漫画家志望者がインターネットを使って名を上げられる環境が構築できないだろうか?

   このエントリをはてなブックマークに登録    2008/6/9-1

インターネットを使ってオンラインの世界で無名の漫画家志望者が名を上げるにはどうすれば良いか、どのような環境を構築したら、「漫画家への高速道路(梅田望夫氏風)」が出来上がりそうかに関する妄想です。 以下は何の根拠も無い単なる妄想なのでご注意下さい。

人々の視線が集まる「場」

これから漫画家を志望する人が、自分を売り込んだり名を上げるためには、多くの視線が集まる「場」において実力を示せれば良いのかも知れないと妄想しました。 恐らく、漫画の出版社が強い立場であるのは「読者の目」という「場」を保持しているためだと思われます。 インターネットであれば、紙や流通という大きな参入障壁が無いため、多くの読者が目にする「場」を構築することへの挑戦への敷居は非現実的な高さではないと思われます。

多くの視線が集まる「場」において、特定の読者層を獲得できて話題を作り上げられれば、そこに対してオファーを出す出版社や、仕事を発注したいと申し出る企業が出現するかも知れません。

既に売れる事が自明なほどオンラインで人気が出れば、漫画を扱っていなかった出版社が漫画を出版する事が普通になるような世界も来るかも知れません。 最終的には、紙として出す媒体と普及させるために「読者の視線」に届ける組織は全く別である事が当たり前になったり、漫画の巻毎に出版社が異なるという世界もあり得るかも知れません。

ブログで有名になる

まず、有名になってから出版社にアクセスすれば、不利な契約内容にならずに済むかも知れません。 もしくは自分からではなく、出版社から連絡をもらって出版へと行ければ対等な関係での契約に出来るのかも知れません。

ブログでイラスト等を公開し続けて、読者を集めて話題になれば出版への道が開けるという手法が、最初に思いつきそうです。 (参考 : wikipedia:うちの3姉妹)

漫画ではありませんが、有名ブロガーの方々が本を出版されるのも近い話かも知れません。 有名ブロガーの方々は「専属契約でなければ出版させない」と言われても、「じゃあ他を探します」と言えそうな気がします。

ここでポイントなのは、有名ブロガーの方々は出版社の力が無くても自分の作品に対するイメージを構築できているところです。 漫画週刊誌等に掲載してもらわなければ、広く知名度を上昇させることが困難である世界との大きな違いは、多くの読者を獲得する手段をあらかじめ持っているかどうかなのではないかと、勝手に妄想してみました。

ブロガーと漫画家のコラボレーション

ある程度読者を集めたブロガーと漫画家がコラボレーションをしながら「絵○○作」という形で掲載をすることによって、ブログ読者が特定の漫画家に対して興味を持てるようにしていく方法もあり得るかも知れません。

文章はブロガーが執筆し、挿絵を漫画家が描くというものです。 どのような形になるのかは、それぞれの人間的な特長によって変わってくると思いますが、まだそのような事をしている人はあまりいなさそうなので、インパクトはあると思います。

会社に勤めながら匿名で知名度上昇活動

何も収入がなければ生活が出来ません。 全く人気が出なくて袋小路に入ってしまうのではなく、安全な道を歩みつつ挑戦をしたいと思う人が居ても良いと思います。

そのような方は、プライベートの時間をコツコツと使いながら漫画を描き続け、オンラインの世界で知名度を上昇させる努力を続けるという方法もあり得そうです。 オンラインで人気が出なければ、会社勤めを継続し、大きな人気が出れば出版社等と自力で交渉していき、生活の目処がついた時点で漫画家に切り替えるという方法です。

恐らくこのような活動を既にされている方は多いと思いますが、このような活動をするときにある程度の匿名性を保ちつつユニークネス(独自性、ペンネームでも良いかも知れません)を維持できて、オンラインに漫画を掲載するオーバーヘッドが小さいようなシステムがあったらいいのかなぁと妄想してみました。

ブログと相性が良いのは1コマ/4コマ漫画?

現在の、1記事1ページという形態が多いブログでは、各ページが独立した内容として捉えられる事が多くなってしまいます。

そのため、ブログと相性が良いのは各話題を完結させやすい1コマ漫画や4コマ漫画だと思われます。 例えば、全部を漫画にせず、1枚の挿絵に対して文章を多く書くという方式もあり得るかも知れません。

ブログと漫画の相性が非常に悪いのはブログのインターフェースが一因だと思われます。 一般的に、途中から読もうと思うと、ブログでは新しいものから遡って読む形になります。 漫画では、ある特定の場所(第○話の最初やストーリー開始部分)から徐々に新しい方向へと読んで行きたい物です。

そのため、いわゆる普通の漫画や(場合によっては小説も)はブログとは相性があまり良いとは言えません。 ただ現状では、最も普及しており、無料(もしくは安価)で手軽に使いやすいオンライン公開ツールはブログであるというのも事実であると思われます。

出版を前提としてないコマ割り

そもそも、全てをオンライン化することを考えると、今の「紙」や「ページ」という概念にとらわれないコマ割りも可能かも知れないですね。

まあ、将来出版を狙いたいのであれば結局紙ベースのコマ割りが必要だったり、既存の作画ソフトが紙全体だったりという問題はあるのかも知れません。

漫画公開用ブログシステム or CMS

漫画公開を主目的としたブログ風のCMSがあると良いのかも知れません。

漫画公開を主目的とした場合、「次のページに進む」「前のページに戻る」「話の最初に行く」「全部の最初に行く」「登場人物で検索」などの機能の作りこみ方が普通のブログと異なりそうです。 ページをめくる感や、読み進めた時ユーザの負荷などが大きなポイントになりそうです。 例えば、ページをめくる毎にマウス操作をしなければいけないような漫画の読み方をしたくない人は多そうです。

