フリーランスになって10年

2017/9/11-1

気がつくと、フリーランスになって10年目です。退職するまでは身元を明かさずにブログを書いていて、退職後に退職エントリを書いたのが2007年の12月でした。

これまでの仕事

これまで、いろいろなことをやりました。基本的に、あまり自分で営業活動をせず、ご連絡をいただいた内容に応じてそのときどきで仕事をしているので、仕事の方向性はバラバラです。。。そういった要素もあり、会社員時代と比べて収入は半減以下になってしまっているのという悩みを抱え続けながら生きています。

書籍執筆
  • マスタリングTCP/IP RTP編(監訳)
  • Linuxネットワークプログラミング
  • インターネットのカタチ - もろさが織り成す粘り強い世界(共著)
  • マスタリングTCP/IP OpenFlow編(共著)
  • アカマイ - 知られざるインターネットの巨人
  • ポートとソケットがわかればインターネットがわかる
雑誌およびWeb媒体での執筆
多数
コンサルティング
過去実績:通信機器メーカー、Webコンテンツ事業者など。 内容は、技術動向調査、業界動向調査、Webでの情報発信など。
講演、社員研修
過去実績:通信事業者、コンテンツ事業者、省庁、派遣事業者、法曹向けなど。内容は、そのときどにに応じて。主に、インターネットの構造、インターネット上で発生していること、各種障害事例や事件、技術動向や技術解説。
プログラミング等(Web系開発含む)
新規制作、デバッグ手伝い。 開発に利用した言語は、C/C++、Java、Perl、PHP、Ruby(Rails)、JavaScriptなど。
大規模案件の例としては、世界剣道選手権大会の電子掲示板セットの制作および運用。備品レンタル調整やネットワーク設計。日本武道館内に臨時イントラネットを構築し、リアルタイムに内容更新を行える電子掲示板システムを実装。日本武道館内の臨時イントラネット内システムと世界剣道選手権大会ホームページを連動させ、試合結果をリアルタイムに把握可能に。同時に、大会の全試合をネット中継。(16wkc.jp)
Webサイト制作、設定
新規サイトの作成、既存サイトのCMS(WordPressやMovableType)設定など。
名刺デザインおよび印刷
写真撮影
ネット中継
スポーツ関連のネット中継、国際会議のネット中継など
ユーザ事例、商品/サービス紹介記事執筆
内容:ユーザ事例取材、写真撮影、イラストレータによる印刷所用データ作成、オフセット印刷によるパンフレット納品。製品/サービスの特徴を分析し、紹介記事執筆してテキストおよび図の納品など。
過去実績:通信事業者、通信機器メーカー、ソフトウェアベンダ
実績例:

兼業主夫

さて、何でこんな働き方をしているかですが、子供と一緒に家で過ごすためです。

会社を辞めてフリーランスになった10年前、娘が小学校から帰宅するときに大人が家にいる環境をできるだけ実現したいと考えたのですが、妻が仕事を辞めると子供が大きくなったときに再就職するのが大変であることや、私のほうが在宅で仕事を探しやすいのではないかということで、私が会社を辞めました。 それ以来、できるだけ子供が家にいる時間帯は家で仕事ができるようなスケジューリングを心がけていました。

家事は、どちらが何をするということを決めているわけではなく、何となくやっています。 子供の寝かしつけは私が担当することが多く、風呂に入れたりは私が多いです。 夕飯を作るのは、そのときどきで決めていますが、最近は半々ぐらいです。皿洗いなどもどちらかがやっています。

春休み、夏休み、冬休みなどの長期休みは、子供の昼食を作ったり、子供の友達を預かったりといった感じです。 平日に子供が友達と遊ぶときの送り迎えだったり、子供の友達が遊びに来たときの対応は私がやるので、気がつくと他の親とのコミュニケーションは私の方が多い場合もあります。 はじめのうちは、「家にいるのがお父さんなの!?」みたいな感じで驚かれることも多かったのですが、周りも慣れていくようです。

下の子がまだ小学生なので、いまの働き方はもう少し続けたいと思う一方で、子供の受験などを考えると今のフリーランス収入で大丈夫なのかを考えてしまうこともあり、近いうちに自分が再就職するのか、そもそも再就職できるのかなど、色々と考えてしまうこともあります。 と言いつつも、IPv6本を完成させなければですし、他にも色々と書きたい本があったり、発信したい情報があったりで、まだもう少し今の働き方は続きそうです。

同じ時間を過ごすことの大切さ

家に私がいることもあり、できるだけ子供が興味を持ったことに寄り添いたいと思って色々やるわけですが、本人が必要だと思った瞬間に、ある程度の情報を持っていることが大事だと思うことがあります。

