8月12日に発生した512K問題と、これから発生する512K問題

2014/8/18-2

8月12日に512K問題が原因と思われる障害が発生しました。しかし、8月12日に発生したのは一時的な障害であり、本番はこれからかも知れません。

512K問題は、BGPで扱う経路数が512K個を超えたときに発生するものですが、恐らく現段階では、まだBGPフルルートが512Kを定常的に超えているわけではありません。

8月12日に発生した障害は、UTC(Coordinated Universal Time / 協定世界時)の07:48にVerizonのAS 701とAS 705から約1万5千個の経路が広告されたことによって瞬間的に512K個を超えたことが原因であると推測されています。BGPMONの記事では、Verizonからの大量の経路広告が07:48で、各所での障害発生が08:00であるとしています。約1万5千個の経路は数分で取り下げられたものの、ASによっては数時間障害が続いたそうです。

なぜVerizonからそのような経路が広告されたかですが、BGPMONの記事では、何らかの理由によって経路のアグリゲーションが失敗するような事態に陥ったのではないかと推測しています。

現段階では、フルルートの経路数が512Kを定常的に超えているわけではないものの、経路数は日々増え続けているため、近いうちに定常的に経路数が512Kを超える状態に突入することが予想されます。とはいえ、renesys blogでは、「Putting This Event in Perspective: Don’t Panic」という項目で、「特にメディアの方々は、この節を読んで欲しい」としつつ、「インターネットで稼働しているルータの大半は大丈夫」と書いています。

ということで、8月12日の障害を見て、実は人知れず多くのBGPオペレータが「やべぇ!対処しなきゃ!」と急いで対応をしている可能性もありそうです。もしそうだとすると、8月12日にVerizonのASから1万5千個の経路が広告されたことによって、逆にインターネット全体に影響を与える大規模障害が回避されたのかもと妄想してしまう今日この頃です(まあ、本番はこれからなので、実際にどうなるのかはまだわかりませんが)。

最近のエントリ

過去記事

過去記事一覧

IPv6基礎検定

YouTubeチャンネルやってます!