コミットで開発適正を自動判定する発明の特許申請
コミット内容から「駄目な開発者」などを自動的にあぶり出すという特許がSlashdotで話題になっています。 Slashdotでは「GitHubへのアップデート内容で仕事に向いてないと判断されたらどうする?」という書き出しで記事が書かれています。
特許を申請しているのはIBMで、特許タイトルは「AUTOMATED ANALYSIS OF CODE DEVELOPER'S PROFILE 」というものです。
この特許では、コードレポジトリへのコミット時間、労働時間、コミット時のコメント内容、1日のコミット回数、コミット時のコードサイズ、コンフリクトの発生回数、コンフリクトがどのように解消されたのかなどをもとに開発者プロファイルが作成されます。
Descriptionの[0116]では、この特許によって駄目な開発者を特定し、面接や過去の実績によって開発者を査定するという「時間がかかる作業(time consuming process for management)」を避ける事が可能とあります。
特許の背景
この特許の背景として以下のように語られています。
[0003] Managers and team leaders in the field of computer code development often have little understanding of their development team's coding habits and profiles. Developers work in various different ways and a certain developer's habits may or may not be suitable for the specific project that the certain developer is working on.
(訳) コンピュータコード開発におけるマネージャやチームリーダーは開発チームメンバーのコード開発における癖やプロファイルに関する知識をあまり持ってないことがしばしばある。開発者は各自それぞれ異なる方式で働く事もあり、特定の開発者の癖は特定のプロジェクトに適切でないこともある。
[0004] A developer that is not suited to a specific development style and role can lead to wasted time, lower productivity and inefficient processes. Therefore, a person in a position of management looks for a developer who best fits with the current development team and whose style of work would easily merge and contribute positively to a project.
(訳) 特定の開発手法に向いていない開発者は時間の無駄、品質の低下、非効率なプロセスの原因となる可能性がある。 そのため、マネジメントを行う立場にある人物は、現在の開発チームに一致していて参加することでチームに有益な効果がある開発者を探す。
開発者プロファイルと開発手法
[0025][0106][0113][0117]では開発者プロファイルを「agile」と「iterative」に分ける手法の例が書かれています。
細かく頻繁にコミットを行い開発時間帯が柔軟な開発者はアジャイル型とプロファイルされ、コミット間隔が長く深いコメントや大きな変更を行う開発者を反復型とプロファイルすることが可能としています。
Slashdotでの反応および私の感想
本家Slashdotのコメントでは酷評も多いようです。
ただ、特許が申請されることと、その特許を利用した製品開発が実際に行われることは別の話だと思うので、現時点では「あー、そういうことを申請する人もいるのか」ぐらいの感想です。 実際にコミットログで誰が何をしているのか判断することも多いと思うので。
なお、最近の私は書いている本の進行具合を編集者の方々からsvn commit log経由で観察されています。 「コミットメールの有無は確認しております」とメール文面に入ってたりしますし。 筆が遅くてごめんなさい。。。
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