トップレベルドメイン大増殖時代の幕開け

2012/1/12-1

2012年1月12日(米国時間)にICANNでの新gTLDの受付が開始されます。 トップレベルドメイン大増殖時代の幕開けです。

雨後のタケノコのように増えそうなNew gTLDs

これまで、TLDは「ほとんど増えない」ものでした。 数年に一度ICANNが「増やす」と明確に決めたり、国家が増減する以外でTLDが増える事はあまりありませんでした。

しかし、そのような状況が一気に変わろうとしています。 ICANNが「New gTLDs」を開始したため、今年(審査が終了して実際に運用開始されるは来年?)から数百もしくはそれ以上の新gTLDが誕生する可能性があります。

「New gTLDs」の申請は、1月12日から3ヶ月間ICANNで受け付けられる予定ですが、現時点では、たとえば、スコットランドが「.scot」を申請したり、ロンドンが「.london」を申請するという記事が出ていました。 他に、ベルリン、ニューヨーク、パリ、ローマ、シドニーが新gTLD取得を目指しているとあります。 日本の都市としては東京都が「.tokyo」の取得を目指しています(参考1参考2)。

日本では、キヤノンが.canonを目指すと発表したり、日立が.hitachiの取得を目指すという話題もあります。

これらの共通するのは、ICANNへの申請代行とともに、審査合格後にレジストリ業務を受注しようとしてそうな事業者が絡んでそうな点です。 たとえば、Melborune IT社が、クライアントからの依頼を受けて100以上のnew TLDを申請する予定であると発表しています。

審査および運用費(ICANN支払い分)

新gTLDの審査費用が185000米ドルです。 これは、審査に落ちたとしても返って来ません。 さらに、状況に応じて追加審査が必要な場合には個別に追加費用がかかります。

実際に運用するときには四半期ごとに6250米ドルの固定手数料および、その後のドメイン登録および更新ごとに発生する取引手数料0.20米ドルの2種類の手数料がかかります。 さらに、そのTLDでの登録数が5万件を超えた場合、四半期毎に0.25米ドルを支払う必要があります。

TLDを運営するには、これらの費用以外に、実際に運用するための経費が必要となります。

次の募集も近いうちに

今回の新gTLD募集は、2000年に行われた第1回、2003年に行われた第2回に続く第3回目です。 3ヶ月の募集期間が終了すれば、第3回の募集は終了します。

しかし、ICANNのAppliciant Guidebook(2012年1月11日版) 1.1.6.項に以下のようにあり、第4回募集が早急に開始される可能性が高いと思われます。

1.1.6. Subsequent Application Rounds

ICANN’s goal is to launch subsequent gTLD application rounds as quickly as possible. The exact timing will be based on experiences gained and changes required after this round is completed. The goal is for the next application round to begin within one year of the close of the application submission period for the initial round.

募集が定期的に行われるようになれば、今までのように「TLDの増減は滅多に発生しないもの」ではなくなり、「TLDがやたらと増える」ようになります。

波乱がありそう

「誰がその文字列を運用する権利を持つのか?」に関しての争いも多く発生しそうです。

しかも、TLDそのものの文字列だけではなく、第二レベルでの文字列におけるブランド確保という仮題もあります。 たとえば、「hogehoge」というブランドがあったとして、「.hogehoge」というTLDだけではなく、「.shop」というTLDができたときに「hogehoge.shop」に関しても気にする必要性が登場するかも知れません。

今回の新gTLD申請とは多少異なりますが、アダルト専用の「.xxx」TLDが2011年に開始されましたが、YouPornなどのアダルトサイトを運営する会社にxxx運用会社であるICM RegistryとICANNが訴えられるという波乱が既にあります。

今年5月1日に申請されたgTLDが公開されますが、それが公開された後の意義申し立てでどうなるのかが最初の注目ポイントのような気がしています。

さてどうなるんでしょう

今回の動きはインターネットの名前空間での大きな変化開始を意味しています。

この変化によって、FQDNやURLやその他identifier等に関する考え方が変わるのか、インターネットの運用形態が変化していくのか、もしくはTLDが増えたところで何も変化はないのか、今後の推移を見守りたいと思う今日この頃です。

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