例えば、それをオープンソースで作成してsourceforge等で配布すれば、漫画家養成勝手サイトのようなものが自律分散的に発生するような世の中を構築できるのかも知れません。 もちろん、それを作って運用するという選択肢もあり得ます。

コンテンツ連動広告を表示するための仕組み

(台詞も絵の一部だと考えると)絵だけのマンガではコンテンツ連動広告と相性が悪くなってしまいます。 そのため、絵に記述されている台詞をコンテンツとして絵の下に記述するなどの工夫が必要になってくると思われます。

(ただし、コンテンツ連動広告を利用するという選択をする場合)

podcastのような感覚で画像配信を行う

iPhone SDKをつかったりすれば、専用のリーダーを作れそうです(ソフトバンク携帯でもできるようになる?)。 RSS等の技術を利用して、好みの作品(連載)を登録しておき、電車の中などで楽しめるというモバイルな使い方を構築できれば、Webだけに閉じた世界から日常の世界へと漫画家志望者の作品を届けられるようになるかも知れません。

標準フォーマットを使ったり、利用するフォーマットを公表する文書を公開さえしていれば、第3者が専用クライアントを作成することも可能になります。

「一般利用者は無料だけど、デバイスを発売する家電メーカーはライセンス料払ってね」というモデルで運営されている既存オンラインサービスもあるので、同様のモデルで「一般ユーザからは集金せず、営利団体からは集金する」という方法での運営もあり得るかも知れません。

18禁も扱えるようにする

18禁は「読みたい人」と「作りたい人」が非常に多い分野だと思われます。 そのような需要と供給を満たせるような公の場が存在しても良いと思われます。

18歳以上はsubscriptionベースにしてしまえば、18禁以外の人と同一サイトで共存させても許してもらえたりしないでしょうか。。。 まあ、サイトデザインとも密接に絡みそうですね。 クレジットカード支払いを義務化すれば年齢確認も正確に行えるかも知れません。

DRM系の話も扱えると嬉しそう

18禁系のマンガはたちどころに海外違法サイトに奪われる傾向があります。 言葉が通じなくてもコンテンツとしては問題なく、他国での流用が簡単である反面、 製作者側がレコード会社のように巨大ではないため、強い措置を取りにくいという状況が背景にあるかも知れません。 名も無い漫画家志望者であれば、会社として運営している製作者よりもさらに弱い立場になってしまいます。

このような再利用にメリットがあり過ぎて、かつ防ぎにくい分野にこそDRMは有効なのかも知れません。 製作者側が必要に応じてDRMを使えるようなマーケットもあって良いと思います。

ただ、DRMを前提にすると、専用ソフトが必要になったり、専用デバイスでしか視聴できないという制限が発生します。 名前を売ることを前提に全てフリーという選択肢と、製作者が料金をきっちり請求できる選択肢が組み合わさったシステムが良いのではないだろうかと勝手に妄想してみました。

出版社がリスクを減らせる面もある

既に人気が出た作品や漫画家が出版をする形になるので、全くの新人と契約するのと比較するとリスクが軽減できる面もあるのではないでしょうか?

また、既に固定の読者がついている場合、その規模を調べる事で売り上げ部数等の予測が行いやすくなると思われます。 そうなってくると、漫画を扱ってこなかった出版社も漫画という大きな市場に参入できるかも知れませんし、海外の出版社が日本の新人をいきなり発掘するという事も可能になりそうです。

志望者を支援するシステム

出来るだけ漫画家志望者に有利なWebサービスが出来ると嬉しいのだろうなぁと思いました。 例えば、各ページに表示される広告の収入を作者に出来るだけ還元したりですかね。

場合によっては、出版社紹介サービス等も出来れば良いのかも知れません。 これは、出版社側がアカウントを作成できて、各作家毎の読者数を見たり、人気ジャンルを調べやすくしたりという機能で「出版社が新人を検索できる」という作り方もあり得るかも知れません。

ただし、運営するには運営用の費用をまかなえなければ長続きはしないので、収入を得られる道を考える必要もあります。 広告というモデルだけというのも何かモヤモヤとした気もしますが、結局は広告モデルなんですかね。。。

最後に

以上、漫画家志望の人がリスクを減らして様々な事に挑戦できるようなプラットフォームってどんな形になるんだろうか?という妄想をしてみました。

タイトルに「匿名」という表現を入れていますが、そもそもペンネームを匿名と言うのであれば最初からWeb上でペンエームで活動していれば、匿名と言えば匿名ですね。

私は絵が全く描けないので、アニメでもそうでなくても絵を描ける人が凄いと思ってしまいます。 「絵が描ければあんな事や、こんな事がいっぱい出来て、やれる範囲が非常に広がるんだろうなぁ」と羨ましく思います。 (ただ、きっとそれは無いものネダリなんだろうとも思います。絵を描ける人はプログラマを見て「プログラム書けるのうらやましいなぁ」と思っているかもしれません。)

なお、私は漫画/アニメ業界に詳しいわけでもなく、漫画家志望者の方が直接知人にいるわけではありません。 結構外れた事を書いている可能性も高いのですが、ご容赦頂ければ幸いです。

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