IGPとしてのeBGP@Interop 2013

2013/6/12-2

今年のShowNetでは、eBGPをIGP(Interior Gateway Protocol)として利用するデモが行われています。 データセンターエリアでのデモですが、各ラックのTOR(Top Of Rack)がプライベートASを運用したうえで、ShowNet内でIGPとしてeBGPを利用しています。

IGPとして注目されるBGP

一般的には、BGPはAS同士を繋ぐEGP(Exterior Gateway Protocol)ですが、データセンター内でプライベートASによるeBGP運用を行うという提案もあります。

BGPをIGPとして利用することで、たとえば、以下のような利点があります。

  • イコールコストに限らないマルチパスによるロードバランスが可能
  • マルチベンダでの運用実績が豊富
  • ノード数が増えても収束時間が短いことが期待できる
  • L2技術と比べて、運用時に既存経路がわかりやすい

ShowNet版IGP的eBGP

今年のShowNetでeBGPをIGPとして利用したモチベーションとしては、最新L2技術に頼らずに従来からのL3技術を採用しつつ、最新L2技術と同等の耐障害性や柔軟性への挑戦だそうです。

Interop ShowNetは、市場投入前の最新技術が多く実験される場でもあるため、急な構成変更等が発生することがあります。 VLANのやりくりによって、そういった状況に対応するのではなく、L3技術を活用して柔軟な収容変更をするために、TORにeBGPルータを設置した上で各ラックに対してプライベートASを割り振っています。

構成変更が行われた場合、新しい経路がプライベートASを利用したeBGPで広告されます。

3段のプライベートAS

ShowNetでの構成としては、3段のプライベートASがeBGPで運用されています。


OSPF

なお、ShowNetバックボーン全てでeBGPをIGPとして利用しているわけではありません。 IGP用eBGPは、あくまでデータセンターエリア内でのデモとなっています。

プライベートAS3段組の一番上のeBGPルータが、アグリゲートされた経路をOSPFでShowNetバックボーンに対して広告しています。

VxLAN

プライベートASによるeBGPで実現したL3網の上にVxLANを乗せるデモも行われています。

VxLANはARPなどの制御系フレームを転送するためにマルチキャストが必要なので、ShowNetでもマルチキャストができるように設定されています。 マルチキャスト用の経路は、VRF(Virtual Routing and Forwarding)でスライスを切ったうえで、PIM-SMで実現しています。

感想を質問してみました

「これ、やってみてどうでした?」という質問をしてみましたが、「安定していたし、経路を把握しやすくて良かった」とのことでした。

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