インターフェースのMACアドレスを設定する(2)

ここでは、Linuxでインターフェースに設定されているMACアドレスを変更する方法を説明したいと思います。 同一ネットワーク内でMACアドレスが重複してしまうと他のユーザに迷惑がかかります。 このページのサンプルが何をしたいのかが良くわからない方はサンプルを実行しない方が良いかもしれません。

(注意)厳密には変えているのはMACアドレスではなく、Kernelが認識するイーサネットのハードウェアアドレスです。 ここでは、説明のためマックアドレスと言ってしまっています。

単純なMACアドレス変更プログラム(2)

このサンプルは、ネットワークインターフェースをdown状態にしてからhwaddrを変更し、その後up状態にしています。

Linuxでの簡単なMACアドレス変更プログラムのサンプルを以下に示します。 このサンプルを実行するとMACアドレスが変わってしまうのでご注意下さい。 このサンプルはネットワークインターフェースのIPアドレスを変更できる権限(rootなど)を持ったユーザとして実行しないと失敗します。

このサンプルで変更してしまったhwaddrを元に戻すには「ifconfig eth0 hwaddr ether XX:XX:XX:XX:XX:XX」としてください。 XXの部分は元々のMACアドレスの値を入れてください。 このサンプルを実行した後にMACアドレスが元に戻せなくなってもrebootすれば元に戻ります。


#include <stdio.h>

#include <string.h> /* for strncpy */

#include <sys/types.h>
#include <sys/socket.h>
#include <sys/ioctl.h>
#include <netinet/in.h>
#include <net/if.h>
#include <net/if_arp.h>

int
main()
{
 int fd;
 struct ifreq ifr;

 fd = socket(AF_INET, SOCK_DGRAM, 0);

 /* eth0を変更 */
 strncpy(ifr.ifr_name, "eth0", IFNAMSIZ-1);

 /*
  * down
  */
 if (ioctl(fd, SIOCGIFFLAGS, &ifr) != 0) {
   perror("ioctl");
 }

 ifr.ifr_flags &= ~IFF_UP;

 if (ioctl(fd, SIOCSIFFLAGS, &ifr) != 0) {
   perror("ioctl");
 }


 /*
  * HWADDR変更
  */
 ifr.ifr_hwaddr.sa_family = ARPHRD_ETHER;

 ifr.ifr_hwaddr.sa_data[0] = 0xAA;
 ifr.ifr_hwaddr.sa_data[1] = 0xBB;
 ifr.ifr_hwaddr.sa_data[2] = 0xCC;
 ifr.ifr_hwaddr.sa_data[3] = 0xDD;
 ifr.ifr_hwaddr.sa_data[4] = 0xEE;
 ifr.ifr_hwaddr.sa_data[5] = 0xFF;

 if (ioctl(fd, SIOCSIFHWADDR, &ifr) != 0) {
   perror("ioctl");
 }

 /*
  * up
  */
 if (ioctl(fd, SIOCGIFFLAGS, &ifr) != 0) {
   perror("ioctl");
 }

 ifr.ifr_flags |= IFF_UP | IFF_RUNNING;

 if (ioctl(fd, SIOCSIFFLAGS, &ifr) != 0) {
   perror("ioctl");
 }

 /*
  * 終了
  */
 close(fd);

 return 0;
}

Linuxでは、MACアドレス情報を変更するためにioctlを利用します。 ioctlを使用するにはソケットを開く必要があります。 作るソケットはAF_INETであればTCP(SOCK_STREAM)でもUDP(SOCK_DGRAM)でもかまいません。 このサンプルではUDPのソケットを利用しています。

MACアドレスを変更するために開いたソケットは、アドレス情報の変更とともにcloseしてしまっても大丈夫です。 もちろん、ソケットをそのまま使い続ける事も可能です。

IPv6基礎検定

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