サイバー攻撃でドイツのルータ90万台以上がオフラインに
サイバー攻撃によって、ドイツテレコムの顧客ルータ90万台以上がオフライン状態に陥ってしまったようです。
IPv6普及率が約50%のベルギー
世界で最もIPv6普及率が高いのがベルギーであると言われています。Googleが公表している国別IPv6普及率では48.1%とあります(2016年11月21日段階)。もう少しでIPv6普及率が50%を超えそうです。
IPv6は解説書が書きにくい
IPv6の利用が世界中で増えつつあり、IETFなどのコミュニティではIPv4を廃止しようという動きが以前よりも活発化しています(参考)。
IAB、IPv4を前提とした標準化を行わないことを求める声明を発表
IAB(Internet Architecture Board)は、7日にIPv4を前提とした標準の開発を行わないことを求める声明を発表しました。
声明によると、IPv4アドレス在庫は既に枯渇し、IPv4とIPv6によるデュアルスタック環境やIPv6のみによるネットワーク構築が急速に増つつあり、その傾向は今後も続くとあります。
そのため、今後、IETFではIPv6を前提とした標準化を進め、新しいプロトコルなどでIPv4との後方互換を求めない方針を声明で伝えています。
今後、IETFで標準化されるプロトコルは、IPv4に依存せずにIPv6のみで運用可能であることが求められます。さらに、RFCなどの文書で示される例も、IPv4ではなくIPv6で記述することを求めています。
IPv4とIPv6のデュアルスタックや、移行技術(共存技術)などによって、IPv4との後方互換を実現する環境の必要性がまだ続くことは認めつつも、標準化団体にとって大事なのは、IPv4からIPv6への移行の障害となったり減速させるような標準化を行わないことであるとあると声明は述べています。
この声明を読んだ私の感想としては、最近のIETFでは、IPv4の利用を減らしてIPv6への移行を促進させるべきという論調が強くなっているという流れを示す声明であるというものです。一時は「IPv6対応」という視点が増えていたように思えるのですが、最近は「IPv6への移行」であり「IPv4の利用をやめる」という視点がまた増えているんだなぁという感じです。
「ポートとソケットがわかればインターネットがわかる」を書きました
11月21日に拙著「ポートとソケットがわかればインターネットがわかる」が発売予定です。 これまで私が書いてきた本よりもさらに踏み込んだ「わかりやすさ」を目指して、インターネットに関連する通信技術などを紹介しています。
本書が想定している読者は、「これまでさまざまな形でインターネットを使ってきたけど、通信技術を詳しく調べたことがない」とか、「これまでさまざまな形でインターネットを使ってきたけど、インターネットを使った通信を行うプログラムを書いたことがない」とか、「いろいろな形でネットを使った情報発信をしてきたけど、サーバ運用まではやったことがなく、漠然とやってみたいと思っている」といった方々です。
コンピュータやネットワークに限らず、何かに関して最初の一歩を踏み出すのはたいへんなものです。まったく何もわからない状態だと、「プログラミング」「通信技術」「TCP/IP」といった単語を見ただけで「難しそうだ。無理!」といった感想を持ちがちです。そもそも、どこで何をすることで勉強を開始して良いのかもわからないという状態にもおちいりがちです。
しかし、最初の一歩から二歩目に行くのは、比較的容易であることが多いのです。なにごとも、最もハードルが高いのは最初の一歩ではないでしょうか。
そこで、本書では、まず最初の一歩としてインターネットを使ったプログラミングを行う際の概観を感じていただくことを目指してみました。たとえば、山を登ろうとするときに目指す先がどこにあるのかがまったく見えない状態よりも、おぼろげながらであったとしても全体像が見えたほうが登りやすくなります。
では、どうやって読者の方々に最初の一歩を踏み出していただくかですが、まずは本書に対して興味を持っていただかないと意味がありません。そこで技術評論社の池本さんが思いついたのが、「小悪魔女子大生のサーバエンジニア日記」のaicoさんとのコラボ企画です。
aicoさんは、「小悪魔女子大生のサーバエンジニア日記」という本を書かれていることもあり、通信技術などのイラストを描かれるための引き出しを多く持たれています。しかも、絵が「かわいい」のです。「かわいいは正義」という言葉がありますが、「かわいい」というのは強いのです。たとえ、筆者がアラフォーのオッサンだとしても、そこに掲載されている挿絵が楽しげであれば許される場合もあるかもしれません。
内容が多少ディープになる部分があったとしても、「かわいい」からこそ読んでいただける、そんなこともあるかもしれません。そのうえで、その「aicoさんの個性」を崩さないように噛み砕いた読みやすい文章をどこまで書けるのかというのが、今回の筆者の大きな挑戦でした。かわいい、読みやすい、多少マニアックな部分を含む、という3つの要素をどこまで入れることができているのかは、読んでくれた読者の方々の判断に委ねる形になりますが、本書が、「自分でもインターネットを利用する何かを作ってみたいけど最初の一歩を踏み出す方向性がわからない」という方々の助けになれば幸いです。
イラストサンプル
こんな感じのイラストが入ってます!
目次
目次は、次のようになっています。拙著、よろしくお願いいたします!!!
最近のエントリ
- Interop 2023のShowNetバックボーン詳解
- Interop Tokyo 2023 ShowNet取材動画
- 「ピアリング戦記 - 日本のインターネットを繋ぐ技術者たち」を書きました!
- 1.02Tbpsの対外線!400GbE相互接続も - Interop ShowNet 2022
- Alaxala AX-3D-ViewerとAX-Sensor - Interop 2022
- SRv6を活用し、リンクローカルIPv6アドレスだけでバックボーンのルーティング - Interop ShowNet 2022
過去記事