MPLS光パケットスイッチルータ [NTT R&Dフォーラム2010]

2010/2/24-1

NTT R&Dフォーラムで展示されている光パケットスイッチです。 通常のインターネット回線では、光ファイバを通るパケットは、ルータやスイッチを通る度に電気信号へと変換されて処理されますが、可能な限り光信号のままでスイッチングを行おうというものです。

パケットのラベル部分だけを電気信号へと変換し、それに続くペイロード部分は光のままスイッチングすることで、消費電力と遅延を縮小可能です。 遅延は従来の10分の1程度、消費電力は従来の5分の1〜10分の1程度とのことでした。

光パケットスイッチの研究そのものは、前から存在していますが、今回のデモでは光パケットスイッチ実現時の懸念であったバッファ部分を電子的に保存するというのがポイントのようです。 光パケットスイッチを行おうと思うと、光のまま転送しなければならないため「ちょっと転送を待つ」というバッファをどうやって実現するのかというのがありました。 良くある手法としては、長いファイバを用意しておいて、その中を光が通るようにして遅延させるというものがありましたが、柔軟性が低いという問題がありました。




この光パケットスイッチは、MPLSを低遅延で実現するものですが、スケジューラがMPLSのラベル毎のキュー状態を把握し、必要に応じてパケットを電子化してバッファに保存します。 そのため、スケジューラが「衝突が発生する」と判断されたものだけが、電子的に変換され、それ以外は光のままペイロード部分がスイッチングされるという状態になります。

説明員のかた曰く、「光と電子の良い部分を両方利用した仕組み」だそうです。

MPLSで光スイッチを行うというのもポイントの一つなのだろうと思いましたが、このような機器がネットワーク内で普通に使われるようになるのは何年後ですかね。 そんなにすぐに製品化されて一般的に流通することは、ないのかも知れませんが、10年20年先にはメジャーになったりすると面白そうだと思った今日この頃でした。









NTT R&Dフォーラム D-5 光電子融合型光パケットルータ(PDF)

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gooラボ ネットの未来プロジェクト NTT R&Dフォーラムブロガーツアー2010」で、NTT R&Dフォーラム2010にお邪魔しています。

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