www.youtube.comもIPv6対応

2010/2/7-1

1月29日に「YouTubeがIPv6に対応!」と書いた時には、動画転送部分だけがIPv6対応されていましたが、ユーザフロントエンド部分のwww.youtube.comもIPv6対応されたようです(YouTube Blog: YouTube Calls on IPv6)。 YouTubeによる発表文書中で、世界のIPv4アドレスの残りが10%を切ったことも言及されています。

今回の変更によって、Google over IPv6に参加している組織からの完全IPv6でYouTubeを見られるようになりました。



> dig -t AAAA www.youtube.com

; <<>> DiG 9.4.3-P2 <<>> -t AAAA www.youtube.com
;; global options:  printcmd
;; Got answer:
;; ->>HEADER<<- opcode: QUERY, status: NOERROR, id: 37313
;; flags: qr rd ra; QUERY: 1, ANSWER: 2, AUTHORITY: 4, ADDITIONAL: 0

;; QUESTION SECTION:
;www.youtube.com.		IN	AAAA

;; ANSWER SECTION:
www.youtube.com.	86371	IN	CNAME	youtube-ui.l.google.com.
youtube-ui.l.google.com. 300	IN	AAAA	2001:4860:c004::64

;; AUTHORITY SECTION:
google.com.		296090	IN	NS	ns4.google.com.
google.com.		296090	IN	NS	ns3.google.com.
google.com.		296090	IN	NS	ns2.google.com.
google.com.		296090	IN	NS	ns1.google.com.

;; Query time: 34 msec
;; SERVER: XXX.XXX.XXX.XXX#53(XXX.XXX.XXX.XXX)
;; WHEN: Sun Feb  7 14:58:26 2010
;; MSG SIZE  rcvd: 167


世界の半分のインターネットトラフィックは上位150組織から生成されているという調査の中では、 Googleは世界のトラフィックの10%弱を生成しているとされています(参考:インターネットの形を変えて行くGoogle,Facebook,Akamai...)。

今後、Googleに続いて超大手WebサービスがIPv6化していくと、IPv6普及も一気に進むのかも知れません。 次の大きな鍵は、いつAkamai(参考:みんなが知らずに使ってるAkamai)がIPv6対応に関して発表を行うかですかね。

エンドユーザのIPv6化に関して

いくらサーバ側がIPv6化しても、エンドユーザがIPv6化しなければ意味がありません。 参考までに、ユーザへのラストワンマイルのIPv6化状況をざっと紹介したいと思います。

既にある日本国内用IPv6サービスとしては、OCNによるエンドユーザへのIPv6サービスが有名です(参考:OCN IPv6)。 法人向け回線ではありますが、KDDIもIPv6対応を2009年10月から開始しています(参考:「KDDI インターネットゲートウェイ」および「イーサシェア」のIPv6対応について)。

その他のISPでは、これから徐々にエンドユーザへのIPv6提供が開始されていくものと思われます。 今年中IPv6が可能と推測されるのは、DOCSIS 3.0によってIPv6化が可能なCATV網だと推測されます(ただし、実際にIPv6化するCATV網がどれだけ登場するかは不明です)。 たとえば、倉敷ケーブルテレビは今年からサービスインすると第二回IPv6オペレーションズフォーラムで発表していました。

アメリカではCATV最大手のComcastが2008年よりDOCSIS3.0を展開しています(参考:Comcast Press Release: Comcast to Roll Out Extreme 50 MBPS High-Speed Internet Service in Oregon and Southwest Washington in December)。

そのComcastは、先月IPv6対応に関しての発表をしています(参考:The Official Comcast Blog : Preparing for the IPv6 Transition)。 最近、アメリカのオンラインニュースでIPv6に関する話題を見ることが徐々に増えている感じがするので、日本よりも早くIPv6化が進むのかも知れません。 最もIPv4アドレスを保持しているのはアメリカで、世界の約半分のIPv4アドレスがアメリカに割り当てられています(参考:大変革が迫りつつあるインターネット)。 そのアメリカで日本よりも速くIPv6化が進むように見えるというのは皮肉だと思います。

日本国内の多くのISPは、今年ではなく来年ぐらいからIPv6コネクティビティを提供開始するような気がしています。 たとえば、NTTが関連する部分に関しては、NTT NGNによるIPv6マルチプレフィックス問題の影響で、本格的にエンドユーザへのIPv6環境が提供可能になるのは、恐らく2011年4月以降だと思われます(参考:参考:[総務省] 東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社の第一種指定電気通信設備に関する接続約款の変更案に対する意見募集)。

エンドユーザへのIPv6コネクティビティ提供ではありませんが、Biglobeは2010年度末までに全ての「サービス」をIPv6化することを発表しています(参考:NECビッグローブプレスリリース: BIGLOBEが提供する全ての「サービス」をデュアルスタック化し 2010年度末までにIPv6対応を完了〜第一弾としてメール・個人向けホームページサービスでIPv6に対応〜)。

IPv6まわりの話は、何かが改善するというよりは、来るだろうと思える危機に対する備えという側面が強いので理解は得にくく、まだ一般ユーザには全く実感はわかないかも知れませんが、IPv4アドレス枯渇とIPv6への移行は徐々に進行していると思える今日この頃です。

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