学生が論文を書くのは難しいと思った

2006/9/15

昔、論文を書いて投稿したりしましたが良く落ちました。 論文を書くのも読むのも好きではありませんでした。

しかし、最近は色々な論文を読みたくなる気分になってきて、 読んで楽しかったものだけピックアップしてブログに書いたりしています。

論文を色々読むと、自動的に次に読みたくなる論文を発見してしまいます。 何故かというと、Introductionの章などで論文の背景が書いてあるのですが、そこで楽しそうなタイトルの論文が書いてあるからです。

色々な論文を読んでいると、面白い論文ほど背景が丁寧に述べられていて、参考文献に関する記述に深みがあると思いました。 そして、背景がしっかりしているほど論文本体での研究内容も良く練られていると感じました。

参考文献に深みがある論文は面白いと思うようになってから「そもそも学生が論文を書くのは難しいのではないか?」という疑問を感じるようになりました。 この思考回路は以下のように構成されています。

まず「最初に参考文献に深みがある」という項目を噛み砕きます。


参考文献に深みがある
論文をいっぱい読んでいて知っている

では、「論文をいっぱい知っている」とはどういう事でしょうか?


論文をいっぱい読んでいて知っている
論文を読むことに時間を費やしている どういう論文が世の中にあるか知っている どういう論文誌があるか知っている


ある特定分野の論文を読み続けると、恐らくその分野の専門家になっていきます。 論文を書くには、それがスタート地点ではないかと最近は思い始めました。

一方、学生と論文という点で考えるとどうでしょうか? 恐らく学生が初めて書く論文というのは卒業論文だと思われます。 多くの大学の研究室は3年生か4年生ぐらいで研究室に配属されます。 例えば、4年生で研究室に配属されると特定の分野の専門家になる前に論文を書き始めたり、論文の構想を練ることを要求されます。

さらに、学生の多くは論文を書く以前に基礎を学ぶ必要があります。 もちろん、授業である程度の基礎はやりますが、使える基礎は研究室に配属されてから学ぶ事が多いのではないでしょうか?

基礎を学んでいる最中に専門家としての論文を要求されてしまう。 「それって酷じゃないか?」という風に思い始めました。

もちろん、論文をかけるようになるにはどこかで初めて書いてみるというのは重要です。 その点、卒業論文というのは卒業という区切りにあわせていて入門に最適であるとも思います。

最近、論文を読むようになって、本当の意味での「論文」を書くという事の難しさというものを感じました。 昔も論文を書くことは難しい事だというのは思っていましたが、当時思っていたよりも論文を書くことの難しさを最近は感じています。

先生が「論文を読め」「論文を読まないと論文をかけるわけがない」と言ったりしていました。 論文輪講もやっていました。 でも、自分で読みたいと思って読んだりはしませんでした。 何となくやらされてる感が多くありました。 やはり、読む本人が興味を持って読まないと続かないと思います。

最近私は論文を読むの事に対して多少アレルギーが無くなりかけてきました。 折角読むなら公開して、何人かの学生が新たに論文を読むこと自体に興味を持てるようにできればうれしいかなと思い始めています。 ということで、いきなり技術的過ぎるものよりも、ちょっと入りやすそうな社会とインターネットといった感じの論文を混ぜて読んでいます。 ここでの論文紹介を読んで、論文を読むこと自体に興味を持って、最終的には良い論文を書く人が1人でも発生すればうれしいですね。

もちろん、論文とは関係の無い、くだらない内容のエントリも思いつきで書いています。 念のため。 というか、そういうエントリの方が多いです。

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