検索エンジンがWebの中心から引きずり下ろされる?

2009/11/19-1

不況は様々な物を変化させつつありますが、Webの世界も不況の影響が徐々に出始めているような気がします。 最近は、様々なコンテンツ保持者がオンラインコンテンツに対する課金に関して検討しています。 少なくとも、私の周りでは多くの人々が電子出版やオンライン課金を検討しています。

まだ多くは「社内での検討」や「情勢調査」といった段階であると勝手に推測しているのですが、何かのキッカケあれば、雪崩現象的に多くのコンテンツが課金へと向かいそうな雰囲気を最近強く感じるようになってきました。

Webコンテンツの課金へと向かわせるもの

最近、Web課金に関する記事をチラホラ見かけるようになってきました。

JBpressの記事では、以下のような文があります。

 忠実な固定客は、編集的にも経済的にも重要だ。マードック氏がトーンを変えたのも、オンライン経済が新聞社が期待したような形で発展しなかったためだ。多くの新聞社は自社サイトを訪れる人の数を劇的に伸ばしたが、広告収入は停滞した。

 これは部分的には景気サイクルによる(米国のインターネット広告収入は今年上半期に5.3%落ち込んだ)が、広告主が無作為のトラフィックに価値を見いださないためでもある。ジャーヴィス氏が「グーグルジュース」と呼ぶもの -- ニュースサイトの記事へのリンクを通して読者を引き寄せ、話題や関心を集めること -- は、かなり味が薄いのである。

個人的には、これはその通りだと思います。 Web上では、無料でコンテンツを読む人の方が、お金を払ってコンテンツを読む人よりも大きなトラフィックを発生させる気がしています。 実際の潜在的な広告効果等に関しては良くわかりませんが、個人的なイメージとしてはサイトでの広告収入という視点では、無料コンテンツトラフィックはあまり換金率は高くなさそうな気がしています。

どことは言いませんが(笑)、私の知っている某サイトだと月間20万人が見た時の総合的な広告収入よりも、月額500円の会員200人を集める方が収入が多くなってしまう計算です。 (そんな事をしようとは思いませんが、参考までに。。。)

何が言いたいかというと、「現在運営しているWeb経由の広告収入よりも収入が高くなれば良い」という視点になってしまうと、非常に少ない会員数で初期の目標を達成出来てしまう組織が非常に多いのではないかと推測しています。

もちろん、露出効果を犠牲にすることになるので、そこに関してはかなりの賭けになるのでしょうが、そうも言ってられない財務状況だったりすると、少ない会員数で今よりも収入を上げることに走る組織も出てきそうだと妄想しています。

検索Indexに載らなくなる?

有料コンテンツが増えて行くと、Webにおける検索Indexに情報が掲載されなくなる割合が増えるのかも知れません。

ただ、Google Scholar等のように「論文の中身は検索出来るけどキャッシュは無いので購入するしか見る方法が無い(少なくとも正攻法では)」という方式もあるので、有料コンテンツが増える事が即座に検索Indexに載らなくなることと同義では無いとは思いますが、もしかしたらIndexされない「隠れた」コンテンツが増えるのかも知れません。

これは、ある意味、ネットが現実に近づいているという事なのでしょうか? 現実世界では、全ての雑誌に書かれている内容を簡単に調べたりは出来ません。 「ネット側が発展」することによって「現実に近くなる」というのは、例えばこういう感じになっていくということなんですかね。。。 だとしたら、何か微妙な気分ですね。

もっとアグレッシブな事を言っている人が。。。

検索Indexと言えば、今回の話題から一歩踏み込んで「様々なキーワードで検索上位のサイトにお金を払ってGoogleのIndexから抜けてもらったらどうなるだろう」という事をブログで言っている人がいるようです。

これを実際にやったら訴えられるんじゃないかと思うのと、かなり批判を浴びるのが明白なので、実際にやる人は居ないのでしょうが、多くのサイトが次々と有料サイト化すると似たような状況なのではないかという比喩としては興味深いと思いました。 恐らく「お金を積んで」というのは「Web課金によるユーザからの収入」にかけてるのでしょうね。

robots.txtで検索エンジンのクローラを拒否していたら、拒否を外して下さいと検索エンジン企業からメールが来たという事例を知っているので、Indexから情報が多いサイトが消える事は嫌がると思います。 スラドで話題になっていたのはGoogleですが、検索エンジン一般にとって「見えなくなる事」は大きな変化になり得るのかも知れません。

そして、それによって新たな「歪み」がネット上に発生し、その「歪み」にフォーカスした革新的な「何か」が登場することで、Web検索中心の世界が終焉へと向かうという未来を妄想しました。 我ながら酷い妄想です。

ソーシャルメディアが大きな意味を持つようになる?

検索エンジンロボットの侵入が防がれたとき、非常に大きな意味を持つようになるのがソーシャルメディアかも知れません。

「検索エンジン」という意味では、多少物足りないのかも知れませんが、ニュースソースへのアクセスを遮断された検索エンジンが「今注目のニュース」を得る手段としては、かなり有望なのではないかと妄想しました。

多くの人々のオンライン上での活動がソーシャルメディアへと出力され、それを検索エンジンが利用するという構造です。

今の「ロボット」が行っている作業を、「人間」が行う世界です。 ロボットが入れない所に入り込み、楽しそうな内容を人力で「掘り出す」形になります。 いわゆるクラウドソーシング(Crowd Sourcing, Cloudではないので注意)という奴ですね。

そう考えると、MicrosoftやGoogleがTwitterと提携してTweetに関するデータを購入する意味が将来的に出るのかも知れません。

最後に

今のWebの世界は、検索エンジンを中心に構成されていると思います。 しかし、実は検索エンジン中心というのは「今だけの状態」という事もあり得るのではないかと、妄想してしまった今日この頃です。

まあ、あくまで「妄想」なので、実際のところは良くわからないのでご注意下さい。

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