IPv6逆引き自動生成DNSサーバ 発表者 : 藤原 和典 (株式会社日本レジストリサービス) 逆正一致(PARANOID check) DNS逆引きで得たホスト名からさらにIPアドレスを検索し、もとのIPアドレスが含まれているかを確認する手法 - 逆引きには、逆引きドメイン名の管理者が任意のホスト名を記述できるため、ホスト名だけで信用すると危険 ホスト名だけで認証するようなサービス= RPOP, rsh, rloginなど 大昔は逆引きをなりすまして.rhostsの記述を推定してloginできた - 正引きにIPアドレスが書かれていると、逆引きと正引き両方の管理権限があると考えることができる IPv4での逆引き設定 多くのISPでは、ユーザに割り当てるすべてのアドレスにISPのドメイン名がついた逆引きを設定している 逆引き結果のドメイン名にIPアドレスを対応づけ、逆正一致チェックも通る IPv6でも、ユーザに割り当てたアドレス空間の逆引きは必要か? その場合、逆正一致チェックも行うか? - 従来のIPv6対応ではv4と同じチェックを行っている IPv6での逆引きの特徴 IPv6では、利用者に割り当てられるアドレスが膨大 - すべてのアドレスに逆引きを設定することは困難 /64のアドレス数は2^64 = 約1.8*10^19 = 約1800京= 約18E(エクサ) ゾーンファイルに書くと、一行100バイトで1800Eバイト 利用者の使用するアドレスが短時間に変化 - Privacy Extension for Stateless Address Autoconfiguration in IPv6 (RFC 4941) - Windows Vistaなどでは実装済み IPv6での逆引き設定の考え方 案1 すべてのアドレスの逆引きを事前設定 - /64ですら18エクサバイト必要なので不可能 案2 使用されるアドレスだけ動的に追加設定 - Neighbor Discoveryを見張って追加 - Windows XP/VistaはDynamic Updateを送るので受け付ければよい 案3 利用者に権限委任 案4 /64などの単位でwildcardにPTR設定 - 逆正一致チェックは通らない 案5 IPv6アドレスの逆引きと対応する正引きを自動生成する専用のDNSサーバを製作 draft-howard-isp-ip6rdns-00 Reverse DNS in IPv6 for Internet Service Providers Time Warner CableのL. Howard氏とComcastのA. Durandから2009/6/9にIETFに提出 概要 - IPv4での逆引き設定 - IPv6での逆引き設定の考え方 前ページの案1から案5 - IPv6では利用者のアドレスの逆引きをISPが提供することをやめることを推奨する提案 - 動的に逆引きを生成するのがよくない理由はDNSSECのため IETF75での議論は発散 - 現在dnsop mailing listで議論再開 逆引き自動生成:要件 すべてのIPv6アドレスに、ユニークなホスト名を与え、その正引きも用意すること - /32〜/64ぐらいの範囲の逆引きを生成できること - 対応する正引きも生成すること - IPv6アドレス、逆引き、正引きのホスト名は一対一対応すること - DNSサーバとしてRFCに準拠した応答を生成すること Q:ドメイン名でアクセス制御したい人が多い。逆引きという存在すら知らない。きっと必要になると思います。 Q:Webプログラマでドメイン名で制限している人がいるかというと、居ないんじゃないか Q:AP部分も真面目に逆引きをしているのは日本だけではないか?