個人ブロガーが「詐欺」発言で2000万ドルの訴訟を起こされる

   このエントリをはてなブックマークに登録    2008/8/26-1

30歳女性(とWebサイトに記載されている)ブロガーがブログ上でVision Media Televisionという企業を「Scam(詐欺)」と書いたことにより(Scam Taking Advantage of Green Businesses)、2000万ドルの損害賠償請求裁判をおこされたそうです。

The Oko Box Blog : Vision Media Sues The Oko Box For $20 Million Dollars

一部では話題になっているようで、英語ブログや海外SBMでちょくちょく(ただし小規模に)出てきます。 「blogger sued 20 million」や、それに「oko box」を加えて検索をすると、この事件を話題にしているブログが出てきます。

事件概要

訴えられた女性はThe Oko Box Blogというブログを運営しています。 このブログはオーガニック食品、洋服、エコ系商品などを扱う個人ショップのようです。

訴えた側の企業は情報を開示していないようなので、訴えられた側の主張しか見られませんが、 以下、訴えられたLeslie氏のブログに記載されている経緯です。 (Leslie氏には、「ここに記載されているのは私から見た意見なので事実関係は各自が調べてください」というような内容が書いてあります。)

訴えられたのは7月後半のようですが、問題となったブログ記事は今年の2月に遡るそうです。 当初は5 millionだと思っていたそうですが、訴状のtypoなどを修正していくと実は20 millionだった事がわかったとLeslie氏のブログに記載されています。 Leslie氏のブログ記事のURLが「vision-media-sues-oko-box-for-5-million.html」なのは、当初の勘違いから来ているそうです。

ある日、Leslie氏に対して「環境問題レポート」に関する教育番組を作っているという名目でVision Media TVという企業から取材依頼があったそうです。 制作した番組はPBS、CNN、ヨーロッパのテレビ等で放映される予定であると伝えられていたそうです。 電話による「取材」を何度か行い、その中で「世界中の8400万人が見るけどショップとして大丈夫?」などの確認を何度か行ったそうです。

そして、取材寸前で「取材へ行くための旅費として3000ドル必要。制作費は2万2900ドル。」と言ってきたとブロガー側は主張しています。

ブロガーが調べたところによると、結局ビデオは制作されても電波には乗らず、YouTubeに出るだけだったそうです。 「詐欺的だ」と感じたブロガーが、その意見をブログに書いたところ「脅迫的な電話を何度か受け、最終的には訴えられた」そうです。

PBSのFAQ

Leslie氏のブログにてPBSのFAQが紹介されています。 「Vision Media Televisionは関係ありません」と書いてあると同時に、同じような事をしている様々な企業名が書いてありますね。

以下、PBS FAQsより該当箇所を引用。

Q. Does PBS have any affiliation with programs produced by Vision Media Television (or VM Television)?
Q. I've been contacted by a TV producer who claims that he will feature my company in a national public television program in exchange for a fee. Is PBS aware of this?
A. A number of businesses have contacted PBS to ask us about our relationship with the producers of various television programs carrying titles such as Giving Back, Learning About, and The National Report Series. According to representatives of these businesses, the producers have offered to feature the representatives' businesses in a television program and indicated that the program will be made available on national public television. Based upon representations made to them by the producers, the businesses were led to believe that the producers were associated with PBS and that PBS intended to distribute or otherwise endorsed their programming.
PBS wishes to clarify that it is not associated with and does not endorse, distribute programming for, review underwriting for or otherwise have any business relationship with the following production companies: VM Television, Vision Media Television, Paradigm Media Group, PMG, PMGTV, Infinity Media Group, Roadshow Productions, Family Television Studios, United Media Communications Group, American Review TV, Business Break TV, Event Media TV, or Global Television Studios. PBS does not oversee the production or distribution of any programs associated with any of these companies.

その他、Leslie氏のブログにて色々な情報が掲載されています。

様々なユーザからの情報

この「事件」は徐々に注目されはじめているようです。 訴訟額の大きさや、訴えられたのが個人であった事、訴えた側が非常に香ばしい事などが重なっているためだと思われます。

「同じビルで働いている」と主張している情報提供者が出現して、クレームに来る人の状況を説明していたりします。

最後に

今回の事件は結果的に訴訟側企業を根掘り葉掘り調べるネットユーザを出現させていますが、莫大な金額で訴えを起こされてそれに対応をしなければならない事は変わりません。

個人で営むブログ等で訴訟を起こされる事件は日本でもありますが、やはりアメリカはスケールが違います。 ブログ記事一つで約20億円って。。。

今後、日本人が海外展開を考えて英語でブログを書くことも増えていくと思われます。 英語で書いたブログに関して海外で訴訟を起こされた場合にどうなるのかが非常に気になりました。 (もちろん、日本語で書いても海外から訴訟を起こされることはあるのでしょうが、訴訟を起こす相手が意味を理解するというハードルは高くなります。)

今回のような事例ではなく、宗教や文化が絡んで行った事もない国で訴訟を起こされる事もあるかもしれません。 良くも悪くも個人の「影響力」や「守備範囲」が広がっていき、それに伴って各個人による「踏み込むべき深さ」の判断が重要度を増す気がします。

ただ、ここら辺は事例を重ねて行って、何が発生し得るかを様々な人々が経験していくしかなさそうだと思う今日この頃です。 まあ、今回のような電話キャッチセールスが海を越えてやってくるとは考えにくいですが。。。

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