Brocadeブースの展示色々@Interop Tokyo 2011

2011/6/9-2

Interop Tokyo 2011のBrocadeブースにお邪魔してきました。 他にも色々ありましたが、以下のような展示に興味を持ちました。

  • PCI Expressのファブリックアダプタ
  • 10x10(テン・バイ・テン)による100GbE x 2のリンクアグリゲーション
  • IPv6対応ロードバランサ
  • ShowNetデモ

PCI Expressのファブリックアダプタ

個人的にBrocadeブースで一番「おもしろい」と思ったのが、1860 Fabric Adapter(以後、1860)です。

1860には、2本のSFP+がついており、それぞれファイバチャネルとイーサネットを自動認識します。 さらに、内部に16個のPF(Physical Function)が入っています(現バージョンでenableされているのは8個です)。 それによって、16個の物理的なNICがあるようにOSから見えます。 今後、デバイスドライバの改良によってOS側から見えるNIC数が仮想的に最大256個になるようになることが計画中だそうです。

1860は、EVB(Edge Virtual Bridging)のVEPA(Virtual Ethernet Port Aggregation)とVEB(Virtual Ethernet Bridging)に対応予定です。

Edge Virtual Brigdingは、VMネットワーク内のパケット転送をオフロードするための包括的な仕組みです。 そのうち、VEPAがVMネットワーク内でのパケット転送を外部の機器にオフロードするための仕様で、VEBがVMネットワーク内でのパケット転送をNICにオフロードするための仕様です。 これらは、IEEE 802.1Qbg委員会で現在標準化中であり、近いうちに標準化が完了する予定です。

対応「予定」であるのは、現在それらの仕組みが標準化の最中だからです。 現時点では、ハードウァアとして対応しており、標準化完了とともにドライバも対応予定です。

このカードが面白いのは、PCI Expressで多くのサーバPCに実装可能な点です。 「クラウド」という大きなトレンドの中で、非常に多くの事業者がサーバの仮想化に取り組んでいますが、その規模が大きくなると同時に内部の仮想ネットワークに対しても様々な機能が求められようになれば、このようなオフロードが必須になりそうです。

なお、1860はOEMとして提供される予定だそうです。 そのため、恐らく多くのデータセンターで利用されそうな雰囲気を感じます。

10x10-2kmによる100GbE x 2のリンクアグリゲーション

BrocadeブースからShowNetバックボーンまでは、100GBASE-LR4ではなく、10x10-2km(テン・バイ・テン-2km)という規格で100Gbpsで接続されています。

この10x10という規格は、100GBASE-LR10という名前で認知している方々も多いと思いますが、最近は10x10という正式名に変更されました。 これは、「LR」という表現が1310nm帯を使う規格であるのに対し、100GBASE-LR10が1500nm帯を使っていて語弊があるという指摘がされたためです。 さらに、同じように10波を利用して40km伝送が可能な10x10-40kmという規格が提案されたため、実体にそぐわなくなり名称が変更されました。


Brocadeブースに設置されたMLXe4(展示会開催前日撮影のためケーブルコスメ前)


よく見るとラベルに「10GbE-LR10」とありますが、将来は「10x10-10km」にラベルが変わるそうです。

10x10は、2010年12月に10x10 MSAという団体が設立され、規格化が進行中です。 MSAは、Borcade、Google、Facebook、AMS-IX、Suntar、JDSUなどの組織が立ち上げています。 10x10 MSAの議事録および仕様書は「10x10 MSA - Documents」で公開されています。


100GbEモジュール。CFPオプティクス部分に100GBASE-LR4を挿入することも、10x10-2kmを挿入することも可能。

IPv6対応ロードバランサ

IPv6対応ロードバランサも展示されていました。

多くのロードバランサで一般的にNATが使われていますが、Brocade ServerIron ADXは、グローバルIPv4からのWebリクエストをIPv6へ変換しながらロードバランスを行ったり、逆にIPv6のWebリクエストをIPv4へと変換することもできます。 このような単純な変換とともに、IPv4の場合はIPv4で特定のサーバにセッションを割り振り、IPv6の場合はIPv6で特定のサーバにセッションを割り振るというハイブリッドな挙動もできます。 どちかというと、ハイブリッドリクエストの方が需要がありそうな気がしました。

Brocade ServerIron ADXには、ARB(Application Resource Broker)というVM対応ロードバランス機能もあります。 セッション数が増えると、ARBがVMWareに対して新たなVM立ち上げリクエストを送信し、VMが追加されます。 この機能はVMWare用にBorcadeが開発したVMWare対応モジュールとして、Brocade社Webサイトから入手可能です。

ShowNetデモ

ShowNetで以下のようなデモが行われています。

  • 仮想マシンの移動。VMのmacアドレスに対して、プロファイル情報としてvlan、QoS、ACLを割り当て、その次にVMを立ち上げ、そのプロファイルがVMが接続された物理ポートに割り当てられます。 次に、VMのライブマイグレーションで別の物理マシンに移動させ、プロファイルも同時に移動。
  • ファブリックの最短パスを切断し、冗長パスを利用して復旧するまでの収束時間のデモ。 ファブリックの構成に関しては、色々な種類のデモが行われます。
  • ARB(Application Resource Broker)による動的なリソース割り当て。 ロードバランサが、各Webサーバのロードを監視しながら、負荷が上昇するとVMWareに対して命令を発行し、新たなVMが自動的に起動される。 新たに起動されたVMもロードバランス対象に追加される。

参考リンク色々

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過去記事

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