IPアドレスクラス

クラスにはAからEまで5つあります。 クラスごとにネットワークアドレスの長さが決まっています。 そのため、自動的にホストアドレスの長さも決まります。 クラスはIPアドレスの最初の4ビットまでの組み合わせによって決まっています。

昔は全てクラスで管理されていましたが、ネットワークアドレスが固定長だとIPアドレスの利用効率が悪いので最近では利用されていません。 現在は、固定長ではなく可変長のネットワークアドレスを扱う技術であるCIDR(Classless Inter-Domain Routing)を利用しています。

ただ、使われていないので知る必要が無いということでもありません。 実際にはクラスで管理されていなくても話の中で「クラスAのアドレス」などという表現を使うこともあるので、一般常識として知っておくのは重要です。

クラスA

クラスAは最上位のビットが0で始まります。 残りの7ビットはネットワークアドレスを表します。

クラスAのネットワークアドレスは2進数で「00000000」〜「01111111」になります。 10進数では0〜127です。

クラスAのネットワークアドレスのうち、0と127は特別なものとして予約されています。 そのためクラスAのネットワークアドレスとして利用可能なものは1から126の126個になります。

32ビットのIPアドレスのうち残りの24ビットがホストアドレスになります。 ホストアドレスでは、各ネットワークアドレス毎に2進数で「00000000 00000000 00000000」〜「11111111 11111111 11111111」が利用可能です。 10進数では、「0.0.0」〜「255.255.255」になります。 このうち、全てのビットが0になるものと全てのビットが1になるものは予約されているため、実際にホストアドレスとして利用可能なアドレスは「00000000 00000000 00000001」〜「11111111 11111111 11111110」の16777216個(2の24乗から2を引いた数)になります。

クラスA全体としては、0.0.0.0〜127.255.255.255の範囲をとります。

クラスB

クラスBは最上位の2ビットが10で始まります。 残りの14ビットはネットワークアドレスを表します。

クラスBのネットワークアドレスは2進数で「10000000 00000000」〜「10111111 11111111」になります。 10進数では128.0〜191.255です。

クラスBのネットワークアドレスのうち、128.0と191.255は特別なものとして予約されています。 そのためクラスBのネットワークアドレスとして利用可能なものは128.1から191.254の16382個になります。

32ビットのIPアドレスのうち残りの16ビットがホストアドレスになります。 ホストアドレスでは、各ネットワークアドレス毎に2進数で「00000000 00000000」〜「11111111 11111111」が利用可能です。 10進数では、「0.0」〜「255.255」になります。 このうち、全てのビットが0になるものと全てのビットが1になるものは予約されているため、実際にホストアドレスとして利用可能なアドレスは「00000000 00000001」〜「11111111 11111110」の65534個(2の16乗から2を引いた数)になります。

クラスB全体としては、128.0.0.0〜191.255.255.255の範囲をとります。

クラスC

クラスCは最上位の3ビットが110で始まります。 残りの21ビットはネットワークアドレスを表します。

クラスCのネットワークアドレスは2進数で「11000000 00000000 00000000」〜「11011111 11111111 11111111」になります。 10進数では192.0.0〜223.255.255です。

クラスCのネットワークアドレスのうち、192.0.0と223.255.255は特別なものとして予約されています。 そのためクラスBのネットワークアドレスとして利用可能なものは192.0.1から223.255.254の2097150個になります。

32ビットのIPアドレスのうち残りの8ビットがホストアドレスになります。 ホストアドレスでは、各ネットワークアドレス毎に2進数で「00000000」〜「11111111」が利用可能です。 10進数では、「0」〜「255」になります。 このうち、全てのビットが0になるものと全てのビットが1になるものは予約されているため、実際にホストアドレスとして利用可能なアドレスは「00000000 00000001」〜「11111111 11111110」の254個(2の8乗から2を引いた数)になります。

クラスC全体としては、192.0.0.0〜223.255.255.255の範囲をとります。

クラスD

クラスDは最上位の4ビットが1110で始まります。 クラスDのIPアドレスはマルチキャスト用のIPアドレスです。 そのため、クラスDのIPアドレスはインターネット上で一意ではありません。 (クラスDのIPアドレスはユニキャストのIPアドレスと異なり、インターネット上で一意性がありません。)

クラスD全体としては、224.0.0.0〜239.255.255.255の範囲をとります。

マルチキャストに関する詳細は「マルチキャスト」をご覧下さい。

クラスE

クラスEは最上位の5ビットが11110で始まります。 クラスEのIPアドレスは将来の実験用の目的のため予約されています。 そのため、クラスEのIPアドレスは現在は利用されていません。

クラスE全体としては240.0.0.0〜255.255.255.255の範囲をとります。

IPv6基礎検定

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