専属ブロガー社員という未来

2007/11/30

今更かも知れませんが「Web時代をゆく」を読みました。 それを読んで思ったのが「5年〜10年後にはブロガーであることが最大の価値である社員という存在が出現するのかも」という考えです。

「Web時代をゆく」の中でRubyに没頭する事が仕事である「社員」まつもとゆきひろ氏の話や、Google社員であるLinux開発者Andrew Morton氏の話が書いてあります。 「オープンソースが生んだ新しい雇用のかたち」という章では以下のように書いてあります。

つまりはこういうことである。 オープンソースプロジェクトが成功して利用者が世界中に増え、世界のITインフラの一部になってしまうと、そのプロジェクトの創始者やコアメンバーが企業の中に「いる」こと自身に、様々な存在意義が生まれる。 だから企業に雇用されながらも、日々の「時間の使い方」の大半を、まつもともモートンも「パブリックな仕事」つまり「Rubyの開発」や「Linuxカーネルのメンテナとしての仕事」にあて続けられるのである。

「Web時代をゆく」では「オープンソースで飯を食う」と表現していますが、オープンソースではなく「ブログ」でそれを実現する人が5〜10年後には出現してくるのではないか?と思いました。 (もしかすると、5年と言わず1年後だったり「既にそういう人いるよ」というのもあるかも知れませんが。。。)

現在のいわゆるアルファブロガーと呼ばれるような有名ブロガーな方々の多くは、社長であったり、個人事業主であったり、身元を隠してハンドル名で活躍していたりします。 雇われている会社名を出しながら活躍されている方もいますが、個人的な感想としては「ブログ」が仕事の100%ではなく、仕事の合間にブログを書くことがOKになっているようなイメージを感じます(本当かどうかはわかりませんが。。。)。

もし、「いること自身に存在意義が生まれる」というのがオープンソースであり得るのであれば、ブログでも同様の事は発生するのではないでしょうか? ブログで多くの読者を集めて「私は○○社の人間です」とプロフィールに書くことがその人の存在意義という雇われ方というのが将来発生しても良いのではないかと思いました。 これは、オープンソースの人を雇う利点よりも、現在大手企業がマラソンなどのスポーツ競技の選手を社員として雇っているのに似ているのかも知れません。

例えば、アルファブロガーな方が「××社の社員になります。職業はブロガーです。」と言うと、凄い宣伝効果になるような気がします。 スポーツ選手がゼッケンに会社の名前を書くのと同様に、ブロガーがブログを書いて企業名の露出回数を多くすることを期待して雇うという形です。 現状では、そのような事をしたいと思うような大手企業はあまり無いように思えますが、ベンチャー企業などでは知名度を上げる手段としてアリなのではないかと思います。 まあ、雇われているからといって「自分の所属している企業の良い点ばかり書いて宣伝しろ」と言たら大問題にはなりそうなので、かなり理解がある雇用主でないと難しい気もしますが。。。

あと、「Web時代をゆく」にも書かれていますが、このようなことが出来るのはほんの一握りの人だけだと思われます。 やはりアナロジーとしては「プロのスポーツ選手(ただし、野球/サッカー/バレーボール/相撲/プロレス等を除く)」が良い気がします。

ただ、そのような事象が加速していくとブログの「プロ化」が進行して行き、プロと素人の質の格差というものがブログの世界で大きく開いていくと思われます。

さて、そのような時代は来るのでしょうか。。。

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