上の子が受験勉強などを始めると、わからないことを質問してきます。質問をしてくるのは、勉強をしていてわからなかった瞬間なので、その瞬間に近くにいるかどうかでコミュニケーションが変わります。

子供がカメラに興味を示したら、一緒に一眼レフカメラを使って写真を撮る練習をするようにもしています。中学生になった娘は、ある程度は撮影できるようになってきました。 小学校低学年の息子がパソコンをやりたいと言っていたので、メモ帳に「うんこ、ちんちん」とローマ字打ちで入力する方法を教えたりもしています。

子供が生まれた当初は、「よーし、IT系の技術を子供に仕込むぞ!」と考えていましたが、娘はパソコンに興味を示しません。中学に入って部活をはじめた娘は、自分がやっているスポーツで強くなることに興味があり、スポーツ関連のことを教えろと言ってくることがあります。 そのときの興味に応じて、「この動きができない」とか「今日の練習でこれができなかった」という会話が発生しますが、その会話に応じて「じゃあ、こういう練習をしてみたら?」とか、「身体のこの部分の可動域が足りないから、この動きをやったうえで可動域を一時的に高めて試してみたら?」とか言えると、次からも頼ってくれるようになるようです。

息子が小学生サッカーチームの練習で疲れたり、娘が中学部活などで疲れたりという状態で、たとえば膝が痛いとか、かかとが痛いとか言い出すことがあります。 そういった問題意識もあり、電車移動中など、本業の合間などに解剖学、生理学、運動学、栄養学、マッサージの方法などの勉強を少しずつ始めたり、プロのトレーナー向け講習会などに申し込んで勉強したりもしています。 子供の痛みの原因を一緒に考えて、マッサージで緩和できるような状況であれば、それを緩和してあげたり、そもそもその痛みを発生させている姿勢や動きを治すようなトレーニングをやらせたりしているのですが、気がついたら、自分以外の全員に対して、ほぼ毎晩他動ストレッチやマッサージをしている自分がいました。

あと、本当に必要になったときに、親の知識の範囲を超えることもあります。そうなったときに、誰をどのように頼るのかを考えるということもあります。 たとえば、自分が行えるマッサージで緩和できるレベルを超えたら接骨院に連れて行ったり、怪我の兆候を感じたら整形外科に連れて行ったりしています。 中学生の勉強に関しては塾に行かせる必要もあるんだなぁと実感させられることも多いです。

こんな感じで、子供が興味を示しているのがスポーツなので、自分でトレーニングに関連する勉強をしたり、自分自身のトレーニングをしてみたりと色々です。 子供と色々やることもあるのですが、実際は自分が興味のあることを、そのつど追求しているだけだったりもします。

マニアックになっていく父親を見て、子供もあきれています。 (写真は、ウェイトリフティング講座6週間コースの修了時の記念撮影写真)


「教える」ということ

で、何を言いたいかというと、自分の子供を教えるような頻度や深さで他の人に教えるのは非常に難しいのではないかと最近になって思い始めました。

他人に対して本当の意味でサポートする難しさを感じているのです。 そういう意味で、寝食をともにした「弟子入り」みたいなことは、それはそれで、実は効率的なのかも知れません。 「技や知識を盗む」ということを実現するには、盗まれる側がある程度同じ時間を共有しつつ、盗んでもらうためのケアをする必要がある気がしています。

とはいえ、そもそも、他人に対して「教えてあげる」と考えること自体が傲慢なのかも知れません。 自分の子供に対してもそうです。最終的には、「勝手に育つ」ことを見守るわけですが、その「勝手に育つ」を前提としつつも全力サポートすることが大事だなぁというわけです。 そして、本人が何に関してどのような方向で「育ちたい」と思うのかは、「教えたい」と思う側と必ずしも一致しないようです。

「育成」なのか、それとも「選抜と競争」なのか

子供がやっているスポーツであったり、他のチームなどの様子を見ていて思うのは、「育成」という建前でありつつも、実際に行われているのは「選抜と競争」が多いということです。 多くのコーチは目の前にある「成果」を見たうえで、「あいつは頑張っている」と表現し、「頑張っている」子に対してさらにレベルの高い指導をすることを好む傾向があるように思えます。 細かい個別指導を受けられるかどうかも、別の場所でなんらかの準備を事前にしているかどうかで決まってしまうこともあるのです。

ITも似たようなところがありそうです。 ITも、多くの場が実際は、選抜や競争や淘汰の世界と感じるようになってきました。 エンジニアが自分で勝手に勉強すべきかどうかという議論が盛り上がることもありますが、選抜や競争の世界では、各自が持っているスキルに応じて評価が変わります。 そういったスキルを「身につけさせてくれる」という存在に出会うことは難しく、結局は自分である程度なんとかするしかないという背景があるのかも知れません。

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