熱帯魚直輸入の難しさ

2007/6/16

お店に電話をかけて注文を行うと、注文通りのものが来ることが期待できる日本の環境って実はありがたいことだと思う話を聞きました。 国内でプログラミングをするだけだと南米などの人とコミュニケーションを取るような事はありませんが、世界の多くの地域は日本とはずいぶん違うんだろうなぁと思いました。

プレコ王国という熱帯魚サイトを一緒に製作しているおおぞら観魚園さんは、2〜3ヶ月に一度ぐらいの頻度でブラジル現地シッパーからの直輸入を行っているそうです。 普段の仕入れは国内の熱帯魚問屋からだそうですが、たまに直輸入もするそうです。 直輸入は、変わったものが混ざりで送られてくる可能性があるというメリットがあります。 熱帯魚の世界では、個々の魚の模様や種類のレアさなどで価値や需要が大幅に変わります。 レアなものを含む多くの種類を提供し続けられるかどうかが熱帯魚ショップの腕の見せ所のようです。

死着

しかし、直輸入には大きなデメリットもあります。 まず、直輸入便では国内便と比較して魚が死着する可能性が高くなります。 死着してしまうと、その分の送料と魚代が丸ごと赤字になってしまいます。 死着を減らすためには、プレコの種類と輸送に対する強さや時期を経験則に従って考えながら注文をすることで出来るだけ回避しようとするそうです。 (プレコ王国の死着記事参照)

写真で確認できない

次に、注文するときに見られるのが名前とLナンバーと現地シッパーがつける名前だけであるという点があります。 同じ種類の熱帯魚でも国によって一般的な呼び方が違います。 日本国内での通販のように写真を見て注文をできれば良いのですが、実際には在庫リストにある文字だけを見て注文をするようです。 期待通りの種類が来る事もあれば、期待しないものが来る事もあります。 期待しないものが来たときには、、、苦労する事があるそうです。

L numberとは、プレコの識別のためにデファクトスタンダード的に使われている番号です。 プレコという魚は300種類以上いて、さらに毎年新しい種類が発表されたりしています。 訳が分からないので、Lナンバーという番号をつけて取引をすることが世界のデファクトスタンダードになっているようです。 なお、Lナンバーというのは「プレコ」という苔食い吸い付きナマズにのみつけられたものです。 例えば、ピラニアやグッピーなどのプレコではない種類はLナンバーでは表現されません。

国民性の違い

熱帯魚の直輸入で一番大変であると思われるのが国民性の違いだと思われます。 例えば、日本で「クイーンインペリアルタイガーを10匹下さい」と注文すれば、10匹のインペタイガーが送られてくる事が期待できます。 しかし、直輸入便ではそれが期待できないそうです。 注文されたものの数がそろえられなければ、全然違うものを箱に突っ込んで送られる事もあるそうです。

一番酷いものとしては、大型プレコを注文したら大きなコロソマが1匹送られてきたという話があるそうです。 大型プレコは数万円ぐらいの価格をつけて売れますが、コロソマは良くて数千円ぐらいだと思われます。 安い魚だろうと高い魚だろうと南米からの航空便の輸送費はかかってしまいます。 良くて数千円、最悪千円割れの魚に数万円の輸送費をかけることになってしまっては元が取れません。

そのようなことがあって、抗議をすると「じゃあもう取引しない」と相手が逆切れすることがあるそうです。 でも、数ヵ月後ぐらいたってみると「いい魚が入ったんだけど」と何事もなかったかのように取引を持ちかけてくるそうです。 結局変なものが送られてきても、多くの場合は泣き寝入りになるそうです。

つい最近の直輸入での困ったこと

先日も、2ヶ月ぶりぐらいに直輸入をしたそうです。 FAXで送られてきたリストに、アレンカーレッドタイガーという名前のタイガープレコがリストに入っていたので、注文してみたそうです。 来たのは単なるニュータイガーのような魚だったそうです。 アレンカーで採取されたタイガープレコではあるのでしょうが、おおぞらさんが想像していたスーパーレッドタイガーではなかったようです。 「この模様では売れない」ということらしいのですが、ストックする場所が必要ですし、餌も与えなければいけないので困ってしまっているそうです。

また、クイーンインペリアルタイガーを1箱注文したところ、ほとんどがブルーアイアカプレコの小型個体だったそうです。 ブルーアイアカプレコは、人気がないわけではないのですが、そう多く売れる魚ではないそうです。 まあ、地味ですからね。

色々話を聞いていると、おおぞら観魚園さんでは店舗スペースの問題からこれらの魚をセール品として販売してしまいたいと思っているそうです。 これらは、6月7日に入荷したものなので輸送ストレスからは回復していると思われます。 また、寄生虫対策や病気予防などのトリートメントは終わらせてあるそうです。 「できれば、これからプレコを始める方に入門魚として活用して頂きたいと思っています。」だそうです。

個人的な感想としては、すごく安い値段だと思います。 まあ、このブログを読んでいる人で熱帯魚趣味の人は非常に少ないと思うので、これらのプレコを購入したいと飛びつく人がいるとはあまり思えませんが。。。

このプレコを購入されたい方は、必ず「Geekなぺーじを見た」とおおぞら観魚園さんにお知らせ下さい。 通常のショップページには載せていないそうです。 また、ショップ店頭では通常価格で表示しているそうです。

なお、このブログ記事によっておおぞら観魚園さんからいかなる報酬も受け取っていませんし、受け取りません。 念のため。

アレンカーレッドタイガー 5cm前後 1480円
(成長時最大10cm強ぐらいと思われます)


ブルーアイアカプレコ 6cm前後 値段を公開はできないそうなので、お問い合わせ下さい
(成長時最大20cm強ぐらいだと思われます)

最後に。 ブルーアイアカプレコの代わりに来るはずだったクイーンインペリアルタイガープレコの写真です。 この写真は私の家で撮影したものです。 ブルーアイアカプレコとは全然種類が違うのがわかると思います。。。

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