IETF homenet co-chair, Mark Townsley氏インタビュー(10)

2013/5/13-1

使うIPv4が少ないことから、「Lite」というのを「Less IPv4 To Enable」の頭文字とも言えます。 ただし、中央に集約されたNATのコストという重い部分もついてきます。 人々がデプロイを進めていくと、ISPは「私達は、集約された巨大なNATは欲しくない。NATはエッジに置いておきたい」と気がつき始めました。 そこで提案されたのがLightweight 4over6 (http://tools.ietf.org/html/draft-cui-softwire-b4-translated-ds-lite)もしくはPublic 4over6 (http://tools.ietf.org/html/draft-ietf-softwire-public-4over6)です。 ほぼ同じことのために二つの名前があります。

それらは単なるend-to-endトンネルアーキテクチャなので、その点だけに着目するのであればL2TPを使っても同じです。 同じアイデアです。 軽量なのは、また最初から発明しなおしたことによって、PPPコントロールプレーンその他をサポートする必要がないからに過ぎません。

しかし、根本的にはpoint-to-pointアーキテクチャであることは変わりません。 そのため、何らかのトンネル集約機構が必要で、そこで数十万もしくは百万ユーザぐらいをサポートして、全てのトラフィックがそこを経由して行き来し、各トンネルにステートを持たせる必要があります。 まさにL2TPと同じです。 私は、「これはL2TPの再発明だ」と即座に気がつきました。 そのとき、人々は「違うよ、違うよ。これはL2TPよりも軽量だよ」と反論していたのを覚えています。 でも、違うんです。 最終的には、point-to-pointのトンネルを作ることになり、トンネルが落ちていないかを確認するためのkeep-aliveがあったり、それに対するアラートがあったり、結局はコントロールプレーンと同じようなものです。

これが私のビジョンです。 私は、6rdやMAPのようなステートレスなトンネル技術の方が好きです。 それらは、単一のソースに対するトラフィックの集中を避けることができるので、最終的にはユーザにとっても、より良いものになります。

Q: ということは、DS-LiteよりもA+Pの方が好みだということですか?

ステートレスA+Pですね。 はい。そちらの方が、全然良いです。

ステートレスA+Pの方がDS-Liteよりも劇的にスケールします。 たとえば、弊社機材でDS-LiteはISMブレードを通じてトラフィックを流すので、ASR9Kで14Gbpsになります。 MAPの場合、24のラインカードを使うブレードひとつで240GbpsのIPv4とIPv6とMAPを使えます。 これは、MAPがステートを持たないためです。 ここがミソです。 ということで、ASR9010シャーシでは、1.68Tbpsのトラフィックを捌けます。

「このCPEはこのAFTRにマッチして、このCPEはこのAFTRにマッチする」というようなことを心配する必要がありません。 「全てのCPEは全てのルータと一緒に動作し、それに対してエニーキャストする」というだけです。

(続く:次へ)

プロフェッショナルIPv6解説動画シリーズ再生リスト

動画で学ぶ「プロフェッショナルIPv6」を作っています。 もしよろしければご覧ください。お楽しみいただければ幸いです!