そもそもインターネットって何?

インターネットとは、ネットワークの集合体です。 例えば、会社のLAN(Local Area Network)もネットワークですし、ISP(Internet Service Provider)が運営しているのもネットワークです。 インターネットは、様々なネットワークが互いにくっついてできている巨大なネットワークです。

図1. インターネット

図などで、ネットワークを雲として表現することがあります。 これは、ネットワークがブラックボックスで中に何があるかわからないけど、繋がってはいるという状態を表している物です。 図の使われ方によって違いますが、インターネット全体を現して雲を書いている場合と、個々のネットワークを指して雲にしてある場合があります。

それでは、何故インターネットは単一ネットワークではなく、個々のネットワークがくっついた集合体なのでしょうか? 言い換えると、何故、バラバラなものがくっついているのでしょうか? その答えとして、各ネットワークには運用する人がいるという事実が挙げられます。

例えば、会社のLANを運用しているのは会社の人です。 ISP Aのネットワークを運用しているのはISP Aの人ですし、ISP Bを運用しているのはISP Bの人です。 では、単一のネットワークである場合、これら全部のネットワークをまとめて面倒を見る人(組織)が必要になります。 会社や団体が数個のレベルならば何とかなるかも知れませんが、世界規模で考えるとこれは現実的ではありません。 そのため、インターネットは各ネットワークは各自が運用し、必要に応じて相互接続することにより成り立っています。

ここまでの話でまずわかることは、「各自が自分のネットワークを管理する」という事です。 これは言い換えると、「自分の所は勝手にやる組織の集合体」ということです。 この自律分散協調的な考え方はインターネットの根幹にあります。 自分は自分の責任範囲だけ考えてそれ以外は考えないというのは重要な要素です。 各自が自分の責任範囲しか考えないので、規模性(スケーラビリティ)あります。 この自律分散協調的な考え方では無い場合、全体の責任を取る中心的な存在が必要になります。 中心モデルの場合、中心的な存在になる所は全ての事を知らないといけなくなります。 そのため、中心モデルではネットワークが大規模になると、いくら計算しても間に合わなくなってしまいます。

抽象的な話ばかりではわかりにくいと思いますので、多少具体的な話をしたいと思います。 インターネットでのデータのやり取りはパケットと呼ばれる「小包」によりやり取りされています。 データをパケットに分けているのは、様々な情報を小分けにして多重化できるようにするためです。 図2では、パケット方式を使わずにデータが全部送信されてから次を送っています。 一方、図3では、データをパケットという単位に小分けにして送っているため、複数種類の通信を同時にできます。 このような複数種類の通信を同時に行なう事を多重化と言います。

図2. パケットでない場合
図3. パケットの場合

これらのパケットを転送しているのがルータ(router)と呼ばれる機器です。 各ルータは自律分散的にパケットを転送します。 このパケット転送方式ですが、各ルータは、図4のように宛先集を持っていてパケットの宛先を見ます。 そのうえで、パケットの宛先毎に「この宛先ならこっちだな」と考えて転送するだけです。 「こっちだな」と思った方角にパケットを転送する行為はフォワーディング(forwarding)と呼ばれます。 図5のように、各ルータがバケツリレー的にパケットを転送していって最終的には宛先に到達します。

図4. パケットのフォワーディング
図5. パケットが宛先に届くまで

この文章を読んでいて「この宛先ならこっちだな」という「こっち」という方角をどうやってわかるのだろうと不思議に思った人は鋭いです。 それは、ルーティング(経路制御)と呼ばれる機能が実現しています。 ルーティングに関する詳細はこちらをご覧下さい。

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