかも知れません。

良く出る例ではありますが、コンサート会場での「一体感」はプロモーションビデオやテレビ映像では得られません。 イベントの準備を皆で行って、イベントが無事終了した後での飲み会などでの一体感も恐らくネットでは伝わらないだろうと思われます。

何かを一緒に成し遂げるというところが重要なんですかね? そうすると、実は「一体感」はネット上で実現できる要素なんですかね???

皆でオープンソースソフトを完成させるような作業をすれば一体感が生まれるような気がしますが、オープンソースソフトで一体感を感じるような経験は残念ながらありません。

ニコニコ動画で皆で盛り上がるときには一体感があるんですかね? 自分はどこか醒めた目で映像を見ながら楽しんでいるので、ニコニココメントでの一体感は残念ながら感じません。

twitterで同じ話題で盛り上がって、特定の単語がバズッたときは「一体感」があると言えるんですかね??? 個人的にはあまりそんな感じはしません。 楽しいのは楽しいのですが、それが「一体感」かと問われると難しいところです。

ネット上での「一体感」を感じるための旅をしてみると楽しいかも知れませんね。

5. 細かいニュアンス

細かいニュアンスもネット越しだと伝わり難いと思われます。

ただ、これはネットというよりもフィードバックの問題である気もします。 細かいニュアンスを伝えようとするとき、私は相手の反応を見ながら説明方法を微調整するという方法をとります。

相手の反応を見ようと思った時、情報量が多ければ多いほど有利です。 そういった意味で、文字よりも音声の方がフィードバックが大きい場合が多く、音声だけよりも映像が付加した音声の方がフィードバックが多くなりがちだと思われます。

ただ、フィードバックというぐらいで、リアルタイムコンテンツでのみ実現が可能な要素です。 「その場」で「その瞬間」に反応が来るようなものでないと、細かいニュアンスを伝えるための微調整は困難になります。 そういった意味で、ストアードコンテンツよりもリアルタイムコンテンツの方が細かいニュアンスを伝え易いのだろうと思います。

とはいえ、やはりリアルで対面しながら伝える細かいニュアンスに勝るものはなさそうです。 まあ、細かいニュアンスが伝わらない方が上手く行く事も多いので、善し悪しなでしょうけどね。。。

6. 気温

これは当たり前と言えば当たり前なのですが、気温もネット越しには伝わりません。 何か非常に寒そうにしている映像を見ても、自分が暖かい部屋に居ると全く共感するものがありません。 逆に、冬に常夏の海の映像を見てもイマイチ実感が湧きません。

最後に

ustreamなどが結構使われるようになってきて、勉強会やイベントが中継されることも増えてきましたが、それによるエンターテインメントという視点で見るとまだ考えなければいけない事は非常に多く、今後の発展が非常に楽しみです。

恐らく、テレビ番組などを制作されている方々からすると「至極当たり前」な話を書いているのだろうと思います。 映像コンテンツ制作者な方々のノウハウを知りつつustreamなどを積極的に活用したら結構面白い何かが生まれそうですね。

とはいえ、足を運んでみないとわからないことは、まだまだ非常に多いなぁと思う今日この頃です。

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