IPv6は、やっぱりアメリカを見ながら進むのかも

   このエントリをはてなブックマークに登録    2011/2/18-2

以前、アジア太平洋地域のIPv4アドレスが真っ先になくなるから、IPv4アドレス枯渇対策とIPv6対応は日本の方がアメリカよりも差し迫った問題だ、というようなことを書きましたが、実際にIPv4アドレスのIANAプールが枯渇した後の動向を見ていると、やっぱり日本はアメリカを見ながら物事が進みそうだと思い始めました(だからいいとか悪いという話をしてるわけではありません。念のため)。

まず最初に「アメリカさん違うわぁ」と思ったのが、今月初めに行われたICANNによるIPv4アドレス枯渇に関するプレスカンファレンスです。 記者による質問があまりに素人っぽいというか、今までの経緯を全く知らない感じだったのが印象的でした。 たとえば、「どの会社がIPv6に積極的なのか?」という質問が出たのが印象的でした(最初は「具体的な社名は控える」とか回答しつつも、途中でNTTの名前がICANNの回答から登場していました)。

しかし、これは、それまで全く感心を示していなかった一般メディアが注目したということであって、大きな変化の予兆のようにも感じました。 さらに、プレスカンファレンス後もIPv6に関してのニュースがチラホラ出るようになりました。

ICANN IPv6 News Conference

日本でもIPv4アドレス枯渇に関しての話題が色々と報道されていましたが、アメリカの方が「商売」を連想させるような内容のニュースが多い印象があります。 これは「報道が」というのではなく、「企業が」という側面が強いです。

たとえば、Google Newsの日本版とU.S.版で「IPv6」という単語での検索結果を比べてみると、一目瞭然です。 アメリカのニュースとして「うちはIPv6サポートしてるよ!」というプレスリリースに関する記事が色々出て来ます。 一方で、日本のニュースは事実を伝える傾向が強い感じがしています。

もう、なんというか、「アメリカ企業ってやっぱりアグレッシブ。。。」という感じの感想です。 「商売の種だ!」という感じで全力疾走開始みたいな、そんなイメージを感じます。 あくまでイメージであって、どこまで実際の状況にあってるのかは知りませんが。。。

でも、「日本ではIPv6関連の顧客からの問い合わせはほぼゼロだけど、アメリカではIPv4アドレス枯渇報道以後急激に増えた」と言っている某社の人とかもいたので、きっと突っ走り度はアメリカの方が現時点で高そうな気がしています。

ということで、世界で最も大量のIPv4アドレスを保有していて、IPv4アドレスの実際の枯渇が発生するのは日本よりも後になると思われるアメリカの方が、IPv6に関してアグレッシブであるように感じます。 それが良いことなのか悪いことなのかは別として、IPv6に関しては、日本の空気とアメリカの空気は違うんだろうなぁというのを強く感じた2週間でした。

(*) Google News的な流れとは真逆っぽいですけど、NANOG的な流れでは「IPv6 is on the marketers radar」とか「Looking for an IPv6 naysayer...」が、わりと盛り上がってますね。(Google NewsでもIPv6とセキュリティに関しての勘違いみたいな記事もありますけどねw)

大きな意味を持ちそうなWorld IPv6 Day

IPv6に関して、次の大きなイベントは、6月8日に行われるWorld IPv6 Dayだろうと思います。 (ただし、その前にAPNICのIPv4アドレス在庫が枯渇する可能性もあります)

Google、Facebook、Yahoo!、Akamai、Limelight Networks、Microsoft Bing、Comcastなど、様々な企業が一斉にIPv6の「24時間テスト」を行います。

ただ、これはテストというよりも宣伝の意味合いが強そうです。 これに関連して、当日は一種のお祭り騒ぎのようにIPv6に関するニュースが世界中で扱われるものと予想されます。

これに便乗して自社の宣伝を行おうという思惑が働き、6月までに様々な企業が参加表明を行うような気がしています。 日本国内のいくつかのWebサービス系の方々も参加を悩んでいるという話を聞いてますし、日本でもWorld IPv6 Dayに参加表明する企業はこれから増えそうです。

ただ、そこに参加するかどうかに関しても、アメリカの動向を判断材料とする日本企業は多そうだと感じています。 ICANNそのものが「アメリカのもの」であるかどうかは話がややこしくなりそうですが、World IPv6 Dayはアメリカに限らず世界的なイベントです。 ただ、どうしてもアメリカの動きが最も目立つ気がしています。 ICANNのプレスコンファレンスもアメリカのメディア中心でしたし。

ということで、World IPv6 Dayは、きっと象徴的なイベントになりそうだと思います。

今年のINTEROP Tokyo

なお、World IPv6 DayはINTEROP TOKYO 2011の初日(展示会の初日)と被っているので、恐らく今年のINTEROPでIPv6 Dayに参加するための何かが企画としてありそうな予感はしています。 INTEROPでは、もう何年も前からIPv4アドレス枯渇/IPv6関連の話題は昔から主要テーマの一つでした。 昨年は、IPv4アドレスの/8ブロックをARINに返却したりもしていました。

ただ、今年はIPv6をどこまで前面に出てくるのかは、まだ内容の発表が行われていないので良くわかりません。 昨年の雰囲気からすると割と「当たり前」みたいな扱いで、主要テーマとしてはさほどフォーカスしないような予感もしていますが、イベントの方向性が発表されるのを待ってのお楽しみとしたいと思います。

追記

うーん。どうもアメリカでもIPv6は色々と微妙で、アメリカで急激にIPv6対応が進むかどうかは、まだよくわからないかも知れません。

過去に書いたIPv4アドレス枯渇/IPv6関連記事

   このエントリをはてなブックマークに登録