WikiLeaksへの支払い停止でDDoS攻撃をした「Anonymous」って何?

   このエントリをはてなブックマークに登録    2010/12/13-2

WikiLeaksへの送金停止に抗議するDDoSによって、MasterCardのWebサイトが停止しました。 さらに、Visa、Paypal、スイスにも攻撃が行われました。 「アメリカは実名文化だ」という意見を見ることがありますが、今回のDDoSを行ったのは「Anonymous(匿名)」と名乗る人々でした。

CNET: MasterCardサイトにDDoS攻撃--WikiLeaksへの支払い停止で」には、以下のように書かれています。

 BBCをはじめとする各メディアの報道によると、WikiLeaksを支持する複数の活動家によって米国時間12月8日、クレジットカード会社MasterCardのウェブサイトが陥落したという。
 「Anonymous」(匿名)を名乗るハッカーグループが、MasterCardサイトへの分散型サービス拒否(Distributed Denial of Service:DDoS)攻撃について、犯行を認めている。これはMasterCardがWikiLeaksへの寄付と支払いを6日に停止したことへの報復で、米CNETはこのMasterCardの決定を最初に報じていた。

その他、以下のような関連記事があります。

何も気にせずに今回のWikiLeaks+報復DDoS関連記事を読むと、WikiLeaksへの送金停止に憤った人々が「Anonymous」と名乗って攻撃をしたという単発事件のように見えますが、実際はもうちょっと話が複雑であるようです。

WikiLeaks事件よりも前からある「Anonymous」

まず、「Anonymous」は、WikiLeaksに関連して発生したものではありません。 数年前から英語圏のネット上にある「ノリ」というか「空気感」で構成されコミュニティで、最近話題になる「Anonymous」による活動の多くはDDoS攻撃となっています。

Wikipediaの「Anonymous(Group)」を見る限り、2006年の12月には事件へと発展しているので、「Anonymous」はWikiLeaks事件が発生する前から存在していることがわかります。 「Anonymous」は2006年12月に事件へと発展しているので、2006年12月に開始されたWikiLeaksそのものよりも前から存在している緩いネットコミュニティであると言えます。

誰かが中心人物として率いているわけでもなく、お互いに誰が参加しているのかもわからず、全体的な「ノリ」や「空気感」で動くというものです。 「新しいネットコミュニティの形」とか「情報社会の闇」などという記事が出そうな活動です。

KISSのGene Simmonsのサイトが攻撃を受けた事件の関連

WikiLeaksへの送金停止に関連した組織への攻撃が注目されていますが、実はそれらはDDoSキャンペーンの一部でしかないようです。 WikiLeaksへの送金停止に関連して行われたDDoS攻撃は、Operation Payback(wikipedia)と呼ばれていましたが、これは今回のWikiLeaks事件が盛んに報道される前からあるDDoSキャンペーンでした。

今年10月には、ロックバンドであるKISSのメンバーが「音楽業界は違法ダウンロードと戦う根性がなかった」と批判して(実際にはもうちょっと過激で「Sue everybody」とか言ったので炎上したという側面はあります)、「Anonymous」によるDDoS攻撃の標的となり、Webが接続できない状態へと陥りました。 (参考:Read Write Web: Gene Simmons Threatens Anonymous, Responds to DDoS Attacks Against His Site)

YouTubeにもGene Simmons氏のサイトが攻撃された事件に関してのニュースがあります。

Gene Simmons氏が攻撃されたのは10月ですが、Operation Paybackは、まだ続いているようです。 そのような状況で数ヶ月間続いていたOperation Paybackに、WikiLeaksに関する話題が加わり今回のような状況になったようです。

WikiLeaks送金停止関連DDoS事件関係者?のインタビュー

MaterCard等に関して攻撃に関わった「Anonymous」の人がRussiaTodayのインタビューに答えています。

「Anonymousとは何か?」に関してのビデオ

2008年3月20日に「Who is Anonymous ?」というビデオが投稿されています。 「Anonymous」のお約束として使われている仮面と、ネクタイ姿で「Anonymous」について語っています。

このビデオを見ると「日本の画像掲示板」が「Anonymous」の源流にあると主張しています。 「Anonymous」が生まれたと思われる「4chan」が「ふたば☆ちゃんねる」を起源としているという話だろうと思います。

Operation Paybackのプロモーションビデオに日本語が!

Operation Paybackのプロモーションビデオの一つに日本語が入っているシーンがありました。 「我々はアノニマス・我々は大群です・知識は自由です」と書いてあります。

これも4chanがふたば☆ちゃんねるを起源としていることに関係があるのでしょうか?

「Anonymous」のお約束

いくつか「Anonymous」関連の映像や写真をみていると、様々なネットノリと同様に「Anonymous」にもいくつかの"お約束"があるのがわかります。

その一つである「Anonymous」の活動のお約束になっているお面は「V for Vendetta」という2005年の映画に登場するGuy Fawkes(ガイ・フォークス)の仮面です。

もう一つは首が無いネクタイをした紳士?の画像です。 これが半ばトレードマーク化しているように見えます。

この他にも、2007年7月26日のKTTV FOX 11 Newsで登場した「hackers on steroids」「domestic terrorists」「Internet hate machine」などの表現も所々で登場します。

他色々

今回読んだ記事をリストしておきます。 興味があるかたはご覧下さい。

この他にも、色々な記事があるので適当な検索キーワードで探してみて下さい。

最後に

今まで「Anonymous」について全く知りませんでしたが、色々と調べてみると、ここ数年の話題で実は間接的に知っていたというのが多いことに驚きました。 アメリカだけではなく、イギリスやオーストラリアでも活動が行われているようです。

「DDoS攻撃が発生しました」という色々なニュースの背景として、こういうネット文化?が絡んでいたとは知りませんでした。 普段見ている何気ないニュースも色々と深く調べ出すと知らなかったことが大量に出て来くるということを改めて思い知りました。 さらに、自分が日々接しているWebというのはほんの一部でしかなく、新しいキッカケとなるキーワードをいくつか発見するだけで、それまで知らなかった世界が一気に見えて来るというのも再認識した今日この頃です。

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あきみち

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