「世界初のプログラマ」だった知られざる6人の女性

2007/12/6

First Computer Programmers Inspire Documentary」という記事がありました。 ABC Newsの記事です。 「Invisible Computers: The Story of the ENIAC Programmers」というドキュメンタリー番組の紹介です。 このドキュメンタリー凄く見たいですね。。。

以下、要約です。 一部だけ抜粋なのと、あまり訳に自信が無いので原文を読んでください。 なお、原文に明確には書いていないと思いますが「世界初のプログラマは女性だけだった」と言っているわけではなく、「世界初のプログラマだったけど歴史に記載されていない女性プログラマ達を題材にしたドキュメンタリー映画」の話だと思います。


第二次世界大戦中、男性数学者の数が足りなくなり、6人の女性がENIAC(Electronic Numerical Integrator and Computer、世界初のコンピュータ)のプログラムを書く事になった。 現在80代になる女性たちが戦争中に世界初のコンピュータプログラムを書いていた事は、歴史家にも知られていなかった。

1945年、バーティック氏は数学科に在籍する数少ない女性の一人だった。 当時、軍では男性数学者が足りなくなっていた。 彼女は学校の先生になりたくなく、都会に行きたかったので応募することにした。

女性プログラマはずっと無視され続けてきた。 1946年にペンシルベニア大学で開催されたENIACの発表には女性たちは招待されなかった。

「Invisible Computers: The Story of the ENIAC Programmers」では、今まで歴史の中に埋もれていた世界初のプログラマだった6人の女性を紹介している。 この映画の製作責任者であるインターネット弁護士のキャシークレイマン氏は「この事実は女性もコンピュータプログラマになれるという手本として女性たちを勇気付けるでしょう」と述べています。

1985年、学生だったクレイマン氏は女性とコンピュータについて調べていた。 しかし、何も発見できず愕然とした。 その後、1940年代の軍による女性募集広告を調べているときに見た写真に女性が写っているのを発見したが、それは単なるモデルさんだよと言われた。


(恐らく、この写真の事だと思います)

クレイマン氏曰く「彼女達は非常に知的に見えたので、写真に写っている彼女達が実際は誰だったのかを調べてみる事にした」。

ENIACの職場は体力と忍耐と創造性が要求された。 機材は巨大だったし、膨大な数のスイッチやケーブルを扱わなければならなかった。

バートリック氏は非常に良い師に恵まれていたが、女性であるための困難もあった。 「会議に行くと女性は私一人という事が多かった」「私が何かを言っても無視された」「男性の発言だったら皆で議論をしていた」。 バートリック氏によると、そのような状況は現在も残っているという。

現在、学位を取得する理系女性は半分以上を占める。 しかし、コンピュータ科学では女性の割合は25%である。 生物学では57%、数学では47%である。 専門家によると、コンピュータの世界は女性に対して冷たく、女性を歓迎しない風潮がある。

映画制作者達は、この映画によってコンピュータ界の「オタク的(geeky)」なイメージを払拭したいと考えている。 若い女性がコンピュータの世界を「メガネをかけたキモオタ(nerdy)」だと思っている。

専門家によると、「女性の働き方は企業にとって有用だ。対人能力に優れており、組織をまたがって活動をし、合意を形成する事ができる。」。

マルコム氏によると、問題は女性をどうやって呼び込むかだそうです。 「賢くて問題を解決できるような人が欲しい。」 マルコム氏は、若い女性に対して「問題は機械ではない」と言うそうです。 地球温暖化問題など、ソーシャルな問題を提示するそうです。 マルコム氏曰く「女性はパズルとしての機械ではなく、社会問題や影響に興味がある」。 「女性の方が冷静に話を聞き、仕事をちゃんと終わらせようとする」 「女性の方が何でもやろうとする。男性は最も根幹の部分をやりたがる」

バートリック氏曰く「ENIACの仕事で責任を与えられたのは、私達がきっちり仕事を終わらせていたからだ。我々は仕事の全体像を見ていた」 バートリック氏はコンピュータで迷っている女性に「あなた達が好きな事をしなさい。好きであれば仕事ではなくなるから」と言う。 「私がやっていたことは非常に楽しかった。」

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