技術の盗み方

2007/5/7

新入生や新社会人として組織に入ったり、他の組織から畑違いの場所に異動すると、ゼロからのスタートになるときがあります。 そのときに、先輩からいかにして技術を「盗む」かが重要な要素になると思われます。 ここでは、自分の養分として吸収するために、先輩から技術を引き出す一手法を紹介したいと思います。

先輩から見て教え易い後輩や、ついつい必要以上に色々教えてしまう後輩などがいます。 今回は、そのような人の特徴を考えたり、過去の私が失敗したと思われる点を思い出しながら書いてみました。

ここで紹介する方法は、あくまで方法の一つであり偏っています。 性格によって向き不向きがあると思います。 また、あまりに露骨にやり過ぎると嫌われてしまう場合もあるのでご注意下さい。 あまり参考にはならないかも知れませんが、まあ、許してください。

やる気を見せる

非常にやる気があって、色々やっている人を見るとついつい応援したくなるものです。 やる気がなさそうにふて腐れている人よりも、やる気に溢れている人の方により多くの情報が集まります。 情報が集まると、知識や経験も集まってきます。

礼儀正しく

「技術職なので礼儀なんてどうでも良い」という発想の人がたまにいます。 また、純粋に敬語や礼儀を知らない人もいます。 先輩から見るとそのような後輩は生意気な後輩に映るかも知れません。 表には出さずに、そのような人を敬遠する人もいます。 自分では若い頃に礼儀のカケラも無かったような人でも、自分に対しては礼儀を強要する人もいます。

「そんな奴には教えてやらない」という発想を持たれてしまうと損です。 少なくとも、とりあえず環境に慣れて来るまでは礼儀正しくしましょう。 相手を見ながら許される距離感を徐々に把握していく方が無難です。

先輩と一緒に飯を食べる

技術者が集まると、昼食などの席でマニアックなネタで盛り上がる事があります。 そのような席に居合わせると、いつの間にか技術的な知識を吸収できることがあります。

また、ご飯を一緒に食べながら親睦を深めると、よりフレンドリーに技術を伝授してくれるようになると思われます。

不思議に思う

漠然と何かをしているだけでは、技術は身に付きません。 常にアンテナを張り続けましょう。 アンテナを張るには、色々なことに疑問を感じることがお勧めです。

全ての技術には存在理由があります。 その存在理由から知ると技術の根本が見えやすくなります。 技術の存在理由を知るには「何故だろう?」と色々な事を不思議に思う事が重要だと思います。

「それ知ってます」は禁句

先輩が説明をしだした直後に「それ知ってます」「それ習いました」「授業でやりますよ」などは禁句です。 多くの技術者は、相手のレベルを知らないと前提から順を追って説明していきます。 その先の先の先ぐらいには自分が知らない内容が隠れているかもしれません。 また、説明の腰を折られてしまうので説明をする方としては気分が良いものではありません。

多くの場合、自分がその知識を持っていると表明してもあまり得になることはありません。 単に自尊心を満たすだけの事が多いと思います。

何度も「知ってますよ」をやってしまうと、「教える必要は無いんだ」と思われてしまい、知識を盗み辛くなってしまいます。 「そうですね」ぐらいで留めて置き、聞く必要があるか無いかを少し聞いて判断しても時間のロスはほとんど発生しないと思われます。 自分が教わる立場の場合には、多少我慢してみましょう。 思わぬ収穫があるかも知れません。

技術を持たない人を軽視しない

技術者の中には、相手を技術の技量でものさしにかけてしまう人がいます。 (私もそのような面を多少持ってしまっています。) 技術があるか無いかは、重要であるときと無いときがあります。

技術が必要ではない人の価値は、技術ではありません。 例えば、誰を知っているかが大きな要素になっている人もいます。 「技術者ではないから」という発想で下手に人を軽視するのはやめましょう。 本人は技術は無くても、超凄い技術者をいっぱい知っていて、技術ハブ(HUB)になっている人もいます。 技術者ではないという理由で人を軽視すると後で痛いしっぺ返しを喰らうかもしれません。

必ずしも技術が全てではない

技術を追求するのは重要です。 技術を極限まで求めるという道もあります。 それは非常に偉大なことです。

ただし、多くの人にとっては、技術さえ追求すればその他を全て忘れても良いわけではありません。 状況に応じて程度やバランスにも気をつけましょう。 技術だけを追い求めることが許されていない立場で技術だけを追い求めていると、気が付かないうちに孤立しているかもしれません。

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