チンパンジーの選択 (授かり効果)

2007/11/14

下手に何かを持っていると、それにしがみついてしまって選択を誤ってしまうのは本能かも知れません。

Chimps exhibit endowment effect」という記事がありました。 原文記事では、授かり効果(endowment effect)がチンパンジーでも発生する事を発見した研究を紹介しています。

授かり効果(さずかりこうか)とは、一度所有をしてしまうとそれを手放したくなくなってしまう心理のようです。 1980年の論文で提唱された理論のようです(Thaler, R. (1980). Towards a positive theory of consumer choice. Journal of Economic Behavior and Organization, 1, 39-60)。

過去に人間に行われた実験では、被験者は3グループに分けられて、一つ目のグループにはコーヒーマグを渡し、二つ目のグループにはチョコレートを渡し、三つ目のグループにはコーヒーマグとチョコレートを選べるようにしたそうです。

最初に物を渡された2つのグループは、最初に渡されたものともう一つの物を、その後交換できるようにしたそうです。 しかし、最初に物を渡された2つのグループは、交換には応じずに最初に渡されたアイテムを保持し続ける割合が高かったそうです。 なお、このときの「高かった」の定義は、自由選択を行わせた3つ目のグループの結果と比較したものであるそうです。 三つ目のグループは、本来ならどのようにコーヒーマグとチョコレートを欲しがる人が分布するかを調べるための調査であったということになります。

チンパンジーへの実験は、過去に行われた人間に対する実験に近い方法で行ったそうです。 チンパンジーへの実験では、コーヒーマグとチョコレートの代わりに、ピーナッツバタースティックとジュースのアイスキャンディを利用したそうです。

最初に両方を提示して選択できるようにしたとき、チンパンジーがそれぞれのアイテムを選んだ結果は半々だったそうです。 しかし、最初にピーナッツバターを与えたチンパンジーの80%は、アイスよりもピーナッツバターを選択したそうです。

なお、最初がアイスの場合は60%になったようです。 (原文には書いてありませんが、図を見るとそのようになっていると思われます。) さらに、食料ではないものと食料を比較した場合、授かり効果が発生していない(もしくは食料に対する欲求が勝っている)と思われます。

おまけ

授かり効果以外にも判断を誤らせる事象は色々ありそうですね。 その他の効果は小飼弾さんがまとめられている「404 Blog Not Found : あなたが正しいと思っていることが間違っている26の理由」を見ると楽しいと思います。

「viがいい!」「emacsがいい!」なども授かり効果なんでしょうか。。。 いや、そんな事ないですよね!!!! ウキキィ。(「ウホ」は別のものを連想させるので。。。ウキキです。)

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