BBIX BGP Meeting

2017/6/27-1

2017年6月16日にBBIX BGP Meetingが行なわれました。先日書いたTwitterの記事Spotifyの記事も、BBIX BGP Meetingで発表された内容を記事にしたものです。

BBIXの福智氏によると、BBIX BGP Meetingの「BGP」は、Borderless Group of Peeringの略であって、Border Gateway Protocolの略ではないとのことでした。同社の目指す「No Peering, No Internet」を体現するための取り組みのひとつで、一般的ないわゆる「ユーザ会」とは違う方向性を目指しているそうです。 BBIXに接続しているAS数は、約160、トータルトラフィックは約830Gbpsに登るという現状も紹介されていました。

BBIX BGP Meetingのアジェンダは、「勝手にプログラム委員会」という有志が作っています。「勝手にプログラム委員会」のメンバーはBBIXではない方々が多いので、BBIX BGP Meetingは多少JANOGっぽい雰囲気にもなっていました。とはいえ、主題はビジネスに関係するピアリングなので、JANOGよりもビジネス寄りとも言えます。

BGPチュートリアル

最初のセッションは、IIJの松崎氏とDMM.comラボの高嶋氏によるBGPチュートリアルでした。 BGPを日々運用している方々が参加する会合でのBGPチュートリアルということで、発表後に「どういう内容で発表するのか悩んだ」と言っていましたが、過去に経験した障害事例などをおりまぜつつ注意すべき点が解説されており、非常に面白い内容でした。

高嶋氏の発表資料が公開されているので、ご興味があるかたはご覧下さい。

BGP運用の実際 Peering にまつわるイロイロ from Ryuichi Takashima

動画サイト どのASから来ているのか

ミテネインターネットの熊本氏が「動画サイト どこのASから流れてる?2017春」という発表を行いました。

観測した場所と時間によって利用されるCDNが変わることもあるので、今回の調査結果は「あくまで個人的な調査」ということでしたが、DAZNがJリーグの中継を行うようになってから地方のJリーグチームがある県で昼間にすごいトラフィックが流れるようになったことや、NHKオンデマンドがOCNによって配信されていることが観測できたこと、アダルトコンテンツは週末の夜にトラフィックがでかいことなど、面白い発見が色々発表されていました。

熊本氏の調査結果は、Qiitaの記事として公開されているので、ご興味のあるかたは是非ごらんください。

インターネットの品質測定方法

「インターネットの品質測定方法」というタイトルでSBクラウドの高橋氏が発表を行いました。

日本、香港、中国メインランドで各種VPSを借りまくり、end-to-endでパケロス、RTT遅延、スループットを計測してみたという内容でした。

安定した通信が可能であることもあるものの、パケットロスが激しいかったり、パケットロスは少ないものの間に何らかの機器が入っているような大きな遅延が発生という場合もあったとのことでした。

中国の2台キャリア2社の接続状況が良くない場合もあり、両者を超える通信の品質が悪くなることがある「南北問題」と呼ばれる問題がいまでもあるのかも知れないといった推測が紹介されていました。

他にも色々

これらの発表以外にも、Peering PersonalというPeeringを求めて「中の人」が行うASの自己紹介、LTなども行なわれました。

Peering PersonalはJANOGやInternet WeekのPeering BoFでも行われますが、25ASがいままで最高だったそうです。 BBIX BGP Meetingでは、約40ASがPeering Personalを行いましたが、もしかしたら、国内で最もPeering Personalが行われた瞬間だったのかもしれません。

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