ブロガーユニット

2009/3/2-2

ブロガーのギルド、もしくはブロガーのユニットというものが生成されていくようになると色々出来る事が増えて行くのではないかと、漠然と考え始めました。

人間一人だと出来る事に限界があり、個人で運営しているサイト(URL)だけでは、力不足になる事も多いと思われます。 そして、面白い話や面白い案件は、質が高くボリュームがあるような媒体へと集中する傾向があります。

例えば、複数人による「編集部」を持つようなブログが海外で色々ありますが、そのような組織の記事の質と量と同等のサイトを維持するのは個人ブロガー一人では実現困難です。 そこで、複数のブロガーが組んで「ギルド」や「ユニット」を作れないだろうか?と考え始めました。

しかし、複数人で集まって「編集部」を持つ巨大ブログという方法も色々難しい面を抱えています。 例えば、複数のブロガーが一つのサイトを皆で運用しようと思ったとき、各ブロガーが時間をかけて維持して来たサイト(URL)では別の場で活動することを求められるかも知れません。 ブロガーにとって、自分のサイトはまさに「自分の城」です。 恐らく、可能ならば自サイトを活かした方法を望むと思われます。

そこで、集合することの力を実現できるような形態はないだろうかと色々考えました。 オンラインメディアのような形を複数人で作り上げて、そこで様々な人が記事を書く形態も非常に面白いのですが、既に個人として活動しているブロガーが保持しているURLを生かしつつ、集合の力を使えるような方式があっても良いのではないでしょうか。

ユニット生成方法

今のところ考えている方法としては、以下のような感じです。 可能な限り「ゆるい繋がり」を維持しつつ、案件毎に「密な繋がり」をアドホックに結成できるような形態が良いと感じています。

  • 「何かあったらユニット作ろうよ」というメンバーが集まる
  • プロジェクト単位でユニットが結成される
  • 例えば、誰かが案件を持ってくると条件の合う人が手を上げてユニット結成
  • ユニットを代表して誰かが条件を交渉する
  • 条件が決定したところで案件開始

現在の考えとしては、出来るだけアドホックにしたいと考えています。 これは、案件毎に得意不得意が出ると思われるからです。 また、条件によっては駄目というものもありそうだからです。

この方式のポイントは、「縛られない」事と「ユニットを作るあてが常にあり続ける」というところではないかと考えています。

ただ、場合によっては最初から固定メンバーでユニットと言い切って活動した方が効率が良いのではないかという悩みもある事は確かです.

イメージしているもの

今のところイメージしているのは「取材」です。

例えば、企業に行って未公開な情報を聞いて来てプレスリリース前に発表させてもらったり、イベント会場の裏方や準備期間中に入れてもらったり、外国の有名人が来た時にグループインタビューの機会を頂いたりという事をイメージしています。 ブログマーケティング企業などに依頼しにくいが、テレビ/新聞/オンラインメディアにもお願いしにくいというような案件を頂くという形になりそうです。

例えば、企業の未公開情報やイベント準備期間中という話になると、記事が出る前に事前検閲を許可する事や、場合によっては事前にNDAを求められる場合もあります。 「NDAは嫌!」とは思うのですが、NDAが必要になるような情報にアクセスできているという別の視点もあります。 NDAにも色々種類があって、例えば「○月○日○時までは公開しません」という形態のNDAにサインして書いた事もあります。 このNDAの内容等も事前にユニットとして交渉できれば、交渉も多少有利に出来るかも知れないという想いがあります。

また、例えば海外の有名ベンチャー企業の方が来日したり、海外の有名活動家の方が来日したり、という時に「時間とってあげられるよ。取材したい?」というオファーがあったとします。 英語による対面取材をこなせる自信が無いけど、複数人なら絶対同席したい!という事もあります。 そのような時に、気軽に声をかけられるブロガーな方々が色々いるとお互い面白いだろうという想いもあります。

さらに、ユニットとしてそのような活動や取材を重ねて行く事で、今まではなかったオファーをいきなり頂ける事も増えるのではないかと予想しています。

ブロガーにとってのメリット

ブロガーにとってのメリットは主にPVの上昇やネタの入手になりそうです。 ブロガーによる取材や執筆そのものは、恐らく無償でやるものになると思います。

メディアスポンサー

例えば、イベントであればメディアスポンサーとしての扱いを要求する等の交渉が出来るかも知れません。 ブロガー側が「スポンサー」というのも何か奇妙に聞こえるかも知れませんが、「記事を書く」事により発生する「お金ではない利益」を提供するという意味での「スポンサー」になるだろうと思われます。 メディアスポンサーになることのメリットも色々ですが、例えば、イベントのWebに明記してもらったり、配布されるパンフレットに記載してもらったり、イベントが提携しているオンラインメディアからのリンクを各記事に張ってもらう、ブログ紹介ブースを会場内に設置してもらう、などの方法もありそうです(もちろん、すべては交渉ですが)。

