村上隆氏マイ・ロンサム・カウボーイのニュースを見て思ったこと

2008/5/16-1

村上隆氏の芸術が競売王手サザビーズにて16億円近い値段で落札されたというニュースが各所で話題になっています。

YouTubeに村上氏自身がマイ・ロンサム・カウボーイを解説したビデオが投稿されていました。 「An Exhibition Tour with Takashi Murakami - Part 1」というタイトルでMOCA(The Museum of Contemporary Art, Los Angeles)が投稿したものです。

以下、村上氏が語っている内容を一部抜粋してみました。 大幅に意訳しているので、詳細はビデオをご覧下さい。

これがプロジェクト「ko^2 (ココ)」です。(1997年作品) 私の最初の彫像作品です。

ウェイトレスです。 日本の男性が持つ女性像はアニメやゲームなどの2次元の世界から来ていますが、これはそれらを3次元化したものです。

今まで、実物大でこのようなフィギュアが制作されることはありませんでした。 私はそれを確信しています。

私達はこの作品をMLCと呼んでいます。(1998年作品) My Lonesome Cowboyです。 Lonesome Cowboyというタイトルは昔の映画から来ていますが、私は映画は見たことがありません。 (訳注:Lonesome Cowboys : 1968?、wikipedia参照)

タイトルが美しいです。 ポル ノというコンセプトであり、裸の女性や男性、ゲイカルチャーなどに多くの人が衝撃を受けました。 (訳注:「Lonesome Cowboysという映画によって」と言いたいと解釈しましたが自信はあまりありません。)

(「hiropon」1998年作品の映像)

この作品を日本で紹介したとき、多くの人が衝撃を受けました。 アメリカではより多くの人が衝撃を受けたようです。 ロサンゼルスでこの作品を展示したとき、「12歳以下は(ry」と書いてありました。 私もその記載を見て大きな衝撃を受けました。

eigokunさんを思い出した

そういえば、世間に理解されずにブログを炎上させて「閉鎖」した芸術家がhatenaにいました。 eigokunさんです。

eigokunさんは独創的かつ踏み込んだ主張をすることでhatena界隈で一時注目されましたが、あまりに多くの批判が殺到してしまったためブログ活動を停止してしまいました。 (現在はtwitterとflickrでの活動を続けられているようです)

当時の騒動でululunさんがeigokunさんのflickr画像が凄いという事を発見し、記事を書いていました。 私もその記事を読んで、eigokunさんの絵は凄いと思いましたし、その絵から何かを感じざるを得ない事とオンラインでの発言の奇抜さは関連性があるのではないかと思いました。

そして、今回YouTubeに掲載されているマイ・ロンサム・カウボーイを見て、世間を賑わすような芸術には「世間が顔をしかめるような内容をあえて取り上げる」という要素が関連している場合も大いにあると感じました。 「普通」だと「芸術」じゃなくなってしまうのかも知れません。

20年後ぐらいにeigokunさんが世間を賑わすような衝撃的な作品を発表している可能性があるかも知れないと勝手に妄想してしまいました。

一般に報道されているニュースと実際の乖離が凄い

新聞や新聞社ニュース等を見ると、「裸の男性フィギュア」「高さ254cm」「約16億円」などの情報は記載されていますが、その詳細までは書かれていない事が多いです。 また、写真も作品の上半身だけを扱ったものが多いと思われます。

一方で、さらに詳細を見ようと思って「マイ・ロンサム・カウボーイ」という単語で検索をすると、実は作品は裸の男性が自分の精液を飛ばして縄を作って投げ縄風の動作をしているという事がわかってしまいます。

普通にニュースを見た人は「村上氏凄い」という感想を持ちますが、さらに詳細を見ようと思って調べてみて絶句。。。という構図もあるかも知れません。

内容が内容なので公共の電波等に載せられず、こうなってしまうのは仕方がないとも思いますが、このような小さな事例が積み重なって行くことが「ニュースと実際の乖離」という視点を浸透させていってしまうという事例なのかも知れません。

もちろん、このような「乖離」に関しては前から言われています。 ただ、「実際はこうだったらしいよ」というような裏が取りにくいネット上の記述ではなく、全体写真を見るとあからさまに受けるニュアンスが異なってしまうという事例であると感じました。

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