IPv6テストベッド

   このエントリをはてなブックマークに登録    2010/3/10-1

昨年12月より「IPv6普及・高度化推進協議会 IPv6検証環境」で、IPv6の検証環境が無償で提供されています。 先日、IPv6テストベッドを見せて頂きに行って来ました。

IPv6テストベッドトポロジ

IPv6テストベッドのネットワークトポロジは以下のようになっています。 プライベートASを活用して、様々な構成を作成できるようになっているのが特徴的です。

赤い部分がIPv6テストベッド内のプライベートASを表しています。 各プライベートASは、AS2499を介してインターネットと接続しています。

IPv6テストベッド内には、IX、大規模ISP、中規模ISP、小規模ISP、CATV網などを想定したASが作成されています。 テスト用のISPの規模は、その他のIPv6テストベッド内ASとの接続状況などによって別れています。 例えば、中規模ISPとして作成されたAS65201は、大規模ISPを想定して作成されているAS65101とAS65102によるマルチホーム環境です。

IPv6テストベッドには、各種ルータの他に、CATV用の機器も置いてありました。

CATV機器




IPv6テストベッド利用者は、これらの機器も必要に応じて利用できるそうです。

教育プログラムでの利用

このIPv6テストベッドは、IPv6検証環境の他に、IPv6を扱えるエンジニアを育てるための教育プログラムでも活用されています。 IPv6ハンズオンセミナー参加者は、実習の課題としてIPv6テストベッドに接続された機器を設定します。

IPv6普及・高度化推進協議会: IPv4アドレス枯渇対応タスクフォース「IPv6ハンズオンセミナー」開催のご案内(2009年06月12日)

IPv6ハンズオンセミナーとして、以下のテーマが行われたようです。

  • CATVネットワーク編 (ケーブルテレビ技術者向け)
  • iDCネットワーク編 (iDC技術者向け)
  • IDCにおけるサーバ運用編 (iDC技術者向け)
  • ISPネットワーク編 (ISP技術者向け)
  • SOHO/一般ユーザ向けネットワーク編

IPv6検証

IPv6テストベッドでは、教育プログラムでの利用や企業等による検証作業と平行して、テストベッドネットワークそのものを運用することで、各種製品の検証を平行して行っているそうです。 そこで発見したバグや不具合は、製品開発企業等にフィードバックされるとのことでした。

これは結構地味な作業ですが、実際にIPv4アドレスが枯渇して本当に必要な場面よりも前に様々な問題が表面化することで、事前に対策が可能になるという話だと思います。

テストベッド利用の申し込み方法

現時点では、IPv6検証環境を整えるのが難しい面がありますが、IPv6普及・高度化推進協議会のビジネステストベッドWGが提供している、このテストベッドを利用する事で企業はIPv6が関連する機器の開発や検証が可能になります。 IPv4アドレス枯渇対策や、IPv6移行に関連する製品を開発する企業は、実際の需要が発生する前に検証を行う必要があるため、このような環境が用意されているのは有用であると思われます。

この環境を利用するには、利用希望機材、実験トポロジ図、検証内容、利用希望期間、などを申込書に書き込んだうえで、IPv6協議会とNDAを結ぶ必要があります。

NDAは、企業が実験中の情報が外に漏れないためのものです。 NDAを結ぶ企業側も、他の参加者がNDAを結んでいないと怖くてテストベッドに参加しにくくなるという面があるので、こういう系統の場所ではNDAは良くある話だと思います。 特に、テストベッドというぐらいで「実験中」や「開発中」のものが登場することがあり、そのときのトラブルを元に正規製品まで「バグが多いらしい」と噂されてしまう事を防ぐ意味合いがあります。

総務省による事業

このIPv6テストベッドは、総務省による事業として行われているようです。

「IPv6によるインターネットの利用高度化に関する研究会 取りまとめ(案)2010年1月 (PDF)」の6ページに以下のように書かれています。

(2) 官民一体となったIPv6関連技術者育成の推進

総務省では、IPv6運用技術者の育成を目的とした「IPv6運用技術習得のためのテストベッド整備」を2009年度から2カ年の計画で実施している。
具体的には、実ネットワークと同等の環境を持つテストベッドを全国2カ所(川崎市、大阪市)に整備し、ISPやシステムインテグレーター(SIer)、ネットワーク機器ベンダー、コンテンツサービス事業者等のネットワーク技術者がテストベッドを利用してIPv6ネットワークの構築・運用等の技術を習得することを通じ、複雑かつ大規模なインターネットをIPv6で運用・構築できる技術者を育成している

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