IPv4アドレス残り約6%、実質約4%

2010/6/3-1

6月3日(日本時間)に、世界のIPv4アドレス残りが6.25%になりました。 256個ある/8ブロックのうち、残りは16個です。 そのうちの5個は、最後の5個になった時点で自動的に世界の5つのRIR(Regional Internet Registry,地域インターネットレジストリ)に割り振られるので、実質残りは11個(残り約4.3%)になります。 最後の5ブロック割り当ての詳細に関しては「ICANN:Global Policy for the Allocation of the Remaining IPv4 Address Space」をご覧下さい。

今回、LACNIC(ラテンアメリカ及びカリブ海地域)に割り当てられたのは177/8と181/8の2ブロックです。

  • 177/8 RIPE-NCC
  • 181/8 RIPE-NCC

参考:「IANA IPv4 Address Space Registry」(最新のIPv4アドレス割り当て表)

2010年の割り当てを勝手に予測

さて、では、IPv4アドレスは今年あと何回割り当てられるのでしょうか? 今の情勢では、個人的な予想だと次に割り当てられるのがAPNIC(2)、ARIN(2)、APNIC(2)と3回(合計6ブロック)割り当てられて、今年中に残り約3.9%になるのではないかと考えています。 実質、残り約1.95%です。

さらに2011年開始直後ぐらいにAPNICとRIPC-NCCに2ブロックずつほぼ同時に割り当てられて残り1ブロックとなり、最後の一つはARINに割り当てられたところで、IANAプールが枯渇すると思われます。

この推測は、現在指標とされているpotaroo予測のFigure 30を基にしています。 興味があるかたは「potaroo: IPv4 Address Report」をご覧下さい。

昨年との比較

今年は、昨年よりもIPv4アドレスの割り当てスピードが早くなっています。 去年と今年の割り当てを並べてみると以下のようになっています。

2009年2010年
2009/1 RIPE-NCC2010/1 APNIC
2009/1 RIPE-NCC2010/1 APNIC
 2010/2 ARIN
 2010/2 ARIN
2009/4 APNIC2010/4 APNIC
2009/4 APNIC2010/4 APNIC
 2010/5 RIPE-NCC
 2010/5 RIPE-NCC
 2010/6 LACNIC
 2010/6 LACNIC
2009/8 APNIC2010年はまだ6月
2009/8 APNIC×
2009/9 RIPE-NCC×
2009/9 RIPE-NCC×

アジア太平洋地域のIPv4アドレス消費っぷりがとにかく凄いですね。

実際のIPv4アドレス枯渇の影響を真っ先に受けるのが日本などのアジア太平洋地域

IPv4アドレスの割り当てスピードを見てもわかるように、アジア太平洋地域のインターネットは急激に拡大しています。 急激に拡大しているということは、IPv4アドレスが大量に必要という意味です。

しかし、もうIPv4アドレスは限界に近づいています。 IANAプールは恐らく2011年で枯渇しますが、その後は各地域毎に枯渇がトリガーされます。 恐らく世界で一番最初にRIR(地域IR)のプールが枯渇するのが、アジア太平洋地域のRIRであるAPNICです。 そして、日本はアジア太平洋地域です。

ということで、IPv4アドレス枯渇は世界を5つに分けた状態で順次トリガーされますが、日本の居る地域は世界で真っ先にIPv4アドレスが枯渇します。 potaroo予測を見ると、恐らく2012年開始直後ぐらいだと思われます。

逆に、世界で最もIPv4アドレス枯渇到来が遅いのがアフリカのAfriNICと思われます。 とはいえ、今のpotaroo予測を見る限り、2014年か2015年頃にはAfriNICのIPv4アドレスプールも枯渇しそうです。

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