SDN ShowCase、NTTコミュニケーションズの展示内容 [Interop Tokyo 2013]
Interop Tokyo 2013のSDN ShowCaseでのNTTコミュニケーションズのブースで、OpenFlowベースとMPLSベースの二つのSDNのデモンストレーションを展示していました。
OpenFlowデモはOpenFlowそのものというよりも、VOLTというツールの可視化部分がカッコイイ(展示会ウケしやすそう)という感想でした。 MPLSデモは、凄く新鮮な印象を持つと同時に凄く懐かしい印象も受けるという不思議な空間だったのではないかという感想です。
OpenFlowによるSDNデモ
VOLTという汎用OpenFlow解析ツールを展示されていました。 3DなUIで、とにかくカッコイイので展示会向きだと思いました。
概要としては以下のような内容でした。 テスト環境であるというのが大きなポイントだという感想を持ちました。
- OpenFlowの実ネットワークの構成と経路情報(FlowTable)を丸ごとコピーして、テスト環境上で再現する。
- 3Dグラフィックで可視化されたテスト環境上では、FlowTableの論理なつながりが正しいか、各Flow毎に実データが転送されるかをチェックすることが出来る。
- テスト環境上ではGUIで簡単にL2やL3のFlowを設計することや、OpenFlowSWのトポロジーを変更することも可能
- 新たに設計した内容が正しいかチェックして再度実ネットワークに書き出す機能も備えている。
「弊社はSDNに積極的に取り組んでいますが、VOLTはOpenFlowを利用したサービス開発や運用をしていく上で、自分達が直面した課題から生まれたシステムです。」とのことでした。
デモではOpenFlow前提となっていますが、いわゆるSouthbandの標準的なプロトコルであれば何でも良いという設計になっているとのことでした。 そのほか、将来的には、仮想ルータや仮想アプライアンスなども同じような仕組みでテスト環境で構築し、実環境に反映させるようなことも検討されているようです。
MPLSによるSDNデモ
MPLSのデモでは2つのSDNの機能を見せていました。
デモ1
- MPLSを利用したマルチキャスト映像配信の通信パス(LSP)をコントローラーからのトリガーで制御
- コントローラーが配信時間の予約機能を備えており、登録した時間と対置のLSPを事前にMPLSエッジに予約設定しておく(設定にはNETCONFを利用)
- 予約の時間が来ると、エッジからは既存のMPLSのシグナリングを利用して各ルーターにLSPが張られていく。
デモ2
- Stateful-PCEという新しい技術を利用して、LSPをコントローラーのアプリケーションで経路制御する。
- Stateful-PCEの機能でMPLSエッジのLSPの状態をコントローラーが把握する。
- Ping等でLSPの遅延の状態を測定しておく。
- 遅延の閾値を設定しておき、コントローラーのアプリケーションが最小遅延のLSPへの切替を指示。
- Stateful-PCEでLSPの経路を変更する
SDN ShowCaseデモではNTTコミュニケーションズと富士通が開発した仮想MPLSエッジルーターを利用していて、VM上でも動作をすることが可能でした。 MPLSは、主にキャリアバックボーンで利用されている技術ですが、キャリアバックボーン以外にもクラウド環境への適応といった検討が行われているのがよくわかるデモンストレーションでした。
最後に
昨年のOpenFlow ShowCase展示と比べると、凄い勢いでレベルアップしているのが良くわかるデモだったと思います。 割と本気だなぁ、、、という思った今日この頃です。
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