国境を越える巨大Webサイトによる「ユーザのるつぼ」

2009/10/23-2

先ほど書いた「インターネットは贅沢品か必需品か?メキシコのネット課税」に関連するネタです。

最近、徐々にハッシュタグを利用したTwitterデモが増えている気がします。 インターネットが登場した当初から、情報が国境を越えると言われていますが、Twitterほどインターネット上の国境を曖昧にしたサービスは無いのではないでしょうか? 今までで一番大きかったのが恐らくイラン選挙関連だと思うのですが、時として話題が世界中に広がります。

今まで、これほど海外ネタが自然に降って来る媒体はあまり無かった気がします。 ボーッとテレビニュースを見ていると海外の情報が入って来る感覚に近いです。

世界中のユーザが一カ所に集まる巨大Webサービスという意味では、 YouTubeやFlickrも近いものがありますが、カジュアルユーザが大量に駆けつけて単一の話題に参加する手軽さを考えると、動画や写真を中心としたものは手間が必要です。 また、それらのサービスは「国」や「言語」というコミュニティ毎に単一の入り口とオススメが事業者主体で作られているので、Twitterほどの国境の曖昧さはありません。

ただ、YouTubeなどを含めて、インターネット上で国境を越えてユーザを集めてしまう「ユーザのるつぼ」となっているサイトが増えている事も確かだと思います。 一つのサイト内に様々な国や文化の人々が集まり、地球の向こう側にいるユーザがすぐ隣に居るように感じさせてしまう超巨大サイトが徐々に増えている気がします。 世界中のアテンションを集めつつ、異文化が背中合わせの近さに存在しているバーチャル空間です。

例えば、私も普通にTwitterを使っているだけで、インドネシアやペルーの知らない人とTwitterで会話をしたことがあります。 アメリカの通信機器メーカーの営業の人が、私をNTT社員だと勘違いして話しかけてきたこともあります。 このような感じで、Twitterは世界中の人々の距離を急激に縮めていると思います。

ただ、これによって、今後はTwitter紛争も発生するかも知れないと思う事があります。 例えば、二つの文化が互いにTwitter上で牽制しあうという事もありそうです。

Wikipediaの特定項目(歴史など)では編集合戦が日常的に行われているようですが、それに近いことが発生するのも時間の問題かも知れません。 そういえば、数ヶ月前に、ある踊りの起源を巡ってマレーシアとインドネシアの人々が牽制しあっていました。

一つの場所に非常に大量の思想や文化が交流する空間が出来る事そのものは非常にワクワクしますが、今後は世界のアテンションが一カ所に集中すればするほど副作用もありそうだと感じた今日この頃です。

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