IPv4アドレス枯渇が視覚的にわかる画像
IPv4アドレスの枯渇とIPv6への移行問題の話題が各所で徐々に増えてきましたが、「どれぐらいIPv4アドレスが使われてるの?」を直感的に知る事ができる画像が公開されています。
「IPv4 WHOIS Map」です。 5つのRIR(Regional Internet Registries)、AFRINIC,APNIC,ARIN,LACNIC,RIPEのWHOISに登録されているデータを元に二次元画像を生成しています。 JPNIC(日本),TWNIC(台湾),AUNIC(オーストラリア)はAPNICの下部組織ということで5つです。
(この画像の元となっているデータが2007年10月と多少古いのでご注意下さい。)

CAIDA : 5120x4096元画像
このデータを見ると、インターネット初期から関わっているような企業は/8などの膨大なアドレス空間を保持しているのがわかります。 (これは歴史的経緯によるものなので「膨大なアドレス空間を持っているから不公平だ」というわけではありません。)
また、いくつか「あああ、これね。。。」と思うものもありますが(ry 割愛。

一方で、例えばアフリカではインターネットがまだまだ普及していないのが良くわかってしまいます。


「まだ黒いUnallocatedな部分があるよね!」と思うかも知れませんが、実はこれから2011年ぐらいまでがUnallocatedの世界的奪い合いが開始されると思われます。 現在、未割当部分をどのようなポリシーで割り当てて行くかや、どこに割り当てるかで揉めているようです。
なお、現在日本用に割当られているIPv4アドレスを表しているのは濃い紫色のJPNICの部分です。 赤い部分がAPNIC(Asia Pacific Network Information Centre)です。
画像生成ソフト
この画像は、「The Measurement Factory」で公開されているipv4-heatmapというオープンソースソフトウェアで作成されています。
ipv4-heatmapは、IPv4アドレスを可視化するためのツールです。 C言語で書かれています。 コンパイルするにはlibgdが必要です。
その他画像
ipv4-heatmapのページでは、様々な方法で収集されたIPv4データを元に作られた画像がgalleryページで公開されています。 例えば、公告されているBGPのフルフートからIPアドレスブロックを抜き出して可視化したものや、1600万個のopen DNS resolversを示したもの、ひたすらICMPを送り続けて得られたIPv4 Censusのデータを使ったものなどが公開されています。
それらの中ではBGP経路情報から生成されたRouteviews版のギャラリー画像がお勧めです。 2008年3月時点のデータも画像(4096x4096ピクセル)も公開されています。
さらに、2003年12月から2008年3月までの画像を連続的に繋げたMPEG動画も公開されています。 ただし、ダウンロードに結構時間がかかるのでご注意下さい。
Routeviews版で注意が必要なのは使われている色がいわゆる「ヒートマップ」的では無い点です。 赤いほど密度が高いというよりも、/8から/32までを紫→赤としている感じです。 確かに、/32の方が「密度が高い」と言えるのかも知れませんが、「そこに何かが集中している」という感じではないような気がします。 この画像を見て「赤が少ないから大丈夫だね」という結論にならないようにご注意下さい。
情報 via id:osora
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