IETF homenet co-chair, Mark Townsley氏インタビュー(9)

2013/5/13-1

Q: 次はsoftwireワーキンググループに関してです。最近、そこで何が起きているのかを教えて下さい。

様々なことがワーキンググループで進行中です。 最近、最も興味を持っているのがMAPです。

とはいえ、ちゃんと説明すると、softwiresはIPv6 over IPv4とIPv4 over IPv6のためにチャーターされています。

IPv6 over IPv4ですが、様々な可能性があるなかで、2つに絞り込まれました。 ひとつがL2TPの再利用です。 もうすでに、それがそこにあるからという理由ですが、こっちは素早く簡単にできる方法でした。

もうひとつが6rdです。 これは新しい技術でした。 私がグループのディレクタではなくなった後は、この方式を推していました。 人々は、「ネイティブIPv6はもうそこまで来ている。こんな移行技術をやるのはやめなよ」と私に言いました。 ですが、いまでも、人々はアクセスネットワークでのネイティブIPv6で問題を抱えています。

PPPや1対1のVLANモデルでは難しくないのですが、DSL業界がIPoEトリプルプレイ系のものを作るときにIPv6を忘れてしまったというのがあります。 そのため、6rdは必要なものになりました。

6rdは、IPv6アクセスという意味でトップ2プロバイダを助けた技術でもあります。 あれによって必要なジャンプスタートが出来たこともあり、私は6rdの大きなファンです。

そして、いまはsoftwireワーキンググループは反対側の部分を行っています。 最初、我々はDS-Liteを開発しました。 というのは、、、、 まあ、あれを作る手助けをしたこをは申し訳なく思います。 名前でさえです。。。

Q: 任天堂のDS-Liteと同じだから紛らわしいということですか?

それは面白いですね(笑。 いままで気がつきませんでした。 いや、そういうわけじゃないんですよ。

DS-Liteという名前の由来ですが、パリでICANNミーティングが行われていたとき、softwireのco-chairだったAlain Durand氏と一緒にバーにいました。 当時の彼は米国の大手ケーブルテレビ会社に勤めていて(取材者注:当時はComcast)、「こういうことをしたいんだ」として、「各家庭のユーザに対してIPv4を提供(原文はprovision)したくないが、ユーザに対するIPv4サービスは行えるようにしておきたいので、それもデュアルスタックだ」と言ってました。 それを聞いて私は、「素晴らしい。それはデュアルスタックだけど、従来よりもライトだ」と言いました。 それが「Dual-Stack Lite」という名前の誕生でした。

悲しいことに、「シンプル」とか「ライト」という単語を見たとしても、それはシンプルでもライトでもなかったりもします。 確かに、IPv4提供(原文はprovisioning)という意味ではライトですが、問題はNATのステートを全て各家庭のゲートウェイに入れたうえで、サービスプロバイダネットワークに集結させてしまっているところです。 そこが重い部分です。

(続く:次へ)

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