IETF homenet co-chair, Mark Townsley氏インタビュー(7)
Q: ということは、ルーティングという視点では、将来のホームネットワークに送信元アドレスを考慮したルーティングが行われるということですか?もしそれが既存のルーティングプロトコルに対して変更を加えることが要求されるのであれば、その部分に関して、IETFではどのような議論が行われているのでしょうか?
はい。送信元+宛先ルーティング(source plus dest routing)がありました。 忘れてました。 それはルーティングプロトコルに関するものになります。
我々がやらなければならないことは二つあります。 ルーティングプロトコルそのものが自動的なプレフィックス設定を行った上で、情報を運ばなければなりません。 さらに、ルーティングプロトコルがフォワーディングテーブルに宛先だけではなく、送信元+宛先での項目を設定できるようにしなければなりません。
それには、簡単な方法と難しい方法があります。 ここでOSPF vs IS-ISの議論に突入します。
OSPFでは、「委譲されたプレフィックスを最初に広告したルータは、出口ルータでもある」という風に単純化することが可能であれば、恐らく行けるでしょう。 さらに、OSPF的な意味で、stubだらけのネットワーク(原文ではstubby network)である必要もあります。 そうすれば、とんでもない拡張をしなくてもOSPFを使うことができます。
しかし、それよりもさらに踏み込んで、シンプルなアップリンクのケースよりもさらに先を考えたり、エンタープライズネットワークで利用される場合を考え始めると、OSPFに対する変更の必要性は顕著になります。
それが、Fred Baker氏が主張しているところです。 「これをホームネットワークだけのためにやることはできる。でも、もっと一般的に使えるものにしようと思うと、あれもこれもやらなければならず、最終的にはOSPFバージョン3.1を作ることになろうだろう。でも、IS-ISでやれば簡単だ」と。
Q: 最近のCGNについて教えて下さい
CGNが徐々に増えています。 特に、モバイルネットワークで顕著です。 大きなISPによる有線ネットワークでも登場しています。
CGNに関して、良いことと悪いことの両方を耳にしますが、私がIPv6の人ということもあり、悪いことのほうが良いことよりも良く聞きます。 みんなが「ほら、CGNが駄目だった事例だよ」という風に教えてくれます。 よくある問題点の指摘がログに関してです。 CGNそのものの話であることもあれば、ポート番号を保存せずにIPアドレスだけを保存しているWebサイトが原因の場合もあります。
CGNはインターネットと、そのend-to-endアーキテクチャに影響を与えているのは確かだと思います。 私は、Softwiresワーキンググループで標準化されているMAPが好きです。 あれは、ステートをシステムの外に残しています。
(続く:次へ)
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