雑誌で特集

あとは、例えば雑誌記事を書くための取材に行くという方法もあるかもしれません。 特定の雑誌社に「○○という特集をしませんか?」とブロガー数人で提案を行い、それに向けて各自が取材に行くということが出来そうです。 一人だと特定のコラム記事を提案するぐらいに留まってしまいますが、例えば10人で構成を考えてから提案を行えば、専門誌の1号分のメイン特集を全てユニットでパックとして提案できるかも知れません。

ブロガー会見/ミーティング

海外の有名人が来日したときのグループインタビューなどの実績を何度か重ねていれば、「ここに連絡すればいいんだ」というように認識してもらえるかも知れません。 まあ、かなり絵に描いた餅ですが。。。

記事広告

例えば、紙媒体の雑誌やオンライン雑誌などのように「タイアップ記事」や「特別企画」のような雰囲気で記事広告を高額で受注するという考え方もありますが、実績が無いうちはやるべきではないと考えています。 もし記事広告を取り扱うのであれば、恐らく「これは記事広告であり、お金を受け取っています」というような文は記事中に入れると思います。 (このブログでも過去に明記した形で有償の記事を書いた事があります。)

記事広告をユニットで行うメリットとしては、例えば価格交渉が得意な誰かがまとめて高額で受注したり、案件が入り易くなるなどがありそうです。 (今のブログ表示広告だけで生活するのはやはり難しいので、結局は記事になるんですかね。。。)

まあ、でも、今は色々と冷え込み方が尋常ではないので、どっちにしろ記事広告は難しいだろうと思います。

先行事例

ONEDARI BOYS」が先行事例として挙げられるかも知れません。 ONEDARI BOYSは、2007年のWeb人ユニット賞を受賞しています。 ONEDARI BOYSは有名ブロガー7人が集まって結成されています。

ONEDARI BOYSについて」では、「ONEDARI」の主旨が以下のように説明されています。

主旨に賛同頂ける企業から製品・サービスの提供を頂き、その中からONEDARI BOYSが「ONEDARIしたい!」というものがあったら、 ONEDARI BOYSの参上となります。
というのも、自分が望まないものを「ONEDARI」されても、魂が揺さぶられないため、心震わす文章にはなりにくいのです。もしそれをしてしまうと、ただのペイドパブになってしまい、ブロガーにとっても、せっかく商品提供して下さった企業様にも良い印象を残さない結果になると思います。
かなりわがままなONEDARI BOYSですが、人にお勧めする以上は、やはり自分の気に入ったものでないと、というのがあります。また、ONEDARI BOYSは法人ではなく、あくまでも個人ブロガーの集合体です。そのため、統制がとれない面もあるかと思います。
しかし、おかげさまでいくつかオファーも頂き「ONEDARI」の輪も広がりつつあります。もし上記にご賛同頂けるようであれば、何とぞ「ONEDARI」よろしくお願いいたします。
ONEDARI BOYは、顔の見えるバイラル・マーケティングです!

このように、バイラルマーケティングを主眼に置いたブロガーユニットのようです。 2006年1月より、数多くの案件が紹介されています。

今回私がやってみたいと思う方向性とは多少違うのですが、非常に参考になる先行事例だと思いました。

最後に

昨今、「ブログマーケティング」という視点が非常に多いのですが、今回の考えは多少方向性が「マーケティング」からは離れています。 (取材を依頼する方の意図は同じになるのかも知れませんが。。。)

最近、出版社に勤めていた知人が転職したり、フリーになったりするという話を少しずつ聞くようになってきました。 雑誌が廃刊(休刊)になるなどの要因も関連しているのかも知れません。 不況などの影響もあって、今年一年も記者系の方々がフリーになって行く事例があるような気がしています。 そのようなときに、先行事例として「文章を書く人が、各自で個としてのプレゼンスを維持しながら、かつ、集合して力を得る」というようなものがあれば、色々と選択肢が広がるのではないかと感じています。

さて、この構想をどうやって実現できるのか、もしくはやっぱり実現は難しいのか。。。 色々やってみたいと思います。

追記

タケルンバ卿日記: ブログ通信社・ブログ記者クラブ

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