[書籍] クラウドソーシング

2008/7/28-2

クラウドソーシング - 世界の隠れた才能をあなたのビジネスに活かす方法」を頂きました。 献本ありがとうございます。

ワンパス目の感想は「つまらない」

一番最初に読み始めた感想は「つまらない」でした。

「○○はこのように成功した!」「××はこのような失敗をした!」が連発してあって、各ページに本文とは全く関係がなさそうなイメージ写真が数枚貼り付けてある薄い本に思えたからです。 内容が普段自分が接している世界に近いことがあり「当たり前だよなぁ」とか「どこかで見たことがありそうな話だなぁ」思ったものが多かった事も原因の一つかも知れません。

しかし、最終章を読んだところで「つまらない」と切り捨てるのは良くないのではないかと思い始めて、2パス目を読み始めました。 読むときに、できるだけ「当たり前」と思わずに読み飛ばさないように気をつけて読んでみると、実は結構重要な話が書いてあるということを知りました。

クラウドソーシング成功の8つのガイドライン

最終章は「クラウドソーシング成功の8つのガイドライン」というタイトルでした。 言われて見れば当たり前なのですが、このようにまとめてあるのは有意義だと思いました。

以下、一部抜粋して引用します。

1. 裏方に徹する

コミュニティを作るには、企業として相当な時間と金と労力がかかる。 そのため、社内のほかの部署と同様に管理したいという誘惑に駆られる。 しかしその考えは良くない。クラウドソーシングの本質は、コミュニティが持つ斬新で力強いアイデアやひらめきを手に入れることだ。 企業の役割は方向性を示して一歩下がることであり、コミュニティの活動に干渉することは目的にそぐわないのである。

(略)

2. 立ち入る時機を知る

コミュニティには自己修正する力がもともと備わっている。 トラブルメーカーは手厳しく扱われるか無視される。

(略)

フレーマーなどの無法者がコミュニティの活動を妨害しているにもかかわらず追い払われずにいる場合、企業は躊躇することなく介入すべきである。

(略)

3. 本物のコミュニティを作る

(略)

しかし成功する確率が高まるのは、メンバーがものごとに対する見方をおよそ同じくしている場合だ。

(略)

4. 秘密を作らない

何でもすぐにわかってしまうこの時代にあってはいやでも、企業が犯した過ちは遅かれ早かれ(たいていの場合は早いうちに)明らかになって、誰もが知るところとなる。 コミュニティを交えて仕事をしているときなら、過ちをすぐさま認め、謝罪し、二度と犯さないことを確約することが最善の策だろう。

(略)

5. 「完璧」であることを忘れる

コミュニティ・メンバーに話し合いを促すものは何であれ良い。 逆に、滞らせるものは何であれ良くない。 指示が完璧すぎたり細かすぎたりすると、話し合いを滞らせ、企業はほんとうに欲しい価値ある意見を得ることができなくなる。

(略)

6. 場をかき回す

(略)

必要なのは本物のディベート・クラブ、すなわちあるテーマについてどのような意見でも歓迎される、そんな場である。 企業としては、反対意見がどんどん述べられ、すでに明らかになっているグループの英知に対して異議が唱えられるよう、気を配る必要がある。 議論や反論といった活動の場でこそ、斬新なアイデアは生まれるのである。

(略)

7. 感謝を示す

コミュニティを主催する企業は、「取引」が行われていることを肝に銘じておくべきだ。 コミュニティ・メンバーは企業にとって価値ある方法で労力や能力を分担しており、その貢献に対しては感謝と報酬を与えられて然るべきあんおである。

(略)

コミュニティに感謝する方法として企業がどのような方針を立てるにしろ、コミュニティはまずその方法を検討して、公正で適切だと思えるかどうかの確認をすべきである。 そう思えないものは何であれ、目的を損ない、メンバーに不満を覚えさせ憤慨させてしまうだろう。

(略)

8. 先を見据える

コミュニティが育つには時間がかかる。 共通の関心事を持つ優秀な人々を引き寄せることは一晩で達成できるものではなく、生産的な環境に必要な人間関係を築き、強めるには、長い時間が必要なのである。

(略)

このような話は、今までWeb2.0的考えの中にどっぷりと浸かったことが無い人には新鮮なんだろうなぁと感じました。

最近、非IT系な方とのお話が増えてきたという事もあり、このような「事例」を元に「どうすれば良いか」を説く事ができるあんちょこのようなものは非常に重要だと感じました。

非IT系な方々は、「空気」という概念を理解してくれません。 しかし、「前例」は良く理解してくれます。 そのため、このような「前例」を基にした「これからどうすべきか」に関する論拠の組み立ては、非常に参考になると思いました。

例えば、社内でのプレゼンで「これをうちでもやりましょう」と言ったり、授業や講演で使うための情報ソースとして役に立つのかも知れません。

全体的に

やはり、象徴的な写真が散りばめられているのがあまり好きになれませんでした。

しかし、事例紹介を元に漠然と考えやすいWeb2.0的な話を理論的にまとめるためには、読んでみて面白い本かもしれないと思いました。 また、今までは技術分野にいたけれども、これから就職して技術とは多少離れるような学生が読んだり、Webの事が良くわからない非技術系の人が読んだりすると得られるものが多いかも知れないとも思いました。

最初は「紹介やめよう」と思った本ですが、2度目で味が出てきた本でした。


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