レッドビーシュリンプは儲かるのか?

2008/3/24

最近、知人の熱帯魚ネットショップに対する検索キーワードで急上昇している単語があります。 「レッドビーシュリンプ 買取」です。

テレビで紹介された影響で、「レッドビーシュリンプを繁殖させると大儲けできる!」と考える人が急激に増えたようです。 様々なQ&Aサイトでも、急にレッドビーシュリンプに関して質問している人が出てきています。 質問の多くは「繁殖」に関してでが、同時に飼育方法も質問していたりして、水生生物飼育の初心者である事が予想されます。

とりあえず、結論から。

これからお金儲けを目指している人へ。 レッドビーシュリンプでまともに儲けようと思ったら、かなり大変ですよ〜。 無理とは言いませんが、普通に働く方がよっぽど収入になると思います。

最初はお金儲け目的で参入して、途中から趣味として楽しむ人もいるかも知れないので、それはそれで良いのかも知れないとも思います。。。

レッドビーシュリンプとは

レッドビーシュリンプというのは、体長2〜3cmぐらいの淡水エビです。 赤と白のコントラストが美しく、非常に人気が高い甲殻類です。 寿命は1年ちょっとぐらいです。


(写真のエビは高級品ではありません)

もともとは白黒(茶色)のエビだったのですが、日本で鈴木氏が赤白版のビーシュリンプを作り出し、それが爆発的にヒットしました。

人気が恐ろしく加熱した時期があり、biddersで1匹が100万円以上で落札されたこともあると言われています。 また、数十万円クラスのエビも存在していました。

テレビ番組

オリラジ経済白書

私は見ていないのですが、先日「オリラジ経済白書」でレッドビーシュリンプが紹介されたようです。 1匹1万円のエビを10匹購入し、3匹途中で失いつつも、1ヵ月後に7匹を17万円で売ったそうです。 (通常は育てるだけで金額は増えません。普通はユーザの手に渡ると中古として価格が暴落します。)

さらに、そこで紹介された映像が「何このランク?」というようなランクのエビだったそうで「これが1匹6万円のわけない!」と話題になっていました。 それに関しては、編集上の問題で放映されたエビと買い取られたエビが異なるものだったことが問題であると、関係したショップの方が書かれています。

この「編集上の間違い」は、エビの美しさと市場価格は愛好家以外には判別不能であるという事実を良く表した事例だと思います。 レッドビーシュリンプを飼育していない私も恐らくグレードや良し悪しがわかりません。 テレビを見て「これから淡水エビで儲けるぞ!」という方々には、値段に対してエビのグレードが適正であるかを見分ける事は難しいのではないでしょうか。

ワールドビジネスサテライト

なんと、その後、WBS(ワールドビジネスサテライト)でも放映されていたようです。 「上手く増やせたら売れる」という点も特徴であると紹介されていたようです。

儲かるのか?

今からレッドビーシュリンプ養殖に新規参入しても恐らく儲かりません。 レッドビーシュリンプのピークは既に過ぎており、今はどちらかというと価格などは下降しています。

大人気になった種類の特徴として大量の先行者がいることも、儲けにくくなっている要因です。 100本以上の水槽を駆使して繁殖を繰り返し、ショップや問屋へ卸すルートも持っているセミプロや、もっと大規模にやっているプロに素人が対抗して勝つのは並大抵ではありません。

そもそも、ポッと出の素人がブリーディングした生き物を買い取ってくれるようなショップは皆無です。 素人が繁殖させられるような簡単なものであれば、東南アジアからの輸入便から入手した方が安価で、しかも品質が高いです。 東南アジア系の地域では、新しく出た品種をいち早く入手し、繁殖方法を確立してから商業ベースで大量に繁殖させる「プロ」が存在しています。 テレビを見て「儲けたい」と思った素人が太刀打ちできるものではありません。

どうやれば儲けられるのか

本当にアクア系で儲けたいのであれば、人がやっていないところをやる方がお勧めです。

儲けになる要因が無いとは言いません。 深くやっていけば色々あると思います。 実際に莫大な利益をあげた人の伝説を聞くことはあります。 ただ、2匹目のドジョウでは駄目なのが難しいところだと思います。

自分の品種を作る

自分の家の水槽で突然変異が発生して、その個体が美しい模様だったりするとチャンスは大きくなります。 その個体をコンスタントに繁殖できる体制が整えられれば、恐らく莫大な収入になると思われます。 ただ、突然変異というぐらいで、そう簡単に出るものではありません。

薄利多売

大量に養殖して大量に売ります。 それなりの規模がなければいけないので、ちょっとした儲け話というよりも本格的な事業展開になります。

外的要因でレアになる魚をあらかじめ先取りしておく

何らかの理由で入荷が恐ろしく困難になった種類の繁殖体制をあらかじめ整えてあったという方法もあります。 例えば、ブラジル政府(の機関であるIBAMA)が環境保護を理由に近年輸出禁止した魚種がいくつかあります。 インペリアルゼブラプレコや淡水エイは価格が急騰しました。 これらの魚種を繁殖させて儲けている人は今もいます。 繁殖を行う人が多少増えてきたこともあり、多少価格が低下しはじめていますが、レッドビーシュリンプの価格暴落に比べれば、まだ価格が維持されている方だと思います。

なお、輸出禁止になった魚種の多くは繁殖能力が高くないことが多く、産卵数が少ない、性成熟までの期間が長い、繁殖難易度が高い、繁殖形態が不明、などの困難が伴う事が多いです。 親魚の維持自体が難しいという理由もあります。

さらに、現在儲けになっているものの多くは、それを目指して繁殖を狙い始める人が多いので、今から開始しても繁殖体制を整えた頃には価格が暴落している可能性があります。

インターネットが魚の価格を暴落させる

昔は、繁殖方法が秘密であることが多く、特定の人だけがレア魚を繁殖させることが可能でした。 秘密にすることで、繁殖ノウハウと魚の価格を維持していたようです。

しかし、最近ではインターネットで全ての繁殖ノウハウが公開されるようになってきました。 そのため、繁殖に関する敷居が非常に低くなり価格が暴落する速度も上昇しているようです。 「儲けたい」という思いを持った人が苦労する要因なのかも知れません。

でも、楽しめないと続かないと思う

結局は、趣味の副産物としてたまたま市場価値が出てしまい、それに遭遇した人がいつのまにか儲かる業界なのではないかと思われます。 ペットの繁殖で、本当に成功するかどうかに関してはほとんど賭けです。 楽しみながらやっていて、たまたま凄いものを作り出してしまったら、事業化することを考えるぐらいが良いと思います。 好きじゃなきゃ続かないですよ。きっと。

いや、そもそも、儲けとか言わないで「自分で行う子育てが楽しい」という気持ちの方が飼っていると非常に強くなると思います。

レッドビーシュリンプ報道に関して参考

プロフェッショナルIPv6解説動画シリーズ再生リスト

動画で学ぶ「プロフェッショナルIPv6」を作っています。 もしよろしければご覧ください。お楽しみいただければ幸いです!