改正著作権法と日本のインターネットトラフィック

2010/11/18-1

本当に関連があるのかどうかはトラフィックの中身を実際に解析した人が居ないのでわかりませんが、恐らく改正著作権法が関連しているだろうと噂されているトラフィック傾向です。 2010年1月1日から改正著作権法が施行されましたが、それと同時にJPIXを経由するトラフィックが激減しています。


JPIXトラヒックの図を加工 (拡大可能)

総務省の報告

9月に「日本国内のP2Pトラフィックが初の減少?」でも書きましたが、総務省 総合通信基盤局 電気通信事業部 データ通信課によって発表された2010年5月時点での日本国内のインターネットトラフィック試算を見ても、2010年1月から急に減少しているように見えます。


「我が国のインターネットにおけるトラヒック総量の把握」より

「ISP間で交換されるトラヒックの集計(協力ISP)」を見ても、2010年に入ってから減少しているのがわかります。


「我が国のインターネットにおけるトラヒック総量の把握」より


「我が国のインターネットにおけるトラヒック総量の把握」より

改正著作権法について

改正著作権法に関しては以下をご覧下さい。

数年前にWinny関連で逮捕者が出た時にガクンとトラフィックが減ったということも過去に発生しており、当時はWinnyでの逮捕事件が日本のインターネットトラフィックに影響を与えていたのではないかと噂されていました。 今回も、Winnyの時と同様に本当のところは恐らく誰もわかりませんが、そうではないかと噂されています。

追記:

追記2:

総務省による「我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計・試算」を行っている研究者であるIIJの長健二朗さんからメッセージを頂きました。

IIJ Internet Infrastructure Review vol.8 : P2Pファイル共有からWebサービスへシフト傾向にあるトラフィック(PDF)」での分析は非常に面白いので是非ご覧下さい。

したがって、トラフィック量の減少と改正著作権法の影響に関しては、「改正著作権法でP2Pファイル共有が減った」というよりは、むしろ「以前からあったP2Pファイル共有からWebサービスへの移行という流れが、改正著作権法を契機に進んだ」と考えるべきだと思います。例えるならば、地震で地滑りが起こったのは、地盤が緩んでいたことが本当の原因であり、地震はあくまでトリガーに過ぎない、ということです。

Japan Peering Forum 2010

なお、これは本日のJapan Peering Forum 2010でチョロっと出ていたネタです。 パネルディスカッション「IX事業者とインターネットの未来」の中で話題として登場していました。

このパネルディスカッションの最後に質問をするという形で、私もちょっとだけ登場しました。 そこで、VNE(Virtual Network Enabler)事業3社に質問をしました。 関連する話題は、後日記事に出来れば嬉しいと考えていますが、色々と調べるのに凄く時間がかかってしまうと思います。。。

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