室内位置情報システム [ORF2008レポート]

2008/11/21-3

RFIDを利用して室内における位置情報を把握するための研究です。 物流などでの応用を想定した研究で、Auto-IDラボでの研究です。

ORF2008では、会場内にZigbee Router(ZR)を設置し、出展説明者が首からZigbee End Device(ZED)を下げています。 展示ブースでは、各説明員が何処にいるかを示すプログラムが展示されていました。 赤い点がZRで、緑の点がZEDです。 2枚目の画像は1枚目の部分拡大です。



赤丸で示されているZigbee Routerは、自動的にHop by hopのネットワークを作り出し、通信を行えます。 一種のアドホックネットワークですね。 ただし、起動する順番などによって結果として出来上がる経路が変わる場合があるので、ZRの起動順などのノウハウがあるようです。

研究成果

Zigbeeそのものは既存のIEEE規格であるため、これを実現している部分は研究ではありません。 今回のデモの主要部分は、(1) ZEDの改良によって消費電力を1/10に抑えたことと、(2) 位置の把握に3点のZRが必要だったのを1点でも出来るようにした事です。 なお、(2)の副作用としては、3点よりも正確な位置が把握しにくい場合があるという欠点がありますが、大まかな位置がわかれば良いユースケースが多いことや、3点でやったとしてもそもそも環境によっては正確な位置は把握しにくいことから、ユースケースによっては1点に変更するデメリットは十分小さいとのことでした。

Zigbee End Device

以下が、各説明員が首から下げているZED特注タグの写真です。 今回のデモ時点ではまだ利用されていませんが、赤い丸の部分がカレンダー機能を実現するためのRealtime clockで、青い丸の部分が加速度センサーです。 これらを使って、今後この研究がどのように発展するかが非常に興味があります。

8000個のパッシブタグをエミュレート

同時にパッシブタグのエミュレータも展示されていました。 数センチのデバイスが、最大8000個のパッシブタグと同じ挙動を示します。

これによって、パッシブタグのリーダやシステムの性能評価が行いやすくなります。

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この記事はORF2008レポートです。

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