アラクサラのデモ、60W PoE受電で稼働する60W給電スイッチAX1240S改造、新ルータAX8600R [Interop Tokyo 2012]

2012/6/13-1

昨年、InteropでL2スイッチに水をかけるデモを行っていたアラクサラブースですが、今年は60W PoE受電しつつ15W PoE給電というPoEパススルー機能を持つスイッチが展示されています。 60W PoE受電+給電スイッチと昨年の防滴スイッチを企画及び製作された方は同一人物です。

60W PoE給電新製品と60W PoE受電+給電参考出展

多少ややこしいのですが、アラクサラブースで2種類の60W PoEスイッチが展示されています。

ひとつが、5月29日に発表された60W給電PoE機能を持つAX2230S-24Pです。 アラクサラ社曰く、ボックス型(シャーシ型ではない小型機器)としては60W PoE給電スイッチは業界初だそうです。

もうひとつがInteropデモ用に作られて参考出品されている「AX1240S改造版」です。 「AX1240S改造版」は、60WのPoE受電で動作し、15WのPoE給電を2つできます。 デモでは、15WのPoE給電で監視カメラとIP電話が稼働しています。

今回の参考出品では60W PoE受電1本で稼働していますが、将来的には60W PoE受電を2系統別々のアップリンクから受け取るようなことが出来れば面白そうだという話を開発者のY氏が述べていました。 単純に別々のアップリンクからPoE受電できるだけではなく、異なるスイッチ間でリンクアグリゲーションを行うSML(Spilit Multi Link)機能を有効にしつつPoE受電できるようなのものが良さそうだという話もされていました。

さらに、PoE受電がゼロのときには完全に電源をOFFになり、PoEからの給電が開始されると同時に自動的に立ち上がるように作ることで、待機電力ゼロでのWake ON LAN機能があるスイッチも実現できそうとのことでした。

余談ですが、PoEパススルー機能を持つ「AX1240S改造版」の元となったAX1240Sは、昨年水槽の中で防滴デモに使われたものと同じシリーズです。

参考:昨年展示されていた水をかけるデモ

60W PoEの現状

折角なので、60W PoEの現状を聞いてきました。 時間がないので、以下、メモをそのまま掲載します。

60WPoEの標準化動向です。
UTPのケーブルですが、8本(4ペア)あり、これをどう使うかで2種に分かれます。

(1)2ペアで60W給電するタイプ
(2)4ペアで60W給電するタイプ


(2)がさらに2種に別れ
(2-1)最初から4ペアで給電する
(2-2)最初は2ペアで30W給電し、ネゴできたら残りの2ペアで30W給電。合計60W。

アラクサラの方式は(2-1)
他社方式は(2-2)の模様。

ちなみに、30WPoEの場合は、2ペアでの給電となります。
2ペアの選び方に Alternate A方式とAlternate B方式があります。
1&2と3&6の信号線の2ペアを使用するのがA方式。4&5と7&8の空き線の2ペアを使用するのがB方式。
ただ、1000Mの場合は4ペア全部を信号線で使用します

30Wの場合 1ペアあたり600mAまでの電流が流せるように規定されております。
単純にこれを4ペア使いましょう。
というのが(2)の話なので、ケーブルそのものは30Wで使用できれば、60Wでも使用できるはず。

AX8600R

アラクサラブースでは、AX8600Rも展示されています。

アラクサラネットワークス株式会社は、日立製作所とNECの合弁会社として2004年10月に設立されましたが、同社設立当初から存在していたAX7800Rに続くルータという形です。 同社からこれまで発表された新製品はスイッチだったので、新製品としてのルータが発表されたのは同社設立以来初のようです。

AX8600Rのラインナップとしては小中大の3つで、それぞれAX8608R、AX8616R、AX8632Rとなっています。

AX8600Rは左右にスロットがわかれています。 100GBASE-LR4は、横幅半分で縦に2スロット分のスペースを使いますが、AX8632Rで最大16ポート収容可能とあります。 なお、「1Gや10Gのスロットは高さが1スロット0.7Uぐらいで、コネクタサイズを考えると限界に近いポート密度」とのことでした。


AX8608R, このサイズで100Gが4ポート入る

その他、以下のようなこともコメントされてました。

  • 世界トップレベルのルータが製品化できた。これで、キャリアエッジやISP市場を取っていく。
  • 「長く使っていただく」というコンセプトで、スケーラビリティ、柔軟性、省電力を重視した。
  • マイクロカードは、マイグレーションパスとコンパクト化を実現。
  • 省電力は、他社にないユニークな仕組みをたくさん盛り込んでいます。

省電力やスケーラビリティに関しては、どのベンダーも同じような発言をされるので、私にはどう判断すれば良いのかよくわかりませんでした。

とはいえ、IPv6まわりの話などを考えると、日本国内においては実は非常に大きな意味を持つルータになるような気がしなくもないです。

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