トルコ版YouTubeが開始、現地政府の影響を受けやすくなる

2012/10/5-3

ロイターが、YouTubeがトルコ用のサイトを開始し、それによってトルコ政府による影響を受けやすくなったと報じています。

トルコ国内のIPアドレスからの閲覧者は、自動的に「youtube.com.tr」というドメインにリダイレクトされるようになります。 そのトルコ国内用のドメインでは、裁判所命令に従ってコンテンツが閲覧不能となるようです。

ブラジルの話

トルコ版YouTubeの話とは直接関係はありませんが、先日、YouTubeがブラジルの裁判所命令に従って選挙に関連する動画を削除せざるを得ない状況に追い込まれるという事件がありました。

ブラジルの法律では、テレビ、ラジオ、インターネットで選挙に関して発信して良い内容が制限されているようですが、それに従ってYouTubeに掲載された動画を削除する命令をブラジルの裁判所がGoogleに対して出していました。 動画は、選挙に出馬している候補を批判するものだったようです。

Googleは、それに従わず、先月末にGoogleのブラジル責任者が逮捕され、その後、Googleが動画削除に応じました。

ブラジルでは、予言者を侮辱した動画を削除することを求めた裁判が行われており、現在削除することを求める判決が出ているようです。

イスラム諸国で閲覧制限措置

イスラム諸国で暴動の原因となったYouTube動画は、現在、リビアやエジプトで閲覧不能になっているようです。

一方で、米国国内では、ホワイトハウスから動画削除の圧力を受けても、動画は掲載され続けています。 Google会長のエリック・シュミット氏は、YouTubeに掲載された動画に関して以下のように述べています。

憎悪や暴力を引き起こす映像には賛同していない。 が、Googleの信念は、言論に対する最善の対処法こそ、さらなる言論であり、言論を回避する道ではないということだ。
ロイター:イスラム諸国で閲覧制限措置 預言者侮辱の動画でグーグル(字幕・28日)」より

このように、地域毎に「見られる/見られない」をどうやって調整するのかに関して、今後も色々と話題が増えそうです。

Google Bloggerの話

今回のトルコでのYouTubeのように、閲覧者のIPアドレスに応じて地域を推定してリダイレクトを行うという手法は、今年前半にGoogle Bloggerで実施された手法に似ています。 現在、Google Bloggerを日本から見に行くと、自動的に「○○.blogspot.jp」へとリダイレクトされます。

Google Bloggerがそういった仕組みを採用するに至った背景として、恐らく、インドでの裁判所命令が関連しているのではないかと思われます。

今後、このようにIPアドレスから地域情報を取得して表示内容そのものを変更してしまう対応が各種Webサービスで広がって行くのかも知れません。 もしくは、そういった対応をしているサイト以外は、次々と各国でブロックされていく可能性もありそうです。

「インターネットの国境」が徐々に構築されつつあるように解釈できる事例が急激に積み重ねられていると思う今日この頃です。

p.s. ドラクエXを発端として、IPアドレスで地域情報を推定する技術って、そもそもどうなのよ?という話題がJanogメーリングリストで盛り上がっています。私も、それに依存してしまうサービスが増えることに怖さを感じることがあります。

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