研究所からイノベーションが生まれない理由

2007/8/3

Why research labs fail at innovation」という記事がありました。 多くの研究所が犯している間違いをまとめていました。

面白かったので要約してみました。 原文には著者のバイアスが多分に含まれると書いてありました。 確かに多少偏っているかもしれませんが、言いたい事は何と無くわかるような気がしました。 ただ、元記事の英語の言い回しなどで理解できない部分が多かったので誤訳や勘違いが入っている可能性が高いです。 詳細は原文をご覧下さい。

なお、これは恐らく悪い例であって、イノベーションを産み出している良い研究所は以下の内容の範疇外なのだと思います。 念のため。


アイディアを考えるのは簡単

面白い案を考えるのは誰にでもできます。 面白いことを考えているR&Dグループや大学はたくさんあります。 予算さえあれば、その案からプロトタイプを作れる人は世の中に大量にいます。 ここまでは大変ではありますが、簡単な部分です。

一番難しいのは(死ぬほど難しいのは)新しいアイディアを製品という形にして顧客に提供するところです。

文化が違う

R&Dの立場からは「技術移転」は魅力的ではありません。 そのため、製品側へ協力するスタッフにスター選手が割り当てられることはありません。

R&Dは10年スパンで考えたりするが、製品は3ヶ月/6ヶ月/12ヶ月で考えたりします。

結局、このような細かい文化(考え方)の違いによってアイディアが製品に反映されることがなくなってしまいます。

R&Dからの技術移転は行われない

R&D部門の時間のうち、10%だけを製品化チームへの技術移転時間に利用するれば、技術移転は行えます。 しかし、R&D部門は優越感に浸りながら「教えてあげる」という態度になってしまうので、これが実現しません。

報酬モデルが間違っている

R&D部門のマネージャは重役を喜ばせようとします。 R&D部門のマネージャは、凄いイノベーションで重役を関心させれば、専用の製品化チームを発足できると信じています。 そのため、現存する製品化チームを仲間とみなさない場合があります。 ただ、新しい製品化チームが発足するようなことは、ほとんどないそうです。

クリエイティブな気分になりたいのは皆同じ

人のアイディアだけで何かをやれと言われる事が楽しいでしょうか? R&D部門の人が博士であることや学歴をまわりのエンジニアにひけらかしたりしだすと、まわりは憤慨します。 特別な人間だけがイノベーションを起こせると思っているのであれば、あなたの何かは壊れています。

結局は誰かが決断をしないといけない

良いR&Dはリスクを軽減させますが、リスクを消滅させることはありません。 誰かが「この新技術Xに懸ける!」と言わなければならないのですが、多くのR&Dマネージャはそれを避けようとします。 結局、失敗するR&Dプロジェクトは、製品化担当の重役がリスクを取るのを嫌うことによって失敗します。

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