selectを使う(タイムアウト付き)

ここでは、selectをタイムアウトさせる方法を説明します。

selectを使うサンプルコード(タイムアウト付き)

下記サンプルコードでは、UDPソケットを2つ作成しています。 作成した2つのUDPソケットは、selectに登録してselectはブロッキング状態に入ります。 UDPソケットにデータが到着するとrecvを行い、受信した内容を表示します。

以前のサンプルとこのサンプルの違いは、タイムアウトを設定している事です。 このサンプルでは、selectの4つめの引数はNULLではなくstruct timevalへのポインタを渡しています。 struct timevalには、10秒を表す値を代入してあります。 このサンプルでは、selectは最大10秒までしかブロッキングしません。 selectがブロッキングを開始してから10秒の時間が経過するとselectは0を返して終了します。 select以後のif文では、selectの返り値が0であればwhileループを抜けるようにしてあります。


#include <stdio.h>
#include <string.h>
#include <sys/types.h>
#include <sys/socket.h>
#include <netinet/in.h>
#include <sys/time.h>

int
main()
{
 int sock1, sock2;
 struct sockaddr_in addr1, addr2;
 fd_set fds, readfds;
 char buf[2048];
 int maxfd;
 int n;
 struct timeval tv;

 /* 受信ソケットを2つ作ります */
 sock1 = socket(AF_INET, SOCK_DGRAM, 0);
 sock2 = socket(AF_INET, SOCK_DGRAM, 0);

 addr1.sin_family = AF_INET;
 addr2.sin_family = AF_INET;

 addr1.sin_addr.s_addr = inet_addr("127.0.0.1");
 addr2.sin_addr.s_addr = inet_addr("127.0.0.1");

 /* 2つの別々のポートで待つために別のポート番号をそれぞれ設定します */
 addr1.sin_port = htons(11111);
 addr2.sin_port = htons(22222);

 addr1.sin_len = sizeof(addr1);
 addr2.sin_len = sizeof(addr2);

 /* 2つの別々のポートで待つようにbindします */
 bind(sock1, (struct sockaddr *)&addr1, sizeof(addr1));
 bind(sock2, (struct sockaddr *)&addr2, sizeof(addr2));

 /* fd_setの初期化します */
 FD_ZERO(&readfds);

 /* selectで待つ読み込みソケットとしてsock1を登録します */
 FD_SET(sock1, &readfds);
 /* selectで待つ読み込みソケットとしてsock2を登録します */
 FD_SET(sock2, &readfds);

 /* 10秒でタイムアウトするようにします */
 tv.tv_sec = 10;
 tv.tv_usec = 0;


 if (sock1 > sock2) {
    maxfd = sock1;
 } else {
    maxfd = sock2;
 }

 /* このサンプルでは、10秒間データを受信しないとループを抜けます */
 while (1) {
	/*
           読み込み用fd_setの初期化
	   selectが毎回内容を上書きしてしまうので、毎回初期化します
        */
	memcpy(&fds, &readfds, sizeof(fd_set));

	/* fdsに設定されたソケットが読み込み可能になるまで待ちます */
	n = select(maxfd+1, &fds, NULL, NULL, &tv);

	/* タイムアウトの場合にselectは0を返します */
	if (n == 0) {
		/* ループから抜けます */
		printf("timeout\n");
		break;
	}

	/* sock1に読み込み可能データがある場合 */
	if (FD_ISSET(sock1, &fds)) {
		/* sock1からデータを受信して表示します */
		memset(buf, 0, sizeof(buf));
		recv(sock1, buf, sizeof(buf), 0);
		printf("%s\n", buf);
	}

	/* sock2に読み込み可能データがある場合 */
	if (FD_ISSET(sock2, &fds)) {
		/* sock2からデータを受信して表示します */
		memset(buf, 0, sizeof(buf));
		recv(sock2, buf, sizeof(buf), 0);
		printf("%s\n", buf);
	}
 }

 close(sock1);
 close(sock2);

 return 0;
}

上記サンプルへのUDPパケット送信は、タイムアウトを利用しないselectの説明で利用したUDPを送るプログラムをご利用ください。

IPv6基礎検定

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